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心に神殿を(神なき時代の日本蘇生プラン)

あなたは神に祈ることはありますか?
この質問に「NO」と言える人はなかなかいないだろう。お正月や受験シーズンについついやってしまうのがお祈り。人は困った時や大事な時に神に願う。

ある番組で(著書)五体不満足で有名な乙武洋匡さんがこんなことを言っていた。

20代の頃にスポーツライター時代、さまざまなアスリートにインタビューをしていた時の興味深かった話。

当時、ダイエーホークスで活躍し、のちにメジャーリーグまで行って活躍したキャッチーの城島健司さんのインタビューで「どうしても大事な場面、どんな意識でマウンドにたってるの?」と聞くと、城島さんは「神頼み」と答えたそうです。
乙武さんは『意外だな?!』と思ったそうですが、城島さんがその後に続けこう解説したそうです。

でもね乙ちゃん。プロ野球選手になるほどのレベルで『神頼み』ができる選手は「もうこれ以上できる準備・努力はもう何もない、見つからない」というレベルまで準備して努力したなら、あとできることは『神頼み』くらいだ。
日経テレ東大学
【MC乙武】楠木建×入山章栄の2大経営者が激論!日本人は世界一"悲観的"成功するための仕事・生き方論より

どんな一流のスーパーアスリートでも神様に祈るようですね。神様への祈り方は人それぞれ。

そんな中で僕が尊敬し、追いかけている人がいます。それが、このスタエフの発信者。

この方は"おうみん"という友人で、2つのコミュニティで仲良くさせてもらってる。ちなみに僕がKindle作家を目指したい!と思ったきっかけを作ってくれたのも、おうみんだ。

彼は天理教の家で生まれ育ち、天理教の教えである『陽気ぐらし(※.1)』を僕のような宗教に詳しくない部外者が見ても分かるくらいに有言実行している人。それが"おうみん"だ。
noteに添付したスタエフ『#91 おうみんの宗教観』は長いけど聞いて欲しい。家族への思い、宗教への思い、葛藤、生き方が詰まっており、深く刺さるスタエフ。そして、何よりも驚くのはリスナーからのコメントの質。この長い放送を聞き、ほとんどの人が長文のコメントを送っている。正確には不明だが、宗教とは無関係な人が多いと思われる。
そう。このスタエフはおうみんの言動一致が生み出したコミュニティになっている。
聞けばきっと僕が尊敬している理由が分かる。
(※1.陽気ぐらしとは『互いに助け合い生きる』という意。素人の私の説明であることはご理解ください)

さて、ここで一見、相反する人物を紹介したい。
僕が好きなキャラクター。彼はこう言う。

バァカ。俺は一生、神に祈らねぇ
ONE PIECE  第29巻271話より

カッコいいセリフですね。これはONE PIECEという漫画に出てくる『ロロノア・ゾロ』のセリフ。自分を信じれるからこそ言えるセリフですね。なぜ、そこまで彼は自分を信じれるのでしょうか?一流のスーパーアスリートですら神に祈っていたのに?

それは「夢があるから!」と言いたいところですが、実は少し違う。『世界一の大剣豪になる』という夢は確かに彼を支える原動力になっていることには間違いないが、もっとその奥にあるモノこそが、本当に大切なモノだと考えます。それは『武士道』。キャラ設定などの真意は分からないけど新渡戸稲造の著書『武士道(※2.)』の「義」「勇」「仁」「礼」「名誉」「忠義」「切腹」「刀」が彼のキャラを形成していると僕は信じて疑わない。

自分の軸に何か超越的な信条を置くことで確信的な自分への自信を持てる。いまのこの日本では 完全に忘れ去られてしまったモノ。そして、このコロナ禍で更に加速し、経済を筆頭にあらゆるモノが劣化しているように見える。

