基礎編16* 「2つ取り出すの分母④」3つの取り出し方の違い
問題を解く前に・・・
単純な計算問題ではなく、こうした文章・会話を読み解く問題を出す都道府県も少なからずあります。数学でも読み解きの能力を試す、ということもあるのでしょう。
また、この問題は気づいた人もいるかも知れませんが基礎編15(C)・基礎編13(A)・基礎編14(B)でそれぞれ取り上げた3つのパターンの違いを知る問題でもあります。
今回はA・B・Cそれぞれの分母の出し方と、それに対する分子の出し方に注意しながら、まとめの問題として見ていくことにしましょう。
問題文にA・Bとあるので、2つの偶然を分担する人は「一郎さん」と「よし子さん」にしておきます。
Aの確率は・・・
表は
分母は20。(問題文にあるとおり)
で、分子は・・・まず判定条件の和を作って、それぞれ埋めます。
和が8以上になるのは・・・ 4
なので、Aの確率は 4/20 = 1/5
Bの確率は・・・
2枚同時に引くので、順番は関係なくなります。なので、表は、次のようになりますね。
分母は 10 ということになります。
分子は・・・ まずは判定条件の和を埋めていきましょう。
8以上は・・・? 下の表のように2つなので分子は 2。
答えは 2/10 = 1/5
Cの確率は・・・
いったん戻すので、表は「いじらない」タイプでしたね。
分母は 25 になりますね。
分子を求めるためにまずは判定条件の和で埋めてみましょう。
さて、8以上になるのはどうでしょう? 表のように 6 ですね。
確率は 6/25
答えは・・・
問題を解いた後に・・・
問題文にあるように「あてはまる場合の数」だけで計算をすることはできない、ということが分かりましたか? 確率は割合。「150gの水に10gの塩」「250gの水に15gの塩」だと、どっちの濃度が高いか、塩の量だけだと単純に比べられませんね。
問題を解いた後に・・・その2
特にAのとき、問題文に「すべての場合は20通り」と(先回りをして)書かれていますが、判定条件が「和」なので、実は1枚目と2枚目の順番は、判定条件を作るときに消えてなくなります。
順番がどうでもよくなると言うことは「2枚同時にひく」と(この問題で言うとB)同じに考えてもいい、ということでもあります。実際確率は同じでした。
このことは、後でまた【研究】のところで深掘りしたいと思います。
-----------------------
<前の問題 次の問題>
問題一覧
類題 石川県2021、高知2021
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?