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就活をしてみようと思った話

つい最近まで大学院の博士課程に在籍していましたが、そのことを周囲に話すと、

「博士号ってよくわからないけど、大学の教授コースだね。すごい!」

みたいな反応をされることが多々ありました。
その度に愛想笑いをするしかできませんでした。
教授コースであればどれだけ良いか...

現在大学で教授をしている方や研究所等で研究している方、企業に就職した方などは一体どんなキャリアを積んできたのだろうといつも気になるのですが、最近特に気になるのは「博士号取得直後」は一体どうしていたのか?

博士課程でバリバリ論文出して、その分野で存在感を知らしめることが出来るような人は引く手数多なのかもしれません(想像です。そんなことはないのかもしれません)。
私は博士号取得の要件を満たすための論文を何とか通した身なので、ひよっこ中のひよっこ研究者なわけですが、それでも博士号を取得したので今後のキャリアをどうするか考えなければなりません。

「どこかの大学で任期付きポスドク?」「学振PD?」「企業に就職?」「運よく任期なしのアカデミックポスト?」

博士号取得直後なので、(少なくとも私は)業績という名の武器は十分ではありません。なので、運よく自分の分野と一致した任期なしのアカデミックポストの公募が出たとしてもライバルたちと対等には戦えないかもしれない。

そうなると、任期なしアカデミックポストを目標に見据えながら、いつか来る戦いに備えて任期付きポスドクを転々としながら武器(論文等の業績)を揃えるしかない。
と、現在は絶賛学振PD申請準備中です。

私は博士3年から何とか学振DC2(2年間の採用)に通ったので、博士号取得後の1年間もこの予算で今の大学にお金を多少もらいながら在籍出来ていますが、この期間が無ければ「博士号は取れるのか?」「取れると仮定してその先のことを考えなければ」と日々追い詰められていたかもしれません。
とりあえず博士号取得に専念して、その後の1年で今後のことは考える、という方策を取れたのは運が良かったと思います。

そんなこんなの日々を送っていますが、妻も子どももいるので路頭には迷えないと、学振PDの申請も考えながら企業に就職することも考えておこうとア〇リクに登録してエージェントさんと面談をしたことがあります。

博士の就活ってどんな感じで進むんだろう、どんな就職先があるのだろうと気になったので色々聞いてみました。
覚えている範囲で雑多に内容をまとめると、

1. 博士号をもっていたとしても修士や学部と同じ選考プロセスを経るので博士特有のルートがあるわけではない。
2. 博士課程修了者はすでに30代手前になっていることもあり、企業によっては年齢で難色を示されるかも。
3. 新入社員が博士持ちは扱いづらい印象を持っている企業も少なくない。
4. 学振PDが第一希望であるのであれば、その結果次第で中途採用を探した方がいいかも。

こんな感じだった気がします。あまりポジティブな印象はなかったので就活は頭から一旦消しました。
これは研究分野にもよると思いますが、私は就職しても企業で今の研究に似たようなことが出来るかなーみたいに甘い考えを持っていたのでポジティブな印象を持たなかったのかもしれません。
まあ、そりゃ企業で体内時計とか睡眠とかの基礎研究をできるはずないですよね。
アカデミアと企業の線引きが甘すぎたんだと思います。反省。

エージェントさんとの話を通して、やはり自分はアカデミアで研究していきたいんだなと再確認できたので、家族には迷惑や苦労を掛けますがポスドクしながら安定ポストを虎視眈々と狙う生活を送るしかないかなと思っている今日この頃です。

とりあえず足の裏の米粒は回収することができたので良しとしています。

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