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世界基準の革新的な台湾ブランド製品は、どのように選出される?台湾エクセレンス賞の選考プロセスと2023年度受賞製品をご紹介!

年末に向けて、慌ただしい空気が漂ってきた今日このごろですが、台湾エクセレンスにとってはまさに今が1年の中でとても重要な時期なんです!

それは何かというと…。

去る11月23日に、「第31回台湾エクセレンス賞 授賞式」が行われました!
これからの世界をリードしていく台湾ブランドが多数ラインナップされた台湾エクセレンス賞。
今回は、その受賞に至るまでの選考プロセスをご説明させていただくとともに、2023年度最新受賞製品も皆さんにご紹介していきたいと思います!

ですがその前に、今一度台湾エクセレンス賞とはどのようなアワードなのかをおさらいしてみましょう。

「台湾エクセレンス賞」は、1993年に台湾の経済部(日本の経済産業省に相当)によって始められた、優れた台湾ブランド製品に贈られる賞のことです。台湾ブランド製品のみ応募することができ、毎年5月にオンラインで製品の募集が開始されます。
台湾エクセレンス賞のシンボルは、世界中のユーザーに素晴らしい価値を届ける最も革新的な台湾ブランドの製品に付与されます。このシンボルが付与された製品はすべて、研究開発、デザイン、品質、マーケティング、におけるその卓越性に基づいて台湾エクセレンス賞に選出されています。

毎年、業界最高レベルの製品を厳選しており、台湾の産業界におけるアカデミー賞とも言われているのが台湾エクセレンス賞なんです!

これまでの記事でも、受賞製品や賞に関わる方のインタビューなどをご紹介しているので、まだ読んでいないよ!という方はぜひご覧ください。



それではまずは製品の選考プロセスについて、ご紹介していきましょう!


革新的な台湾ブランド製品が勢揃い!台湾エクセレンス賞の選考プロセス

今年の応募総数は1,109件
たくさんの台湾ブランド製品にご応募いただきました。

台湾エクセレンスは自薦で応募のあった製品の中から、選考を行います。
選考プロセスの流れはこのようになっています。

製品の応募は毎年5月頃から開始され、オンラインで受け付けています。
その後は2段階に分けて審査が行われていきます。

一次審査は書類審査と製品展示審査を行います。
書類審査を通過した製品は展示審査へ進むのですが、この展示審査は約3,000㎡もの広大なスペースを使用して行われます!

13のカテゴリーに分類されて展示され、台北市にある南港展覽館(日本でいう東京ビックサイトのような国際展示場)にて、3日間に渡り選考が行われました。

▼製品展示のカテゴリー一覧
A. 電子・電気・通信製品および部品
B. ソフトウェア
C. パソコンハードウェア・周辺機器
D. ファッション・ライフスタイル・文化
E. レジャー・運動用品
F.  家庭用設備・建築材料・安全・金物・ツール
G. 精密機器・健康医療機材
H. 化学工業製品・紡織・パッケージ
I.   交通器材
J.  機械・機械部品
K. グリーンエネルギー製品・設備及び部品
L.  防衛・宇宙科学
Z.  その他

ここでは台湾国内の専門家約130名の選抜委員によって、審査員全員で製品に対して点数をつけていきます。
そして合計点数が一定点数に達した製品には「台湾エクセレンス賞」が授与されます。

その中からさらに「金賞・銀賞」の候補となる上位30位の製品が選出され、金賞が選出される二次審査が行われます。

二次審査では台湾エクセレンスの審査基準である「研究開発」「デザイン」「品質」「マーケティング」の4つのカテゴリーについてより深く審査をするため、それぞれのカテゴリーごとに海外の専門家を招聘して審査が行われます。

日本からも審査員をお招きしており、とくに「品質」の部門は長きに渡り審査に携わっていただいています。

こうして多くの審査員の目に触れ、第31回のアワードでは346製品に「台湾エクセレンス賞」が贈られ、その中から20製品が「銀賞」、10製品が「金賞」に輝きました。


台湾のイノベーションを厳選する、審査基準とは?

