見出し画像

関西の高級住宅街文化

阪急といえば、京都に向かう京都線と神戸方面に向かう神戸線、宝塚線と大きく3つの路線がある。

大阪で働いていたとき、家何処にしたの?と聞かれ、京橋です!と答えると、みんな怪訝な顔をした。

京橋とは大阪環状線の大阪の3つ位隣の繁華街だ。東京で言えば池袋?ちょっと怪しくて危ないイメージを持つ人が多かった。

東京では環状線の中に住むなんて考えられないのに、広い間取りで、家賃も恐ろしいほど新築なのに安く、無印良品、王将、スポーツクラブ、本屋など充実で、迷わず決めたのに、世間の受け止め方は冷たかった。


ある人は、大阪市内で働くサラリーマンは、阪急沿いに住むんじゃ!ボケと教えてくれた。


主に神戸線のことを指すんだろうな。

田舎のネズミも春にお花見に誘われて、夙川という駅で降りた。


川沿いに桜並木が続いていて、さすが阪神間モダニズム!と思ったが、煙い。

関西人はバーベキュー好きで、イベントといえばBBQで、煙がもんもんしてた。そして炭を地面に埋めて帰るのだ。


この夙川近辺を舞台にした小説が谷川潤一郎の「細雪」。


確かに小説全体に漂う梅田〜神戸間のハイソな町並みが伝わってくる。


ちなみに、阪神間モダニズムとは、明治維新以降、大阪と神戸の間にたくさん作られたModernな建築物のことを言うらしい。


梅田駅も阪急百貨店もそういえばなにか昔のモダンな感じがしてた。駅の建築物が移築されてるらしい。しらんけど。

移築されたかつての梅田駅の遺構

このおしゃれな梅田を出て、外国人の影響を受けた神戸の街を結ぶ路線がおしゃれにならないはずはない!


高級住宅街も阪急甲陽線の苦楽園/甲陽園、阪急神戸線の夙川/芦屋川/岡本/御影を中心に、阪急今津線の西宮北口~宝塚、JR芦屋駅~甲南山手駅、神戸市灘区/中央区の山側に広がっているらしい。

こういう街に住めって先輩のアドバイスだったのね。

で、建築物のみならず、谷崎潤一郎などを生んだこの地は、その後

大江千里を生んだ。

大江千里はデビュー当時、関西学院大学というお坊ちゃま大学の在学生で、神戸や塩屋(須磨ね)六甲などを舞台にした歌を作った。

アイビーな感じにメガネ、昔、キレカジ、という言葉があったけど(今もあるのか?)綺麗なフォーマルで関西のじゃりン子チエとは対局の世界を全面に売り出してきた感じだった。


だから彼の歌には京橋も十三も通天閣も法善寺横丁も登場しないのだ。


なんでこんなことを書いているのか?それは同じ地域から同じ時期に出てきた文学の世界の別のヒーロー平中悠一について書きたかったのだが、長くなったので、また今度。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?