「社長の言葉は、社員にきちんと届かない」という現実を打開する商品づくりの話。
知り合いのキャバ嬢が言うんですよ。「就職するなら、ゼッタイ大手企業でしょ!」って。なんでもこのキャバ嬢さん、女子大生だそうで。「手っ取り早く稼げる仕事を探して、キャバクラに行き着いたんだよねー」とのこと。こんにちは、採用コピーライターのたいすくです。
今回は、「“社長の言葉は、社員にきちんと届かないもの”って話」と、「僕が今やっている仕事の紹介」をさせていただこうと思います。
【1】社長の言葉は、社員にきちんと届かない
経営理念とか、ビジョンとか、ミッションとか。社長が一生懸命に考えても、それを社内に浸透させるのって難しいんですね。これは地道に、社員に話し続けるしかないわけです。根気の勝負ですよ。
ところがですね。浸透したらしたで、正しく伝わっているかどうかの問題が生じるものなんですね。正しく伝わらないと、浸透させた意味がないんですよね。「正しく伝える」ってことも、また難しいものなのです。
なぜ、浸透しにくくて、正しく伝わらないのか。それは、社員は社長じゃないからです。社長の視点や背景を知らないので、考えられた言葉を正しく理解できないんですね。これは理解力の話ではなく、「社長が話すこと」と認識した時点である種のフィルターを通して情報を認識してしまうという、人間の脳の働きの話です。
で、冒頭のキャバ嬢の話に戻るのですが、
「人生なめているな」とか「現実を知らないな」とか思いませんでしたか?だとしたら、それは「キャバクラでバイトする女子大生って、ブランド物といった高級品を買うためにお金が欲しいんだろ」といったあなたの印象というフィルターを通してしまっている証です。
このキャバ嬢さんは、山口県出身なのですが、お父さんが身体を壊して入院しているので、学費は自分で払っていて、かつ、高校生と中学生の妹と弟のために実家に仕送りもしているらしいんですね。彼女が大手企業を目指す理由は、大手企業だと福利厚生が充実しているので、収入から家への仕送り額を増やせるからなんですよ。
「就職するなら、ゼッタイ大手企業でしょ!」
「手っ取り早く稼げる仕事を探して、キャバクラに行き着いたんだよねー」
彼女の実情を聞いてから上記の同じセリフを聞くと、言葉の印象が変わってきませんか。
そうなのです。言葉の裏にある背景を聞くと、同じ言葉でもガラリと印象が変わるものなんですね。これは、社長の言葉にも同じことが言えます。「社長が話していること」には社員は無意識のうちに「自分とは性質の違う社長が言っていること」と認識してしまい、その言葉が他人事になってしまいがちなんです。
これを自分事として捉えてもらいたい。
そのためには、社員一人ひとりにも関係があることと理解してもらう必要があり、そのためにはきちんと背景から社員の仕事まですべては一つにつながっていることを話すべきなのです。話し続けるべきなのです。しかし現実問題として、毎回、膨大な情報量の話をし続けるのはムリです。
だったら、社長の思いをきちんと言語化して、理念やビジョンやミッションが生まれた背景をきちんと書いてしまおう…という「本」を、僕はつくっています。
はい、ここにきてようやく本題に戻ることができました(ヨカッタヨカッタ)。
【2】打開策「未来図BOOK」という商品
この本は商品名「未来図BOOK」というのですが、会社の「過去」「現在」「未来」が書かれています。ざっくり流れを説明すると、
▼弊社はどこからはじまって、どんな変遷を辿ってきたか
▼社長はどんな半生を送ってきたか
▼社長が今の仕事を選んだ原体験はどんなものだったか
▼社長は今の市場の動向をどう見ているか
▼社員の雇用を守るために、どんな未来に向かうべきと考えているか
▼経営理念は、どんな課題意識から生まれたのか
▼ビジョンは、何を考えて生まれたのか
▼ミッションは、何を考えて生まれたのか
▼バリューは、何を考えて生まれたのか
▼目指す未来に向けて、段階的にどんな戦略を立てているのか
▼未来を目指すためには、どんな組織であるべきなのか
▼社長から見た、今の組織の良いところ・悪いところ
▼社長が考えるお手本になる「会社・組織」
▼目指す組織になるために、社員に求められること
▼一般社員のコアコンピタンス(4~6つ)
▼リーダーのコアコンピタンス(4~6つ)
▼社長から社員みんなに約束すること
…と、こんな感じになっています。
社長がどういう人間で何を考えているのか。その社長が社員の雇用を守るために、会社の強みを活かしてどう戦っていこうとしているのか。そのためには、社員一人ひとりのどんな活躍に期待しているのか。このような話がすべてつながっていて、1つのストーリーになっていることが分かる、そんな本なんですね。
四半期のふり返り面接のとき、社員はこの本をもとに「自分はどういう働きをした」というアピールをし、上司はこの本をもとに「部下のよく出来た点・足りなかった点」を語る…という使われ方をしています。
いわば、言語化したことで「会社から社員への約束事」にもなっている本なのです。
ある企業様では、面接時に「ここにウチのすべてが書かれているから。読んでおいて」といって渡すという採用広報的な使いかたもしており、それで入社が決まっているそうです。
【3】どうやって作っているのか
社長に取材して作っています。
1回2~3時間の取材を3回いただきまして、お話を聞いていくんですね。文字起こしをすると、50000~70000文字くらいになる情報を、削って、削って、社員が読みやすい文量の20000文字くらい(これでも結構読みごたえがあるのですが)に仕上げていくイメージです。
この仕事、純粋なインタビュー力が問われます。紙面の体裁を整えるのでは意味がなくて、深く社長に「問い」かけて、考えさせる。そして、気づかせる。そういう真剣勝負のインタビューになるんですよ。
もう一つ大変なのが、編集です。これはよくあることなのですが、社長自身、一貫性があると思っていたことが、文字にしてみると、ブレていたり、ズレていることが結構あるんですね。社長自身に読んでいただいて、「たしかにズレている」と認識していただき、ではどういう修正を行なうかを考えていく。このようなプロセスを経て作られています。
余談になりますが、全工程を2ヵ月くらいで終わらせるのですが、結構パワーを消費するので痩せます(笑)
さいごに
以上が、「僕は普段こんな仕事をしている」という仕事紹介でした。こちらの商品に興味がある方は、 t.oyamada@think-shift.jp までお問い合わせください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。m(_ _)m
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