先程の選考手順の項目でも取り上げたように、台湾エクセレンス賞の審査基準には4つのカテゴリーが設けられています。

「研究開発」「デザイン」「品質」「マーケティング」

この4つのカテゴリーは台湾エクセレンスの基本的な考え方の指標となっています。
応募製品に対し、これらのポイントを満たしているかを吟味して総合的に判断しています。

【研究開発】
1. 研究開発戦略は、製品の独自性と市場競争力の向上を目指しているか
2.研究開発のコアがしっかりと構築されているか
3. 知的財産の管理システムとその有効性が保証されているか
4. 製品の操作方法における安全性と利便性を考慮して設計されているか
5. 製品の製造工程が省コストで斬新であり、
 環境に優しく再生エネルギーを利用するプロセスを配慮しているか

【デザイン】
1. 製品が市場のニーズに応じた最適な機能を持っているか
2. 人にやさしい、人間工学に沿った快適で安全な使用方法になっているか
3. 優れた製造技術と高性能な製品か
4. 外観は美しく、目を楽しませる設計か
5. ECO規制に沿った地球に優しい設計か

【品質】
1. 製品はお客様の潜在的なニーズを満たす、
 魅力的でかつ革新的な質を持っているか
2. 製品の品質は、設計と制作の段階で厳しく管理されているか
3. 会社(またはOEM)は、国際品質マネジメントシステム
 またはその他の関連する国際マネジメントシステム標準の認証を取得し、
 そして実際に実践しているか
4.会社はお客様本位の経営である総合的品質管理(TQM)を推進しているか
5.会社は品質を管理できる能力を持っているか

【マーケティング】
1. 製品のコアバリューとブランドアイデンティティを積極的に推進し、
 製品のポジショニングを実践しているか
2. 国内外の販売チャネルの効果的な運用が確立されているか
3. マーケティングチームは、競合製品に関する情報や顧客満足度に関する
 調査を定期的に収集し、顧客満足度向上のための基礎資料として
 活用しているか
4. マーケティングチームが健全な顧客サービス体制を構築しているか
 (顧客からの苦情処理や製品修理サービスを含む)
5. ブランドPR訴求のための具体的な方法が確立されており、
 マーケティング予算が確保され、
 業務を執行している専門スタッフが配置されているか

台湾エクセレンス賞 選考基準

デザインや品質に関しては様々なアワードが注目する点ですが、「デザイン」と言っても単に見た目のことを指すのではありません。
「人にやさしく、快適安全に使用できるか」また、「ECOで地球に優しい設計か」なども重要なポイントになっています。

また、「品質」については品質管理の先にある顧客のニーズにまで応えられているか、という点を、提出された書類や企業を実際に訪問することで審査していきます。

それでは残りの「研究開発」「マーケティング」についてはどうでしょうか?

これらは、台湾エクセレンス賞を受賞した後の話にも繋がってくるポイントになります。

台湾エクセレンスは国家のイメージアッププロジェクトとして立ち上がったアワードです。
優れた製品を選出し賞を授与するだけでなく、世界中に製品を広めていくための機関でもあります。

詳しくはこちらの記事をチェック!

そこで重要になってくるのが、研究開発とマーケティングの部門!

例えば研究開発の選考基準はこのように設定しています。

研究開発戦略は、製品の独自性と市場競争力の向上を目指す。
製品の製造工程が省コストで斬新である。
また、環境に優しく再生エネルギーを利用するプロセスに配慮している。

単純にいいものを造っているというだけでなく、市場の盛り上がりにも貢献できているか、
また省コストであるだけでなく、省エネでもあることが基準となっていることで、より世界目線の「価値」を生むことができます。

そしてマーケティングの項目にはこのような基準があります。

製品のコアバリューとブランドアイデンティティを積極的に推進し、製品のポジショニングを実践している。
ブランドPR訴求のための具体的な方法が確立されている。

台湾エクセレンス賞を受賞した製品は、台湾エクセレンスのロゴを使用することができます。
そして台湾の経済部がサポートする「台湾産業イメージ宣伝プロジェクト」のさまざまな国内外のプロモーション活動に参加して、受賞製品を紹介し、ブランド認知度とビジネスチャンスを拡大する機会があります。