さて、そんな思いで今回の題材はこの本。

神なき時代の日本蘇生プラン』という宮台真司さんと藤井聡さんの対談本。「クズになってしまわないための処方箋」というタイトルから宮台さん節が炸裂しまくる痛快な本。

クリスチャンの宮台さんと保守派の藤井さんの対談をアウトプットとしてまとめ、いつか天理教のおうみんと保守思考に少し寄った私で対談をやってみたい!そんなラブコールも込めて今回は書きはじめました。


『心に神殿を持て』
学びのアウトプットLive-GYM #2.
【神なき時代の日本蘇生プラン】

この本では今の日本の問題が書かれ、その背景にあるものは何なのか?が解説されている。もうヤバいくらいに共感の嵐。このコロナ禍を不条理に思い続けた僕の頭の中のモヤモヤを完全に言語化してくた学びだらけの本だった。

ただ、僕が欲しいのは蘇生プラン。
確かにこの本では、僕の社会への苛立ちを『クズ』と『頓馬』という言葉で一蹴してくれるのだが、正直欲しいのは突破口のヒント。どんなに声を荒げてもどうにもならない『学ぼうとしないヒト』『変化を拒む組織』これを変えるチカラが欲しいと願っているからだ。

何をすれば社会が変わる?

この本での答えは『閉ざされ』であると。


徹底的な差別による『閉ざされ』が必要だと。


『閉ざされによる開かれ』があると。

もうww。ヤバいでしょ?何言ってるか分からないでしょ?

でも、今の日本を見て絶望に近い感情を抱いてる僕の心を動かすには充分過ぎるほどの言葉でした。

それでは僕なりの解釈を入れながら話しを続けます。

何故ここまで劣化したのか?

このコロナ禍で世界とは違った異様な事態となったのが日本。マスク着用義務、時短営業、外出規制と、何のデータ的根拠のない対策だらけ。
対策により『失ったモノ』と『守れたモノ』が全く釣り合っていない現状を何度も目の当たりにしても、改善や方針転換をしようとしない政府。
『批判されるかも知れないからダメ』
『イメージが悪くなるかも知れないからダメ』
完全な思考の停止。
残念ながら、政府が最後まで守り抜こうとしたモノ…それは『票』でしかなかった。

それを見て「政治家が悪い!」と言いたいところだが、そうでもない。その政治家が最後まで気にしていたのは世論。世論は、マスクをつけない人を叩き、経済活動の再開を口にしたら「人殺し」扱い、復興のために頑張るアスリートに「五輪に殺される」と言葉をぶつけ、専門家と名乗る者が医師会に忖度し「人流が人流が」と叫ぶ。勝ち馬に乗るにはこの感情に乗るのが1番だということだ。

人命のために、あらゆる対策にチャレンジするのは別に構わない。ただ!『フィードバック』をしたのか?そして、それを公表したのか?

『経済の悪化』と『対面の禁止』により、いったい何人の自殺者を出したか?宮台さんの勤める大学でも1年間で5人の自殺者が出たらしい。また、それ以外にもこの制限により、とれだけ社会の悪影響を産んだか計り知れない。子供たちの運動会、文化祭、修学旅行の中止。思い出を奪われた子供達の未来にどんな影響を及ぼしたのか?バタフライ効果は想像がつかない。

【バタフライ効果】
「非常に小さな出来事が、最終的に予想もしていなかったような大きな出来事につながる」ことを意味する言葉。
グロービス経営大学院より引用

なぜ、日本はこんなことになったのか?『他人のことを顧みない』『自分さえ利益があればいい』そんな日本人の体質を『仲間以外はみな風景』と宮台さんは表現する。それは『他者に対して配慮する意識が皆無』だということ。

路上に座り込むヒト、電車で化粧するヒト。
人たちの中で完全に『世間』が消えている

昨日も自転車ですれ違った若者が大声で歌を歌っていた。『恥ずかしい』という感情が欠落した訳じゃない。きっと、歌っていた彼も職場に行けば「人見知りです」と言ってるハズだろう。そう…見えていないだけなんだ。

