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【自分の仕様を視覚化する】デザイン思考で上げる自己肯定感と牽引力(後編)

前回はデザイン思考を応用して、自己肯定感を上げたり、時代に相応しいリーダーシップを獲得、発揮する目的でオリジナルに制作、実践中の「自画(自我)自賛のススメ!ワークショップ」についての前編でした。今回はその続きのお話し、後編をお届けします。

創造的な“開き直り”で獲得する楽観力

自己肯定感が上がらない要因として「自分に対する客観的理解と納得の欠如」と「自分と世界との関わりに対する認識の欠落」の2つを挙げていました。前回は1つ目の課題に対し、自分の個性を炙り出し納得するワークを紹介していましたが、これと併せて自己の長所と欠点を理解し、納得するワークを実施します。私のワークショップでは常に“私自身”という具体的な材料を料理しながら生々しくも理解し易い形を採ります。

例えば私自身のハードウェア上の欠点として仮に「歯並びの悪さ」があるとします(事実です汗)。欧米のビジネスカルチャーでは歯並びの悪さは致命的とも言われます。とはいえ今さら矯正も手遅れです(笑)。そこでまずは「これも個性」と受け入れつつ、「年取っていつか総入れ歯にでもなれば全て解決!(技術や時間がいつか解決してくれる)」と解釈し、日常でも隠すのではなく、むしろ「憶えて貰いやすい満面の笑顔」を心掛けるようにしています。

自分で何気なく感じている欠点や劣等感は、放置しておくと他人から不意にそれを突かれた時、焦ったり逆上したりする場合もあります。これらは客観的自己理解と積極的行動原則によって補強され、いつ何時その欠点を突かれても全く動じることのない安心と納得が得られ、結果として、いつでも楽観的でいることができる。また、この楽観性に繋がる自己理解は“創造的な開き直り”で促すことができます。

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私のWSでは“創造的な開き直り”に向けた6つの視点を紹介しています。「視点の転換(Change of perspective)」「痘痕も靨(Love sees no faults)」「技術に頼る(Rely on technology)」「時間が解決(Just a matter of time」」「確率が味方(Probability is on your side)」「むしろ流行(Rather fashionable)」の6つ。どんなネガティブな因子でも、きっとこれらの中からそれをポジティブに反転させる視点が見つかるはずです。ご参考まで!

サブキャリア(行間や余白)で増強される強みの発信

同様に長所についても引き出していきます。ワークではペアになって互いの長所を聞き出し合いながら、それらを一つ一つ点検していきます。特に「それは本当に長所と言って良いのか?」を多角的に見分、エビデンスの有無なども確認していきます。その後、その長所や美点、強みをどう発信していくと良いのかについてブレストしていきます。どんな発信が受け入れ易く、或いは受け入れ難いか。人から尊敬されたり憧れられたりする人は往々にして「強みの発信」が巧みです。

本当に凄い事を成し遂げている人から「な、オレ凄いだろ?」とそれをアピールされると、メインディッシュが2度出されたみたいにどうしても辟易してしまいます。発信の上手い人はメインでなく、サブの余白や行間を巧く使っているように思います。大谷翔平選手の場合で言えば、その豪快なホームランや100マイルを超えるピッチングの一方で見せる、フィールドのゴミを拾ったり、ラインを踏まないようステップしてマウンドに向かう仕草などがそれに当ると思います。サブキャリアが静的であればあるほどメインの動性が際立つ。日本人の持ち前の控え目さが効果的に役立つ要素でもあると思います。

「いつか~したい」を「いつ~する」に置き替える

自己肯定感が低い2つ目の要因、自分と世界との関わりに対する認識の欠如に関して、自我自賛ワークショップでは、自分の夢のバケットリストと社会変革の紐付けを行います。今は100年人生と言われる時代。一方で必要なプラットフォームは無償で提供されている時代。そして全てが加速度的に進化する時代。これから世界で起きるであろう社会変革や技術革新に自分の夢のバケットリストを対象させることで「世界の動き」に「自分の夢の実現」を強制的に後押しさせるべくスケジュールを視覚化します。

今までなら「自分で自動車会社を起業する」のは極めて困難でしたが、電気自動車の登場で参入障壁は一気に下がりました。宇宙旅行だってこれからは多くの人が行くようになるでしょう。こうした近未来に起こる変革と自分自身の将来を緊密に関係付けることで、夢をただの夢でなく、実現可能な夢に描き換えていきます。そして「いつか起業したい」「いつか海外に住みたい」「いつかホテルを経営したい」「いつか宇宙から地球を見てみたい」といった夢の接頭にある「いつか」を「いつ」としてハッキリさせることが今なら出来るはずです。

無不可能の時代

「人間が想像できることは人間に必ず実現できることである」とはSF作家ジュール・ヴェルヌの言葉だったでしょうか。そういえば今は「未来」があっという間に「現在」になってしまう超加速度時代、未来を描くSF作家という職業が今ほど大変な時代も無いでしょう。そしてヴェルヌのこの言葉、ちょっと意訳すれば、想像は実現の第一歩であるとも解釈できます。そしてその想像の情景の解像度を上げれば上げるほど実現に近づいていく。タイムライン化のワークはそれを手助けします。

弊社POVには元NASAで働いていた超が付くほど優秀なエンジニアもいます。短絡的に考えるなら10年以内にPOVが宇宙事業に参入していてもおかしくはないと…。10年前なら鼻で笑われたかもしれない夢物語が今なら現実味を漂わせて話せる。逆に言えば「不可能」ということが随分減ってきている。いえ、もっと極端に振り切って言えば今や”不可能”が無い=「無不可能」の時代。自分という存在がそんな時代に生きていることを幸運なことだと感じられたら、自分も未来も随分と肯定することができるのではないでしょうか。

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