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基礎編31 「分子を求めるテクニック③」【研究】複数の偶然のうち、実は1つの偶然だけ考えてよい

 偶然は複数起こるけれども、実は1つの偶然だけを見て確率が求められる問題です。「同様に確からしい束」を考えて楽をする考え方ができます。

 1個のさいころを2回投げる。1回目に出た目の数を十の位の数,2回目に出た目の数を一の位の数として記録し,2けたの整数をつくる。ただし,さいころの目は1から6まであり,どの目が出ることも同様に確からしいとする。このとき,このようにしてできる2けたの整数が5の倍数である確率を求めよ。(長崎県2016A)


まず、まじめに解くと・・・

 さいころ2回なので、表を書く。

スライド1

 すべての場合の数、分母は例によって36

 判定条件の2けたの整数もつくる。

スライド2

 5の倍数になるものを選び出す。通り。

スライド3

答えは・・・

$${\dfrac{6}{36}=\bm{\dfrac{1}{6}}}$$

$${\bm{\dfrac{1}{6}}}$$

【研究】もうちょっと速く答えを出せる!

 実はこの問題、問題文を読みかえると、一瞬で答えを出すことができます。それが【研究】

 まずは「5の倍数」を選び出した表を見てみよう。5の倍数になるのはどんなとき? と、条件からさかのぼって考えてみると、それは「一の位が0か5」のときだ。

 つまり、今回のさいころのことを考えると、そうなるのは2回目に5の目が出るときなのだ。1回目は何を出してもいい。とにかく2回目に5の目が出ればいい。

 ・・・と考えると、問題はサイコロは2回振るけど1回目は無視して、「さいころを2回目にふったときに5の目が出る確率」と読みかえることができるわけです。

 おお! これなら表も書かずに、簡単に求めることができる!

$${\bm{\dfrac{1}{6}}}$$

 ここでポイントになるのは、問題文から「・・・ということは?」と、もうちょっと単純なことに読みかえる力です。

 そのためにいはいろんな問題にあたって引き出しを増やす、ということになります。


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