ですがその機会を得ていただくには、ブランド自体にしっかりとしたマーケティングのプランが確立している必要があるということですね。

製品を一見しただけでは見えてこない部分も選考基準に加え、厳しい目線でジャッジすることで、台湾エクセレンスの、ひいては台湾自体の価値を高め、産業を後押ししています。

今、台湾ではこれがアツイ!受賞製品の傾向で紐解くトレンド

台湾エクセレンス賞の受賞製品ラインナップを紐解くと、台湾産業で今何が注目されているかがよくわかります。

第31回の選考において、受賞比率が最も高かったのは「情報通信(24%)」
これは、新型コロナウイルス流行後の情報通信製品のニーズが急増したことと、台湾の技術力と革新精神が結びつき、業界全体が大きく発展したことを反映したものともいえます。
2位は「機械・部品(23.7%)」、次いで「家庭用設備・金物・建材(12.4%)」となりました。

受賞製品に共通するのは「革新性がある」という点です。
5G、人工知能、ビッグデータ、IoT、VRなどのテクノロジーを活用し、プロダクトインテリジェンスによって潜在的なニーズに応え、使用上の課題を解決しているというのが共通点です。

また、グリーンサステナビリティ、エネルギー管理、温室効果ガスの排出、国際標準への準拠、特許認証、お客様満足度、サービスプロセスなど多くの面においても、高く評価された製品が多数あります。


注目の2023年度最新受賞製品をご紹介!

さて、ここまで台湾エクセレンスの選考プロセスについてお伝えしてきましたが、最後につい先日発表になったばかりの、第31回の受賞製品をご紹介します!

まずはこちら。

E Ink「E Ink Prism 電子ペーパー」

E Inkの「E Ink Prism 電子ペーパー」は、第31回台湾エクセレンス賞の「金賞」を受賞しました。

フレキシブル電子ペーパーが採用されている二色表示のパネルで、材料や構造にとらわれず、空間設計または建築デザインに新たな可能性を提供します。

グラデーションなど、表示パターンをプログラムで制御でき、それぞれのアイデアをPrismと組み合わせることによって、まったく新しい空間演出が可能になります。

アメリカ・ラスベガスで行われた家電やデジタル技術の見本市「CES 2022」では、この技術を用いて、自動車メーカーBMWと共同開発されたコンセプトモデル「BMW iX Flow featuring E Ink」が発表され、注目を集めました。

これまでも、車の内装をデジタル技術と連携する仕組みは既に提供されていましたが、これを外装にまで発展させる取り組みとなります。
日常の気分や、状況に合わせて色を変化させることができる車。
私達が思い描いていた未来がそこまで来ている、という感じがしますね!

続いてご紹介するのはこちらの製品。

AVIGO TECHNOLOGY「BeanBon (ビーンボン)」

AVIGO TECHNOLOGYのコーヒーロースター、「BeanBon (ビーンボン)」。第31回の選考では「台湾エクセレンス賞」を受賞しました。

ハンドルをひねるだけで8種類から好みの焙煎具合を選ぶことができ、専用のスマホアプリと連携して温度と時間の調節も簡単に行うことができます。

焙煎にかかる時間は約10分と、とってもお手軽。
アプリにはおすすめのレシピが搭載されていて、自宅で簡単にプロの味を楽しむことができるほか、もちろんこだわり派には1から設定を行い、自分好みのカスタマイズも可能です。

コーヒー好きの方には、ぜひご家庭に取り入れていただきたい製品です。



今年もこのように厳選なる審査の結果、台湾が自信を持って世界に発信する製品が勢揃いしました。

台湾エクセレンスの日本公式サイトでも順次今年の受賞製品がアップされていく予定ですので、ぜひチェックしてみてくださいね!



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