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基礎編4 「サイコロ2回の分母②」同じさいころを2回

(例題4)
 1つのさいころを2回投げるとき,1回目に出た目の数が,2回目に出た目の数の倍数となる確率を求めなさい。(愛知県2017A)

問題を解く前に・・・

 基礎編3では「大小2つのさいころを同時に」投げました。今度は,「1つのさいころを2回」投げます。

 この2つ、なにか違うのしょうか?

 結論を言うと、確率の問題としては「大小2つのさいころを同時に」ふっても,「同じさいころを2回」ふっても,やっていることに何にもちがいはありません。

 たとえば、大小2つのさいころを,大きい方をちょっと先にふって,小さい方をちょっと後でふったら,「問題に書いてあることと違うから、やりなおし!」ってなるでしょうか?

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 ・・・たぶんやっていることに違いはないですね。

 続きまして、大小2つのさいころを用意したかったけど,2つ種類の違うさいころを用意することができなかった,手元には1個しかない。

 えい,ここはズルをしてしまおう。1回目は「大きいさいころ」を振った結果が出たことにして,2回目は「小さいさいころ」の結果が出たことにしよう。

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・・・と「ずる」をしたとしても,やり直す必要はあるでしょうか? 動もなさそうですね。

 もうちょっと突き詰めて考えてみましょう。「大小2つのさいころ」の問題が出てきたときには,太郎さんと花子さんに(頭の中で)登場してもらって,大きい方を太郎さんに,小さい方を花子さんにふってもらうことにしましょう。

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 つづきまして、「1つのさいころを2回」ふるときも,やっぱり太郎さんと花子さんに(頭の中で)登場してもらって,1回目を太郎さんに,2回目を花子さんにふってもらうことにしましょう。

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・・・ほら、「太郎さんのさいころ」と「花子さんのさいころ」って考えると,「大小2つのさいころ」も「1つのさいころを2回」も,やっていることは変わらない。さいころをタイミングは同時でもずれても、関係はないのです。

 というわけで「大小2つのさいころ」も「1つのさいころを2回」も、問題を解く上で区別することはない、ということが理解できたかな?

 こんな感じで、偶然を一人1回に分担して考えるのは,このあとも役に立つ発想法なので,ちょっと覚えておいてください。

分母は・・・

1つのさいころを2回ふる→「1回目は太郎さんがふる」「2回目は花子さんがふる」→偶然は2つ→表で考える

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 「太郎さん(1回目)のさいころ」をたてに並べる。1~6の6通り。「花子さん(2回目)のさいころ」を横に並べる。やっぱり1~6の6通り。

 表はこんな感じになって,すべての起こる場合は,6×6で36通り。分母は36

分子は・・・

 表の一つ一つのマス目について「1回目に出た目の数が,2回目に出た目の数の倍数となる」場合をチェックしてみましょう。表のように14通りです。

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 「1回目に出た目の数が,2回目に出た目の数の倍数となる」って,ちょっとごっちゃになりませんか? 混乱しそうだったら,具体例にいったん置き換えて考えるといいですよ。「1回目に出た目の数が2,2回目に出た目の数が6だとしたら,2が6の倍数・・・? こっちじゃないや。」「1回目に出た目の数が6,2回目に出た目の数が2だとしたら,6が2の倍数・・・? こっちだ。」

 自分で問題を解いてみて「あれ?14もある?」となった人もいるかも知れませんね。気をつけたほうがいいのは1の扱い。6は1の倍数ですからね。いちばん間違いやすいと思うのは,1は1の倍数です。数え忘れないように。

答えは・・・

分母が36,分子が14でしたので,

14/36 = 7/18

   7/18

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