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愛知県|公立高校入試確率問題2024

 数字2,3,4,5,6,7を書いたカードが1枚ずつある。この6枚のカードをよくきって,1枚ずつ2回続けて取り出す。1回目に取り出したカードに書かれている数を$${a}$$とし,2回目に取り出したカードに書かれている数を$${b}$$とする。
 このとき,次の①から⑤までのことがらのうち,起こる確率が等しいことがらの組み合わせとして正しいものを,下のからまでの中から一つ選びなさい。
  ① $${a+b}$$が偶数
  ② $${a-b}$$が正の数
  ③ $${ab}$$が奇数
  ④ $${a}$$が$${b}$$の約数
  ⑤ $${a}$$と$${b}$$がともに素数
 ①,②    ①,③    ①,④
 ①,⑤    ②,③    ②,④
 ②,⑤    ③,④    ③,⑤
 ④,⑤

分類:14 取り出して、戻さずもう1回

表を5つかいちゃうのが,素直かな

 ①~⑤について,起こりうるすべての場合の数は同じで,2回続けて取り出しますので,すべての場合の数を考えるときは表をかいた方が楽ちんで,(2,2),(3,3)のように同じカードを取り出せませんので,対角線を消します。すると,起こりうるすべての場合の数は30通りですね。

 ですから,確率が等しくなるということは,①~⑤のうち当てはまる場合の数が同じになることがら,ということが言えます。
 そして,たぶん①~⑤のことがらの間にはお互い関係がなさそうなので,いろいろ頭でこねくり回すよりも,①~⑤の5つ分の表をそれぞれかいて,条件に合う場合をそれぞれで数えてしまった方が早いと思います。

 ずるいことに,⑤まで確かめないと答えが出てこないわけです。その事柄に当てはまる場合の数が等しい事柄が,起こる確率が等しいことがらですから,答えは①と⑤で,となります。(ちなみに,その確率は$${\dfrac{12}{30}=\dfrac{2}{5}}$$です。

( ①,⑤ )

もうちょっとスピードアップするために

 実は,5つのことがらのうち①・③・⑤の確率を求めるには,もう少しスピードアップできます。この3つの条件は,$${a}$$と$${b}$$を入れかえても,条件判定に関係がないからです。こういうことがらのときには,対角線の右上と左下で対称的になります。ですから,確率を求めるには「2つ同時に取り出したとき」として表をかいて求めることができます。

 ですから①の確率と⑤の確率は同じで,$${\dfrac{6}{15}=\dfrac{2}{5}}$$と求めることができます。

たぶん「ク」と答える人が多いのでは?

 選択肢が10もあると,時間切れにならないように,あるいは解けなさそうなのであてずっぽうに選択肢を選ぶ人もいるでしょう。正解する確率は当然$${\dfrac{1}{10}}$$ですね。でも,たぶん「ク」と誤答する受験生の割合がちょっと高くなると思います。なぜか? 「2回続けて取り出す」というのをうまく読み取れず「1回取り出して,それを戻してもう一度取り出す」と考えて,場合の数を数えてしまうからです。

 ここでの説明の言葉を使うと,「P型」の表ではなく,「X型」の表をかいてしまうからではないかと思います。

 ほら,③と④のことがらが起こる場合の数が等しくなり,(間違った)確率が等しくなってしまいましたね。選択肢問題ですが,よく練られた問題であると思います。


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