「就職」に必要なことは、学校では何も教えてくれない国ニッポン。
こんにちは、採用コピーライターのたいすくです。
なんだか政治批判みたいなタイトルですが、そういう意思はありません。今回は、僕自身がなぜ採用コピーライターという仕事をつづけているかについて、ちょこっとお話しさせていただきたいと思います。
就職活動――何をすればいいか分からない
今から20年くらい前の話。
僕は就活生でした。とりあえず買ってきたリクルートスーツに身を包み、毎日、あっちこっちの合同説明会に参加していたんですね。でも、そこに自分の意志ってほとんどなくて。みんながやっているから自分もマネをして就活ってものをしてみる、という感じでした。
一番イヤだったのは、会社説明会の最後に聞かれる「何か質問はありませんか」という質問。なぜかというと、何が分からないかも分かっていないことを突きつけられるからです。
何もかもが分からない。
それが、僕の就職活動時の感想です。世の中にどういう産業、サービス、施設があるかもよく分からないところに、そこで働くいろんな職種が存在している。知らないしイメージもできない仕事が自分に合っているかどうかなんて分からないじゃないですか。えっ、みんな分かっているの?みんな分かってないじゃん。そんな中で、これから長い間やっていく「会社」と「仕事」を選ぶのは、「相当難易度が高いぜ」と思ったんですね。
結局、僕はアルバイト経験を踏まえて、自分は「人と接する仕事が好き」なのだろうと予想し、食品スーパーで働くことになります。バナナを売っていました(笑)
転職活動――リファラル採用で痛い目に遭う
食品スーパーで3年9ヵ月くらい働いて、自分は「人と接する仕事に向いていない」ということが嫌というほど分かりました。
人当たりはいいほうなのですが、接客向きじゃなかったんですね。2か月くらい休養して、僕は知り合いの方が経営されているゲーム会社に転職します。リファラル採用です。
ここで僕は、自分の雇用形態が「契約社員」ということを知ります。さらに「賞与」がありません。もっといえば、「社会保険」もきちんと入っていなかったのです。これは無知な自分が悪いのですが、会社に入れば当たり前のようにある福利厚生は当たり前じゃない、ということを学びました。
さらに、この会社は僕が入社したタイミングと、マーケットのシュリンク時期が重なり、入社数ヵ月であっけなく倒産。数ヵ月分の給与未払いという貴重な経験もさせていただきました。社長あてに内容証明とかも書きましたからね。
さらにいうと、雇用保険をきちんと払っていなかったせいで、職を失ったのに失業保険が出なかったんですよ。地獄です。当時付き合っていた彼女に数十万円の借金をするはめに陥ったのでした。
「働く」の大事なことは、誰も教えてくれない
このような経験を経て、僕は「仕事探し」について、かなりナーバスになっていました。働く上で大事なことは誰も教えてくれない。自分で調べないといけない。でも、調べ方も分からない。就職は一か八かの賭けだな、と思いました。
圧倒的に、「情報」と「知識」が足りない。
そもそも、企業の会社説明会って、求職者の知りたいことを何も教えてくれないんですよ。僕に言わせれば、自社のことをすごくいい感じにテンプレート的な説明しかしてくれなくて。本当に知りたいのは、その業界の今後の先行きだったり、どんな人たちが働いているのかとか、同業他社と違いが知りたいのですが、そこはノータッチです。(企業としては教えてやる義理がないので当たり前なのですが…)
「情報」と「知識」を得ないかぎり、「自分に合った仕事なんて永遠に見つけられない」。それが僕の出した結論でした。
そんなこんなで悩み続けた挙句、
求人サイトを運営しているエン・ジャパンに、求人広告コピーライターとして転職することにします。広告もコピーライティングも興味がありませんでしたが、入社することができたのは、単に運がよかったからでしょう。
エン転職の仕事で、世間を知る
求人広告コピーライターという仕事は、世の中にどんな業界があって、どんな会社があって、どんな仕事があるか、を教えてくれるものでした。
同時に、僕自身がどれだけ世間知らずだったかを思い知らされる日々。あまりにものを知らな過ぎて、恥をかきつづける毎日でしたね。
例えば、「代理店営業」という仕事があります。同じ職種であれば、どこの会社でも同じような求人広告になると思いました。しかし、A社は毎日代理店にまわって営業さんと顔を合わせることを重視する代理店営業で、B社は資料やツールをつくって代理店の営業さんたちが提案しやすくなる仕組みづくりを重視する代理店営業だった場合、A社とB社では求める人は全然違うし、活躍できる人も全然違うのです。
「こりゃ、面白い!」
僕はそう思いました。『エン転職』というサイトは、転職サイトの中で最大級の文字数(情報量)のある求人広告を特長としていて、上記のような“違い”を伝えることで、入社後ミスマッチを防ごうとしている志の高い転職サイト。僕はこのサイトポリシーに共感。取材という取材に行きまくり、採用した方の入社後活躍にこだわったクリエイティブに、なんだかんだと14年間、明け暮れたのでした。
日本の就職市場には「知らない」が多すぎる
気がつけば、採用成功実績は4000社以上にわたり、「クライアントが協力さえしてくれれば、どんな企業の仕事でも適性人材を採用できる」といえるくらいノウハウを蓄積してしまった僕です。
そんな僕から見て、日本の就職市場は「知らない」が多すぎると思います。
求職者は、かつての僕のように、世の中にどんな業界があって、どんな会社があって、どんな仕事があるのかを知りません。一方企業は、そんな求職者に対して自社の魅力をアピールする術も、自社にどんな人が適性なのかも分かっていないケースが多いです。
こんな状態では入社後ミスマッチという悲劇は、いつまで経ってもなくならないでしょう。そこに僕は危機感を覚えていたりします。
正しい採用広報の在り方が、未来を変える
ある経営者が言っていました。
「採用とは“輸血”に似ている。会社の型と違う型の人を入れてしまった時、双方に大きなダメージがある。だから、ウチにはどんな人が合っているかを見極めることは、組織の成長につながる」。
そのとおりだと思います。
企業が採用支援のために自社の魅力を発信していく「採用広報」。それはやり方次第では、自社の適性人材採用に非常に効果を発揮する支援です。しかし、やり方を間違えると、労力ばかりかかって効果を生み出さない結果になってしまうリスクも秘めています。
僕には、長年にわたる求人広告制作と結果分析、数多くの求職者へのヒアリング、採用コンサルティング、採用広報コンテンツ企画の経験があります。このノウハウを発信することで、適材適所の採用が増えて、仕事を楽しむビジネスパーソンを日本に増やしていきたい――そう本気で考えている人間ですという長い自己紹介でした(笑)
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