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基礎編6* 「分子判定の基礎①」並べて2けたの整数をつくる

  大小2つのさいころを同時に1回投げ,大きいさいころの出る目の数を十の位の数,小さいさいころの出る目の数を一の位の数としてできる2けたの数を$${m}$$とするとき,$${m}$$が素数である確率を求めなさい。
 ただし,さいころの目の出方は1,2,3,4,5,6の6通りであり,どの目が出ることも同様に確からしいものとする。(三重県2020)

問題を解く前に・・・

 ここからは、分子の出し方に焦点を当ててみようと思います。

 そのためには、分母は「さいころ2個/2回」の問題(分母は36になる、基礎編)だけにして、分子の求め方、分子はいくつになる?に集中して解説したいと思います。

 実は,ここまでは2つの偶然の結果を直接比べたりする問題でした。しかし多くの確率の問題は「いったん判断材料を作って、それを判定する」というタイプの問題です。

 分子も、やはりいくつかのパターンに分けて、見ていくことにしましょう。まずは「2けたの数をつくる」問題。

分母は・・・

 基礎編3でやったように、36通りですね。

スライド2

分子は・・・

①判定材料をつくる
  ↓
②それを判定して、数える
というやり方で進みます。(ここまで採り上げてきた問題は,実は判定材料をつくるところが省略できる問題を選んできていた、というわけです。)

スライド1

①判定材料を作る

 これまでの問題と違うのはいったん判定材料を作る、ということです。

 この問題の判定材料は、問題文にあるとおり大きいさいころの出る目の数を十の位の数,小さいさいころの出る目の数を一の位の数としてできる2けたの数 $${\bm{m}}$$です。

 さっきの表にそれぞれつくった2けたの数を埋めていきましょう。

スライド3

分子②・・・判定して数える

 さて、材料ができましたので「素数かどうか」を判定して、数えましょう。素数かどうか? 2でわれるかな、3でわれるかな、5でわれるかな、7でわれるかな・・・とやっていけばいいのですが、カンのいい人は気づいたかも知れません。一の位が2・4・6のときは偶数になるので、素数ではありません。(2は素数ですが、ここでは2けたの整数を考えているので、こう言っても大丈夫)

 それから、一の位が5のときも5の倍数になるので、素数ではありません。(5は素数ですが、ここでは2けたの整数を考えているので、こう言っても大丈夫)

スライド4

 残っているのは、一の位が1か3の数。この中で3とか7とか13とか・・・でわれない数を探せばよいのです。数え漏らしがないように、いらないものはどんどん消していく方法の方が、この場合はよさそうですね。

スライド5

 というわけで、素数は次の8つ。分子は

スライド6

 ちなみに51は3でわり切れるので、注意してね。

答えは・・・

$${\dfrac{8}{36}}$$ = $${\bm{\dfrac{2}{9}}}$$

答  $${\bm{\dfrac{2}{9}}}$$

問題を解いた後に・・・

 「2けたの数をつくる」問題の中には、

★偶数や5や10の倍数など一の位だけで判断できる問題
★3の倍数を判断する問題

のように、いちいち2けたの数を列挙するよりも早く解くショートカットがあります。それは後ほど【研究】として取り上げることにします。

 とりあえず,ここではいろんなパターンに触れるために先を急ぎます。

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問題一覧

類題  滋賀県2021、佐賀県2021




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