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【観劇レポ】アニメから飛び出した世界 ミュージカル「くまのプーさん」

今日も今日とて観劇レポ。ミュージカル「くまのプーさん」大阪公演のレポです。

ディズニー作品は多くが元々ミュージカル調。日本では劇団四季の「ライオン・キング」「アナと雪の女王」「アラジン」「美女と野獣」など、ミュージカルとしても人気の作品が多数ありますが、そんな中での新作ミュージカル。

プーさんたちのパペットを用いて、60分と短めの1幕ものミュージカル。どんな感じか全く想像つかないままに観に行きました。

アニメの世界そのまま!

感想はこれに尽きます。本当にアニメの中から飛び出したような世界。キャストさんの声、表情も含めて、まさにそのまま実写版。いわゆるオタク業界で言う解釈一致、というやつです。パペットもモフモフしててかわいい。

ハチミツに目がないプーさん、自分に自信がないピグレット、おおらかなイーヨー、お調子者のティガー、せかせかしているラビット、無邪気なルーとそれを見守るカンガ、賢いんだか賢くないんだかなオウル。そして唯一人間役で、ナレーションも務める清涼感あるクリストファー・ロビン。

全員アニメや絵本から飛び出してきたようなキャラクター。このキャラならそうするよね、そう喋るよね、というのが全て自然に見えるから、後ろでパペットを操っているキャストさんが見えていても、観ていて何の違和感もない。そもそもキャストさんも、パペットを操りつつ、ちゃんと表情なども含めて演技されていました。

ハチミツの木に埋まるプーさんを、間近で見ることになるとは思いませんでした。かわいい…。なんてかわいいんだ。

ミュージカルとして

60分というのはミュージカルの中ではかなり短めの時間ですが、正解。無駄がなく、集中もできるし、ストーリーもシンプルなのでちょうどよい。
キャストさんの体力的にも60分が限界というのもあるかもですが、ターゲット層も小さなお子様が含まれているようなので、その意味でも1時間はちょうどいいのかも。

ストーリーは、ハチミツを探してなんやかんやするという、プーさんの世界の王道な展開。
自他ともに認める、ちょっとおバカさんなプーさんを中心に、ほのぼのしたストーリーが展開されつつ、ところどころに人生の格言になりうるような真理を突いた言葉が登場する。プーさんしかり、スヌーピーしかり、ゆるく見えて芯をつくような作品は長く愛されますね。

終始ほのぼのですが、最後はクリストファー・ロビンとプーさんの絆が描かれ、図らずもうるっと来てしまいました。

音楽では、いわゆるグランドミュージカルのような大ナンバーがあるわけではなく、子どもも楽しめるような軽いナンバーが多い。ミュージカルチックなパペット劇、というような表現がしっくりくるかも。
ハチや蝶々、雪や川の流れなどの舞台装置・小道具も、世界観に合った雰囲気になっていてまとまりがあります。

舞台はパペット劇の特性上、わりと地面に近いところで展開されるので、劇場や席の位置によっては見えづらい、ということで東京公演では一悶着あったようですが、大阪公演はあまり気にならない配置やったように思います。

VIB

この作品は「VIBチケット」という特別チケットが販売されていて、ステージに近い席を確保できるのに加えて、終演後にキャストさんと写真撮影ができます。

僕は熱心なプーさんファンというわけではないのですが、せっかくならできるだけ近い席でと思い、このVIBチケットを購入しました。

座席は下手側の端っこだったので、少しステージの見切れはありましたか、あまり気にならない程度でした。何より、キャストさんとの写真撮影が期待以上にときめきまして、VIBチケットで購入して良かった。

撮影できるキャストさん(キャラクター)はランダムなのですが、僕はプーさん(横山達夫さん)とイーヨー(鈴木たけゆきさん)でした(上手側と下手側で分かれていて、上手側はティガーとピグレットでした)。

モフモフやった…ハイタッチもしてくれるんですよ…かわいい…。キャストさんも間違いなくお疲れであろうに、めちゃくちゃファンサービスしてくださる。尊敬の域を超えて崇拝します。

ちなみに撮影の順番がわりと早めだったのでちゃんと確認していませんが、男性一人で撮影参加してるのは僕ぐらいだった気がする。こちとらプロのソロ活ダーなのでね!鋼の心で周囲の目なんて気にしない!

プーさんという生き方

あまり物覚えはよくないけど、好きなものが明確で、周りをありのまま受け入れていくプーさんの生き方。キャラクター自体はディズニーの中でも古株に入りますが、変化の速い怒涛のようなこの世界で、プーさんの佇まいには学ぶものがあるのかもしれません。

いつの間にか見失ってた、失くしていたような何かに気づかせてくれる60分でした。お子さん連れの観客も多かったですが、大人こそ刺さるものがあるかも。

地方公演も相当数周られるようなので、とにかくキャストさんたちの腰の無事や健康を祈り、無事に千穐楽を迎えられますように。


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