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親子の会話ネタに最も有効!そして小学生が2番目に怖いものは?


 かつて世の中で怖いものと言えば「地震・雷・火事・おやじ」。このフレーズも小学生に「何それ?」なはずです。

 今、小学生にとって怖いものベスト3と言えば「おばけ」「虫」そしてなんと「お母さん」!特に男子小学生にとっては、第1位が「おばけ」第2位が「お母さん」とのこと。(僕は圧倒的に父親が怖かったですが……。)

2005年バンダイ子どもアンケートレポートはこちら
(「お子様の怖いものは何ですか?」の調査結果です)

 昔も今も、怖いものや不思議なものは子供心をくすぐります。後で思い出して怖くなるとわかっていても観たり、聞いたりしたくなるんですよね。

 ふだんは親と一緒にテレビを観たがらない子でも、「ほんとにあった怖い話」がある日は「怖いから一緒に観て」って言いませんか。

そんな風に怖いものや不思議なものは、親子で距離が縮まり、会話をする絶好のチャンスなものなんです。

 僕の祖父のお墓は土葬だったのですが、教室で子供達にその話をすると、めちゃくちゃ集中して聞いてくれてましたよ。「ちょっと怖いけど聞きたい!」って思うのでしょうね。(幼少期の僕自身にとっても祖父のお葬式は印象的な出来事として記憶に残っています)

 ということで今回は小学生が「何それ?」って思う「こわいものに関することば」を集めました。

 まずは「ハチミツドロップス(草野たき)」より

もちろん、「ワラ人形抱えて、毎晩神社に通いたい気分だね」とか、「塩田と?」そりゃ、いくとこまでいったに決まってるじゃん」ってな感じの返事くらいできる。

出典「ハチミツドロップス」草野たき(講談社文庫)

「阪急電車(有川浩)」より

白という色は花嫁だけの色ではない。時代劇なら、丑の刻参りの女性も仇討ちの女性も白装束を身にまとうのだ。

出典「阪急電車」有川浩(幻冬舎文庫)

「丑の刻参り」です。「丑」以外に、できれば十二支を全部覚えたいところ。十二支は方角と時刻を表すので覚えていると古典の範囲で役立ちますよ。

 続きまして「こちらの事情(森浩美)」より

「そんなにかかるのかい?」「私学だよ。公立と桁が違う」「あたしは何もしてあげられないから、お百度でも踏むかね」

出典「こちらの事情」森浩美(双葉文庫)

「お百度参り」です。自分自身で行く合格祈願などとはちがって、家族のために行う行為(夫の病気が治癒してほしいなど)として描写される場合が多いですね。その点では「茶断ち」も知ってほしい言葉です。

 僕は中学生のときに4か月ほど入院したことがあるのですが、その時に母が「コーヒー断ち」をしていたと後に知りました。当時は「そんなことして意味あんのか」と思いましたが、今は思い出す度に「ありがとう」って言えば良かったとつくづく感じます。

では上記を含めて、その他【小学生が「何それ?」って思うことば】第18回「こわいものに関することば」を紹介させてください。

丑の刻参り

夜の午前1時から3時頃の丑の刻に、神社の御神木に恨んでいる相手に見立てたワラ人形を釘で打ち込む呪いの儀式。

お百度参り

神様に願いを聞いてもらうために、神社で100回お参りをする風習、儀式。

天狗の落とし文

飛び去って行く天狗の懐から落ちてきた紙に書かれている言葉。高尾山薬王院では、天狗からいただいた言葉として配布している。

盆の入りで殺生はいけない

お盆には死者が虫になって戻ってくる。また、ご先祖様がトンボなどの虫に乗って帰ってくるので、虫を殺してはいけないと考えられている。

賽の河原で小石を積む

親に先立って死んだ子供が行く三途の川のほとりの河原。そこで子供は親を悲しませた罪を償うために石を積み塔を作ろうとする。しかし鬼が来てその塔を壊す。それでも子供は石を積み続けようとし、永遠と作業することになる。この話が元になり、「賽の河原=きりのない努力をすること」という意味にも用いられるようになった。

コックリさん

占いの一種で、机に乗せた人の手が勝手に動く心霊現象が起こるとされる。1970年代ブームになり子供たちが学校で行うことが多かった。

僕は怖くてやったことなかったです。

草葉の陰(くさばのかげ)

 墓の下。あの世のこと。「草葉の陰から見守る」などと用いる。

「草葉の陰」は「とんび(重松清)」から集めました。「とんび」は映画公開中!

土左衛門(どざえもん)

水死体。溺死者のこと。

口裂け女

1979年頃流行した都市伝説。マスクをした女性が「私、きれい?」とたずねてくる。「きれい」と答えると「これでもかぁー」とマスクを外し、耳元まで大きく裂けている口を見せて襲いかかってくるというもの。

「都市伝説セピア(朱川湊人)」から集めましたが、同作品には「テケテケ」も登場します。
「ポマード」って3回唱えると助かるはずでした!

 僕の少年時代にはオカルトブームがあり、特に夏休みには「お昼のワイドショー」の「あなたの知らない世界」という特集コーナーが楽しみでした。
再現ドラマがめちゃくちゃ怖くて、寝る前に思い出し後悔した記憶が。

 科学技術が発達しても、子供たちにとって未知なものへの興味は昔も今もなくならないはずです。最近では「怪談えほんシリーズ(岩崎書店)」を端とする怖い絵本ブームもありましたね。せなけいこさんの「ねないこだれだ」もおもしろいです。

 子供たちが、少し怖いことでも、お父さん・お母さんやおじいちゃんおばあちゃんという異世代との会話によって、先祖や神様に対する畏敬の念や、不思議な物に対する神秘的な気持ちを感じてほしいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

子供たちの読書量が豊かになり、家族の会話が増えますように。

次回は「決まり文句に関係することば」を書こうと思います。「おそれ入谷の鬼子母神」「結構毛だらけ猫灰だらけ」などなど…。

よろしければ前回の記事です。「住宅・建築に関することば」をどうぞ!


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