見出し画像

中小企業の採用動画が、つまらない動画になってしまう理由。

挨拶

こんにちは、採用コピーライターのオヤマダです。

カゲキな記事タイトルを出してすみません。たぶん、若者に響くようにそれなりの予算を使って一生懸命作ったことは分かっているのですが、正直な感想をいうと、「中小企業の採用動画にアタリなし」と言ってもいいほど、つまらない動画が確率が高いと思われます。

どちらかと言えば企業側に立場が近い僕が「つまらない」と感じているくらいですから、ターゲットである就活生や求職者はもっと「つまらない」と思っているのではないか?と危機感を募らせ、今回、採用動画について書いてみることにしました。

もちろん、おもしろい採用動画、効果がある採用動画もあるのですが、「採用動画作ってみたのにイマイチ効果がない」と思っている経営者や採用担当者の方もいらっしゃると思います。今回の記事を読むと、その理由が分かるかもしれません。

つまらない採用動画の共通点

それは、「動画に目的がないこと」です。

いや、「採用のテコ入れのために、当社のことを知ってもらうという目的がちゃんとある!」という意見があるかもしれませんが、「当社のことを知ってもらうために、具体的に何を伝えるか」が明確でない以上、それは「なんとなく採用動画っぽいものを作った」だけにすぎません。

大手有名企業の採用動画のように、なんとなくカッコイイ絵と音楽をつけたイメージビデオっぽいものを作っても、大手有名企業と同じ土俵で戦うという不利な戦場に身を投じるだけです。カッコイイ絵と音楽だけでは、中小企業のスケールや仕事内容をイメージチェンジできないどころか、大手有名企業との「差」が明確になるだけだったりします。

中小企業の採用動画は、大手有名企業と同じように作ると失敗します。

採用動画の「目的」を、きちんと明確にして作るべきです。

採用動画の目的を明確にする、とは

まず、大前提の話ですが。

「大手有名企業のようなイメージビデオみたいな採用動画を作れば、大手有名企業を志望している就活生や求職者が自分たちのような中小企業の良さに気がついてくれる」と思っているのならば、その幻想は捨ててください。

そして、上記のようなことを言ってくる自称採用コンサルタントや自称採用のプロがいる動画制作会社は、話していることが間違っているのでちょっと距離を置いたほうが良いと、僕は思います。

就活生も求職者も、都市部のキー局で流されているTVCMと、地方局でしか流れていないローカルTVCMを見て、どっちがお金をかけているか、どっかが立派でどっちがそれなりかは判断できます。

都心部の大手事務所所属のアイドルグループのMVと同じようなものを、地方のボランティアみたいな運営によるアイドルグループが作っても、比較対象がある分、予算の少なさとチープさが目立つだけです。だからこそ、戦いかたを変えなければならないと思いませんか。

採用動画も同じです。

変な採用動画を作ってしまうと、会社や仕事のイメージを悪くすることもあり、お金をかけて作ったのに採用にプラスになるばかりかマイナスになっていこともあるのが、採用動画の怖いところ。

だからこそ、採用動画の目的が大切!という話になってくるのです。

では、採用に効果があるように、採用動画の「目的」をどうやって明確にすればいいのでしょうか。それは、「採用課題の解決」「目的」にしていけばいいと僕は考えています。

目的のある採用動画の例

僕のお客様に「産業機械向けの設備製造を行なっている企業様」がいらっしゃいます。このように書いても多くの人がよく分からないように、事業内容が「求職者にピンと来ない」ということに頭を悩ましていました。

さらに、その営業職というと、理工系の学部を卒業して、お客様のエンジニアと同等に話せるような人じゃないとグイグイ提案できないだろう的なイメージを求職者が持ってしまうことが、採用課題でした。

ところが、この企業で営業として活躍している営業さんに、理系出身者は一人もいません。機械系の会社の勤務経験もありません。みんな、業界も営業も未経験スタートで活躍しています。

「イメージ」「実際」にギャップがあるわけです。

なぜ、未経験スタートでもこの営業職が成り立つのか。その理由は、営業の仕事が「お客様からの要望を聞いてくること」だからです。

営業なのですが売りません。すでにお取引のあるお客様企業に訪問し、最近困っていることを聞いてくる。それを会社に持ち帰り、社内のエンジニアに伝えて解決策を考えてもらい、今度はエンジニアといっしょにお客様企業に訪問し、解決策と予算の都合が合えば受注できる……という仕事。つまり、「人の話を聞く」のが得意な人が活躍できる仕事だったのです。

もちろん、聞くだけでなく社内のエンジニアに説明する必要はあるのですが、専門知識がなくても、お客様がやりたいことが伝わればOKなわけで、つまり、理系出身でも、機械系の仕事経験がなくても、できてしまう仕事なのでした。

じゃあ、どんな動画にするのか。

動画の目的は、「間違ったイメージの払拭」です。

・ドキュメンタリー風の採用動画
・まずは「“聞く営業”という仕事がある」というツカミ
・営業本人に「ウチの仕事ですね」と肯定させる
・実際の営業の様子を写す
・社内のエンジニアと相談している様子を写す
・エンジニアと同行している様子を写す
・受注した様子を写す
・納品した様子を写す
・作ったものがお客様のある作業の時間を1/5にするものと伝える
・営業自身に「社内における自分の役割」を語らせる
・営業自身に「社内みんなでやる仕事の面白さ」を語らせる
・営業自身に「お客様から感謝の言葉を貰える嬉しさ」を語らせる
・採用コンセプトコピーを出して終わり

ざっとこんな感じの動画になります。

伝えるべきことが明確であり、採用課題の「間違ったイメージの払拭」を実現しつつ、お客様とパートナー関係が築かれていること、社内に頼りになるエンジニアがいて仕事を助けてくれること、営業がやらなければならないこととやりがい、という同社の採用に必要な情報提供ができている採用動画になります。

さいごに

採用コンテンツって、情報提供だけでは意味がないんですよね。

人は論理では動きません。感情で動くものです。だから、採用動画も求人広告と同じように、見ている人がグッとくるポイントがないと反響(応募)は生まれないのです。

それに、採用動画って1本作っただけではあまり意味がないと僕は思っています。採用課題って1つではありませんし、ターゲットによって最適な伝えかたは変わりますし、タイミングによって伝えるべき内容も変わってくるからです。1本ということで、情報を詰め込みすぎていて、結論、何が言いたいのかよく分からなくなっている採用動画も少なくないですよね。

採用動画を見る就活生や求職者は、他社の採用動画も同じタイミングで見るわけです。情報量が多くてよく分からない、何が言いたいかよく分からない採用動画が、採用にプラスに働くわけがないと思いませんか。

採用動画の使いかたを含めたコミュニケーションデザインが提案できる制作会社を探すのが一番分かっている企業と出会えるコツだと思います。

ちなみに、

採用動画を検討している企業様がいらっしゃいましたら、今、余力がありますので、連絡お持ちしております(笑)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?