何をしてる時が一番楽しいですか?

最近ふと思った。自分は何をしている時が一番楽しいのだろうと。

思い浮かぶ趣味は、筋トレやらゲームやらたまーに読書したり旅行したり、友達と飲みに出かけたり、映画をみたり、まあ普通の余暇の楽しみ方といった感じだった。

いろいろとあてはまりそうなものを思い浮かべてみたものの、思い返してみると、やっている最中「すごい楽しい!」とか、「無我夢中で時間を忘れる!」とかいうことを思ったことはここ最近一切なかった。惰性でしているというかそんな感じである。

自分が何をしている時が一番楽しんでいるのか。これだ!と思うものがない。これはもしや、大変なことなのではないか。

昔は違った気がする。たかが20分そこらの休み時間に、我先にとグラウンドに出て友達とやるサッカーがすごい楽しかった。休日に友達とやるゲームが楽しすぎて、何度時間が過ぎる速さを痛感していたかわからない。テレビや本を通して見る世界は無限大で、この先大人になっていけば全く予想のつかない世界が自分を待っていて、それもまた楽しみだった。


「ポケットにファンタジー」を聴いて絶望する。


「昔のポケモンの、早く大人になりたいな~、みたいな曲、この年で聴いてみな、死ぬよ」

と、先日姉に言われたので、聴いてみたら本当にその通りになった。現在私は30歳男であるが、年齢の近い人は調べて聴いてみるといい。死ぬから。

なんと私はポケモン放送当時この曲を聴いたときのことを今も覚えている。多分小学校低学年くらいだったと思う。

「はやく大人になりたいな」という子供の歌声に対して、「私は子供に戻りたい」という小林幸子さんの歌声、質問形式の歌詞となっており、「なんで?大人のほうがいいのに」といったニュアンスの質問を子供側が投げかける。

当時、子供だった私も同じように、「なんで子供に戻りたいんだろう?大人のほうが、なんでも自由に自分で決められて、楽しいこともたくさんあるに決まってるのに」と思った。それと同時に「多分大人がそう言うなら、きっと大人になったらそう思うものなんだろうな、今はわからんけど。」と子供ながらに思っていたのを覚えている、我ながら的を射ていて利発な子じゃないか。

で、私は現在どうみても大人になり、無事に「子供に戻りたい」と、そう思いましたとさ。正確に言えば、「戻りたい」というよりは、「子供だからこそ持てていた価値観とか希望とか、世界に対する視野とか純粋な心とか、そういう類のものが今は一つも残っていないことに気づかされて絶望する」といった感じでした。それが大人になるということなのか。

で、話は戻り、何をしている時が楽しいのか、ということについても、自分の脳の、何かを楽しいと感じる機能自体が劣化したように思う。ゲームも集中できないで積むようになったし、映画や本も、すぐ飽きて途中で見るのをやめる。


しいて挙げるなら


基本的にもう、生きていて何かを心から楽しいと思える機会は相当稀なのかもしれないが、

唯一、心が動くのは「ものすごく綺麗な、人の心に触れる作品を目にした時」かもしれないと思った。それがどんな時だったかはまた別の機会に語らせてもらうとして、本当に稀に、それこそ数年に一回あるかないかで、魂が震えるような美しい言葉や、勇気をもらえる希望の物語や歌に出会えることがある。

それを生み出すために、才能のある人が人生をかけて、命を削って作品を生み出そうとしている業界がある。それを結構手軽に受け取ることのできる世界に生まれた幸せを感じることは、私でもたまにはある。

つまりは、これから先も、生きていれば、今現在人生をかけて何かを生み出そうとしている誰かの作品に、魂を揺さぶられる時が何度かは、来るかもしれない。

それを考えているときが、今のところは一番希望に満ちていて、楽しい。

かもしれない。

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