なぜ『仲間以外はみな風景』となっていったのか?「それは日本には『社会』という概念がなく『世間』という概念しかなかった」と宮台さんは言う。

社会とは、自分の所属集団(内集団)とは無関係な他人の所属集団(外集団)が多数あることを前提に、すべての集団の共有財に関わろうという意欲。

その原因はやはり日本人はフィードバックをしないからだ。仲間同士で共有できる『悲劇の共有』『市民革命の記憶』を持たない日本は、市民性がない。故に時代と共に仲間が極小化し、共同体の空洞化により仲間までも消えて、さらに世間が消えた。知り合いはいても仲間がいない。共同体感覚がない。日本人はいつも孤独であり、強いヤツの真似をすることだけが孤独から逃れられる方法となった。だから、組織のトップがクズだと、すぐにクズに染まる。

世界でもユダヤ資本と中国資本が強い理由が正にこの逆で『悲劇の共有』『市民革命の記憶』によって彼らは強い絆でネットワークを意図的に作る。あなたの街にもありませんか?中華街など、そういった集落が。日本人は単独で世界へ行く。しかし、彼らは単独では行かない。集合体となって行動する。日本人にはない圧倒的な市民性の強さがあるからだ。

『法の奴隷・損得マシーン・言葉の自動機械』

『共同体感覚がない』僕がまさに仕事で痛感している。僕は社員教育を専門で、その一環で『理念教育』を行っているが、従業員が口々に「理念は難しい」と言う。そして「結論、何をやればいいですか?」と聞いてくる。彼らが欲しいのは『概念』でなく『ルール』。

僕は「大きな方向性の中で自由に主体的に行動して欲しい」という思いで『理念教育』を進めているのに欲しがるのは『行動を縛りつけるルール』ばかりで完全に『法の奴隷』。そして、面白いことに、それでいてルールを守らない(笑)。完全に社会の縮図が会社だ。不安でたまらない人は、会社に『褒めて貰える』ための規律やルールを求める。判断基準が損得だけの『損得マシーン』になる。だから自分への損得だけを考えて、相手次第で平気で逆ギレをする。また「上司、会社が悪いから」と責任逃れをするし、それだけではおさまらず、「俺だけじゃないだろ?他のヤツにも言えよ」と他人の道連れまで口走る。

あまりにも他人への配慮、自発的な『助け合い』『他者貢献』が欠落している。

今の日本が失ったモノ…それは『掟の美学』。
「悪いことをしたら、お天道様が見てるよ」「ご先祖様がいつもあなたを見守ってる」「この生き方こそが大和魂」という『法』ではなく共同体に存在する『掟』による自制心。

面白いことに、理念教育をしていると「宗教みたい」と陰で言われることがある。僕個人の考え方として『宗教みたい』という意見は『あながち間違いではない』と考えている。法やルールの外側にある信念による自身のブランディング方法が『掟の美学』

『掟』を持つことで、主観ではなく自分の外側にある神や仲間や組織など信頼できるもうひとつの視座から『生き方』や『働き方』が間違っていないか?を俯瞰的に見ることが可能となり言動の一貫性を保つことができる。法やルールの外側にある無限の選択肢から、間違った道を選ばないように『心に神殿を持つ』ことが理念だと考えます。

しかし、理念という概念を失うには充分なほど、近年この日本には、安心、安全、快適という言葉で溢れている。子供のころから、遊具も、遊び方も、テレビも「危険だから」「真似したらダメだから」「教育に良くないから」という口を開けは安心、安全、快適の『言葉の自動機械』で制限されながらルールの内側のみで遊ぶ。大人になっても仕事では、統一化・合理化・マニュアル化が進み『みんな同じことができる』平準化を目標としている組織が多い。街並も露店もどこも同じ。どんどん個性が失われていく。先日、地方へ出張で行ったが大阪の街と変わらないチェーン店ばかり。ここでお金を使うぐらいならと思い、結局コンビニで夕食を済ませた。

