個性という「ボール」をどこで使うか
「個性」とは何でしょうか?
就職・転職活動などで、誰しも考えたことがあると思います。
「自分の個性って何だろう?」と。
「十人十色」というように、色で例えたり、
花とか動物とか、ファッションとか生き方とか、いろいろなもので表現されますが、個性は「ボール」だと考えてみるとわかりやすいです。
サッカーボール、野球ボール、バスケットボール、ラグビーボール、テニスボール、バレーボール、ボウリングの球など
世界にはいろいろなボールがあります。
そして、それらを同じ高さから同時に落とすと、どれも同じようには跳ねません。
あるものは高く跳ね上がり、あるものは鈍く地面に跳ね返され、あるものは地面を傷つけるほどの衝撃を与えます。
ラグビーボールに至っては、落とすたびに違う跳ね方をするでしょう。
このボールたちは、材質も、作られた目的も、使われる場所も、何もかも違います。
それは人間も同じです。
生まれた場所も、育った環境も、信念も価値観も、身体のサイズや健康状態も、何もかも違う。
同時に同じものを見たり体験したりしても、「面白い!」と思う人もいれば「つまらない、イマイチだ」と感じる人もいる。
同じ人物を「好きだ、憧れる」という人もいれば「嫌いだ、話したくもない」という人もいたりと、ボールと同じように人それぞれ反応(跳ね返り方)が違います。
個性=ボール
だとすれば、
仕事・職場=スポーツ
と、捉えることができます。
そして、物事には適材適所というものがあります。
私たちはそれぞれに個性があり、その個性に合わない仕事をしているとすれば、それは野球ボールでサッカーをしているような状態です。
「なんだこれ、うまくできない。なんか違うな」という状態になります。
そして周りからは「なにしてるんだ、もっとうまくやれ」とか、「なんでうまくできないんだ」と好き勝手に言われたりもします。
でも、できないもんはできないんです。
そもそもそこで使うべきボールじゃないんだから。
大谷翔平対マイクトラウトのドラマは、サッカーのボールを使っていては生まれません。
「三笘の一ミリ」は、ボウリングの球では生まれません。
どっちに転ぶかわからない、ハラハラさせてくれるラグビーの面白さは、ただの丸いボールでは生まれない。
あの形のボールでないと生まれないものです。
「スポーツの内容」と「ボールの特徴」が正しくマッチするから、感動やドラマが生まれるんです。
仕事も同じです。
仕事がうまくいっていない人や、向いてない、苦しい、やめたいと考えている人は、あなたのボールとフィールドとの相性を考えてみるタイミングなのかもしれません。
きちんとマッチするフィールドで使われたとき、スポーツの感動のように、あなたのボールが、驚くようなドラマや感動が生むかもしれません。
そうはいっても、「いろんな職場を転々として、たくさんの仕事を経験したけど、どこも向いてなかった。自分に向いているものなんてないんだ」と言う人もいるでしょう。
当然、個性は100人いれば100通りです。
中には、まったくマッチするフィールドが見つからないボールを持っている人がいても、不思議ではありません。
ですが、こう考えることもできます。
「ボール」はスポーツだけで使われるものではありません。
「ボール」、「球」という括りで探すと、ニッチではありますが、皆さんの暮らしの中でそれぞれの役割で活躍し、役立っているものがたくさんもあります。
一例を挙げてみると、
マウスボール、バランスボール、リラックスボール、強盗にぶつけるカラーボール、気球、電球、パチンコ玉、眼球
どうでしょうか。
さすがに「眼球になろう!」とまでは思えないかもしれませんが、こう並べてみると、たくさんの分野で、いろんなボール・球が活躍していますよね。
そしてこのように、いろいろとボールの種類を挙げてきたのを見てもらえればわかるように、無目的で製造されるボールなんてありません。
必ず使う場所があるからそのボールが作られます。
それと同じく、活かす場所のない個性なんて、生まれないと信じています。
もしかしたらあなたの持つボールの需要は、とてもニッチなフィールドで、見つけるまでに時間がかかるかもしれませんが、適材適所でマッチする場所が必ずあるはずです。
さらに言えば、それを探すことが人生の楽しみだと言えます。
私も、色々と個性について悩んできた人生でした。
「誰にも無い、特別で価値があって、輝く個性があったらいいのに」
と何度思ったかわかりません。
だけど、個性はボールだと思えば、価値など無意味です。
「サッカーボールとバランスボールのどっちが価値が高いか?」
なんて気にする人はいませんよね。
必要なところで正しく使う。ただそれだけのことです。
私たちが生まれて、今生きているのも「地球」というボールの上です。
私たちが呼吸できて、快適に暮らせるのも、この大きなボール(個性)のおかげです。
私たちがみんなそれぞれに持っている、跳ね方も見た目も違うボール。
生まれてから今日まで、形を変えながら頑張ってくれています。
たくさん跳ね返されて、もしかしたらボロボロになっているかもしれません。
まずは、大切に磨いてあげることから始めましょう。
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