はるき@note

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最近の記事

「差別のない社会」より「差別があったら怒れる社会」

障害者の本について読んでいて思ったことがある。 その本の中にはこういうことが書かれている。 障害者差別について取り組んでいる人が言った言葉だ。 「差別のない社会なんてオレたちは目指してないよ。大事なのは、自分が差別された時にどう戦うかだよ」 最初に読む人は、なぜ差別のない社会をなぜ目指していないんだろうと思うわけですね。ていうか僕もそれについての筆者の意見を読んだけれどいまいちしっくりきていない。 とりあえずそこは置いておいて、引っかかったのは2行目の文章なんですね。自

    • 能力で人を分けなくなる日~第4章~

      アニミズムという言葉が印象に残った。アニミズムとは石ころとか川とかそういうものにも、心がやどっているという考え方だ。世界史とかで習ったことはあるけれど、なんでそうい考え方になるのかが不思議だった。近代は自然と人間を切り離して、人間が自然を管理するという考え方が一般的になってきて、今の世界はそういう考え方に支配されていると思う。僕自身もそうだ。 一方でこういう考え方もできるんだということが一つある。それは自然を人間の延長線上において考えるということだ。今まで、能力がない人間にも

      • 能力で人を分けなくなる日~第3章~

        この章のテーマは「開いた世界と閉じた世界」だけれども、その話についてはよくわからなかった笑 何回か読んで意味は分かったつもりだけれど、それがどこにどうつながってくるのかがあまり理解できなかった。まあそれは今の自分にはあまり必要のないものだと捉えて一旦置いておこうかなあと思う。 今回考えたのは「自立」というものについて。僕は今は一般的な、経済的に親から支援を受けていないという意味での自立には至ってないが、もし僕がそういう状態になっても自立したと声を大にして言うことはできないだ

        • 能力で人を分けなくなる日~第2章~

          植物状態や脳死にある人の価値というのはどこにあるのか。 その問いは「人間」の価値とはなんなのかということだと思う。なぜかそうなのかというと、それはいずれ我々が、高齢者になって、人に支えられることが多くなるときに、生産性がない自分に対して直面する問題だからである。僕に関していえば、障害者である自分、人より能力で劣る自分にはどんな価値があるのかという問題だからである。もっと多くの人に当てはめるのであれば、こういう言い方もできる。みんな学校や社会の中で競争にさらされてきているが、あ

          能力で人を分けなくなる日~第1章~

          「人間」という文字は「人と人とのあいだ」つまり人が互いに関係しあっている場所をさす。つまり、一人の「人間」が存在しているなら、相手という存在が、自然にそこにあるということだ。 これは僕にも経験があって、僕は全日制高校から通信制高校に移ってから、人とかかわる機会がなくなった。 もちろん自分の病気(躁鬱病)が理由としてもとても大きいのだろうが、周りに関わる人がいなくなって、まったく動けなくなってしまった。(実際には家族とはつながっていて、大学進学して一人で暮らしていると、そのとき

          能力で人を分けなくなる日~第1章~

          コモンの「自治」論 第7章 斎藤幸平

          21世紀になって、上と下という関係のなかで行っていく政治やコミュニティの在り方に疑問が抱かれるようになってきた。上と下という関係というのは、たとえば市長や議員が政策を構想して、それを押し付け、実行するのは市民であるというときの関係の事だ。その場合市民は構想(自分で考えること)ができなくなる。  そのような垂直的な関係に対して水平的な関係による社会改革を目指そうという活動は少しづつ盛んになってきているが、その始まりはアメリカのウォール街占拠運動だ。スローガンは「1%vs99%」

          コモンの「自治」論 第7章 斎藤幸平

          カンボジアの「旅」日記

          初めての海外、卒業旅行もかねて、カンボジアにフィールドワークに行ってきました!できるだけ端的に11日間の旅をまとめていきたいと思います。 できるだけ短くまとめましたが、それでも少し長くなってしまいました。 特に見てもらいたいのは3日目と5日目です。時間のない方はそこだけでもお願いします。 ※一部人の遺骨や収容所での記録,拷問の跡などセンシティブな写真があります。苦手な方はあまり見ないようにするか、ここで引き返すことをおすすめします。 1日目羽田までは省略。初めての国際線だ

          カンボジアの「旅」日記

          コモンの「自治論」~第五章~ 精神医療とその周辺から自治を考える

           精神疾患などで苦しんでいる人は、「病気それ自体」が生きづらさを引き起こしているのではなく、社会の側が「病気を持っている人」に対してハードルを与えているにすぎないという考え方は今まで学んできたことの一つだが、この章ではそこの議論からまた一歩進んだ知見を与えてくれた。いま述べた議論は、極端にいえば精神医学(精神病院など)はいらず、周りの対応の仕方や制度など社会の側が変化すればよいという、名前をこの本から引用すれば「反精神医学」というものだ。 しかし、いまの一般的な精神科医がもっ

          コモンの「自治論」~第五章~ 精神医療とその周辺から自治を考える

          「喜嶋先生の静かな世界」ー森博嗣

          ちょっと最近本を読む時間がなかったので、今まで読んだ本の中から紹介します。 「喜嶋先生の静かな世界」です。 この本の著者は森博嗣といって、大学の工学部の教授、さらにいえば名古屋大学の教授をしていて、ほかの本は基本的に理系のトリックを使ったミステリーなんですけど、これは彼の自伝をもとにかかれた本なんですね。 僕の周りにいるのはみんな文系的というか、人とかかわりをもちながら、自らを変化させていくっていう学びを展開していく人が多いんです。 一方でこの本はゴリゴリの理系の研究

          「喜嶋先生の静かな世界」ー森博嗣

          「ブラック支援―狙われるひきこもり―」を読んで

          ひきこもりの人に対する大きな誤解が存在する。それは引きこもりが本人の能力ややる気の問題で、努力すればそこから抜け出せるということだ。 本書であるような引き出し屋という高額なお金をもらい、本人の許可なく、または恫喝などで無理やり許可を得るようなやり方で引きこもりの人を家から連れ出し、施設に入れ、急かして就職や社会復帰をさせる業者は存在する。このような一種のショック療法的な「治療」というのは引きこもりを抜け出すきっかけになるのだろうか。もちろんそれで社会復帰できて満足だという人

          「ブラック支援―狙われるひきこもり―」を読んで