どんどん世界が『法の奴隷・損得マシーン・言葉の自動機械』となっていく。このことを宮台さんは『クズ』と定義している。

「昔の方が良かった」と言いたい訳ではない。ただ、変えてはダメだったモノがあるのだと言いたい。

幼いころ僕らが経験したことのなかには、たくさんの『言葉の外・法の外・損得の外側』があり、大人に叱られながら仲間と共に時間を共有しながら育った。そんな中でも『これだけはやってはならない』という境界線があり、悪いことに関して自分でストップがかけれた。

今はどうだろう?昔とくらべ情報がオープンとなり、見えなかったものが世に出ただけかも知れないが、想像を超える異常で人道から外れた行為を耳にする。

そして、驚くのは言い訳の言葉。

『やったらダメだとは知らなかった』

配慮や仲間意識などが皆無。何がダメかを自分で全く考えれなくなっているということ。

人として大事なことを忘れている

止まらないクズ化の処方箋とは

このコロナ禍で、感染リスクに対し死者への『弔い』すら禁止した。信条すら持たず、家族の死すら弔らわず、ヒトであり続けることができるのか?

自分の損得だけで生きる『むき出しのヒト』。
これを書いている今もネットでは「スシローペロペロ事件」が騒がれている。単なる再生回数の欲しさの承認欲求だけのクズ的な行動。こんなモノでは絶対に幸福には辿り着くことができないことを理解しなければならない。

「1人で食べる食事」「愛の無い性行為」共同体がなければ3大欲すら自分を満たすことができない。

食欲に関しても、自分は「美味しい」。みんなも同じだろうか?みんなも美味しそう!こうやって満たされる。

性欲に関しても、僕は「愛してる」。相手も同じ思いだろうか?相手も同じ思いだ!こうやって満たされる。

人のために生きてこそ、ヒトになれる。
「生きてさえいればそれだけでいい」の完全否定。他者貢献してこそヒトである意味を持つ。

そのためには社会を作る必要がある。社会とは『閉ざされ』があって作られる。その閉ざされた中で生まれるモノこそが仲間
同じ信条、同じ志し、同じ目標、同じ夢という『閉ざされ』た空間で助け合いが生まれる。その助け合いから他者への思いやりを学ぶ。これは決して『開かれ』からは生まれない。『開かれ』は開かれた外を差別する。

開かれた世界では、開かない者を差別し、開いた故に近くの者も理解し合うことができない。

いませんか?やたら『平等』を強く望み柔軟のない理解し難い人。ルールという正義を強く振りかざし、周りに迷惑を掛けてる人。

そんな人を徹底的に差別することで『閉ざされ、開かれる』。信条を持つ小さな共同体と他の信条を持つ小さな共同体が集まり共有財を持つことで社会が生まれる。

僕はどこかで憧れている。共同体感覚を持った仲間と共に活動することを。イメージとすれば、B'zのライブに行った時の感覚。右も左も後ろも前も、同じモノを追いかける同じ熱を持った人に囲まれ、同じ時間を共有した時の満たされ方を社会で体感したい。

幸せとはそんなモノだろう。

僕はその中でコミュニティ(オンランサロン)に行き着いた。皮肉にもコミュニティも「宗教みたい」と揶揄される。だが僕はここでも「それで構わない」と言う。

閉ざされによる開かれ、心に神殿を。
グスを駆逐し、仲間と共に幸せな人生を。


あまりに書きたいことが多すぎて、長文になってしまいました。

メタバースのことも書きたかったのに…

ただ、僕はこの本を読んで改めて『理念』の大切さを理解した。そして『掟の美学』という言葉に出会えて良かった。たくさんの学びがあった。

僕はまた成長できた。また『僕ができる他者貢献を考える』という宿題もできた。

そして、やりたいこと…『おうみんとの対談』

彼から学びたいことがたくさんある。
そして、彼との対談本を書きたい。
そんな目標を立てて今回の読書感想文は終わろうと思います。

ここまで読んで下さった方。
本当にありがとうございます。
経験を重ね、もっと読みやすい文章が書けるように頑張ります。

そして、出会えるきっかけを作ってくれたコミュニティに感謝します。

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読書感想文アウトプットLIVE-GYM
次回もお楽しみに!

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