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[採用ノウハウ] 未経験者と経験者を求める二股求人広告は両方から嫌われて応募が来なくなるからやめたほうがいい話。

こんにちは、採用コピーライターのたいすくです。
今回は、中小企業の経営者、人事の方に向けた中途採用における【採用ノウハウの記事】になります。

求人メディアに求人広告を掲載する時、【未経験者歓迎!!】と記載しつつも【経験者優遇!!】なんて書いたことはありませんか。

それ、愚策です。

確実に効果が悪くなります。以前、「A:未経験者歓迎の求人」、「B:経験者歓迎の求人」、「C:未経験者歓迎!!経験者優遇!!」の3つを混ぜた300案件の効果分析を行なったことがあります。その結果、「C:未経験者歓迎!!経験者優遇!!」は「A」や「B」よりも応募数が少ない、という結果が出ました。未経験者も経験者も求めているのに、です。

これを僕は、「みんなに好かれようとして、みんなに嫌われる現象」と呼んでいます。

なぜ、このようなことになってしまうのか。どうすればいいのかについて、今回は解説していきたいと思います。
 
 

【01】なぜ、二股求人広告は求職者から嫌われるのか

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×つくる女性

それは、

・どんな人が求められているのか分からない
・どのレベルのパフォーマンスが求められているのか分からない
・未経験者の応募時の不安払しょくができていない
・経験者の知りたいことが分からない
・すごく人手不足っぽくてヤバそうな会社に見える

…からです。

採る側に長くいると忘れてしまいがちですが、求職者は新しい環境の人たちから「歓迎されたい」もの。「未経験者も歓迎、経験者も歓迎」という広告は「誰でもいい」と言っているようなものですから、自分が歓迎されているかどうか分からないのですから、そりゃ、応募は来ませんよね。
 
 

【02】そして、もう1つの理由

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女性1つ

ここまで書いてきたことが大前提なのですが、もう1つ、忘れてはいけないポイントがあります。

それは、【未経験者と経験者とでは求人広告で知りたい情報が違う】、ということです。二股求人広告の場合、この両者の知りたがっていることにきちんと答えられていないことがほとんどなんですね。応募してくるはずがありません。

では、経験者と未経験者はどんな情報を求めているのか。

次の段落からは、経験者と未経験者が求人広告で欲しがっている情報と、その情報を欲しがっている背景・心理について説明していきます。
 
 

【03】経験者が欲しがっている情報

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ベテランの人たち

ざっくり書くと、

・自分の経験はどれくらい活かせるのか
・どんな仕事を任されるのか(ミッション)
・どんな権限を与えられるのか(ポジション)
・どんな待遇で迎えられるのか(トリートメント)
・また、下っ端からはじめるのか
・評価制度はどうなっているのか
・足りない知識・経験はどうやって補えるのか
・ライバルはどんな人たちなのか

…こんな感じです。

経験者は、今まで培ってきたモノがあるので、そのアドバンテージは新しい環境でどれくらい活かせるものなのか、会社から高く買ってもらえるのかを当然気にします。

世の中には、「最初から高い給料を払うから即戦力で活躍してほしい」という会社もあれば、「いくら経験があってもウチの考え方や仕事の仕方に慣れてもらうからスタッフからはじめてもらう」という会社もあります。

求職者にも生活がありますので給与額がどうなるのかは大きな問題です。例え一時的に下がるとしても、どうすれば上がるのか、いつぐらいまでで前職と同じくらいにできるのかも知りたいところ。

経験者が欲しがっている情報は、自分の生活に関わってくる具体的な情報なのです。
 
 

【04】未経験者が欲しがっている情報

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新卒社員

こちらもざっくり書くと、

・誰のどんな役に立つ仕事なのか
・1日の流れはどんな感じの仕事なのか
・教育制度はどうなっているのか
・一緒に働くのはどんな人なのか
・どういう人(スキル・志向性)が活躍できるのか
・どんなやりがいがあるのか
・どんな厳しさがあるのか
・給与、休み、福利厚生はどうなのか

…こんな感じになります。

未経験者としては、募集職種がそもそもどういう仕事なのかを知らないわけですから、その仕事に興味が湧くかどうかと、その仕事は自分に向いているかどうかをとても気にします。

未経験者募集で一番大切なのは、転職不安の払しょくです。初めて飛び込む世界ですから、上手くやっていけるかどうか心配なんですね。だからこそ、「大丈夫そうだ」と思える情報が求められています。

このことからも分かる通り、【教育制度】と【一緒に働く人たち】の情報が欠かせません。

【仕事内容】もくわしく知りたいわけですから、1日の仕事の流れが分かるくらい細かく具体的に、「知らなかったけど広告を読んだらイメージが湧いてきた」と思ってもらえるような情報提供がされていると、面白いくらい応募数が増えます。

未経験者が欲しがっているのは、自分はこの仕事をやってもいいんだという確証です。
 
 

【05】まとめ

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南国の景色

以上のことから、経験者と未経験者は欲しがっている情報がまったく違うということがお分かりいただけたと思います。

二股求人広告の場合、給与表記は最低支給額を記載しなければならないため未経験者に合わせて書くため、経験者のニーズに応えられません。未経験者は「自分が応募しても大丈夫かな?」と思っているのに「経験者優遇!!」と書かれていたら、求められていないと感じて応募しません。

二股求人広告が経験者・未経験者の双方から嫌われてしまうのは、こういう仕組みによるものです。

「本当は経験者に来てもらいたい。でも、経験者オンリーで求めると母集団形成ができないから掲載費用がムダになる可能性が高い。安全策として未経験者まで広げていい人がいたら採用しよう」

という考えで、成功した企業を僕は見たことがありません。

母集団形成は中小企業が追いかけるものではありません。あれは名前の通った企業か大手企業でしか発生しないものです。本当にほしい人から応募が来ればいい。この一点を貫くことが知名度の低い中小企業の採用戦略の勝ち筋なのは間違いありません。

ちなみに、

すごく簡単そうに書きましたが、業種・職種によって経験者・未経験者が欲しがっている情報は少し変わってくるので微調整が必要です。採用戦略のご意見・アドバイスをお求めの場合は、

t.oyamada@think-shift.jp (僕のビジネス用メールアドレス)

こちら(↑)までご連絡ください。
 
 

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