日本人でも英語圏で戦えることを証明したい。28歳が会社を辞め、個人開発者としてカナダでひたすらもがき続けた一年間とこれから
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日本人でも英語圏で戦えることを証明したい。28歳が会社を辞め、個人開発者としてカナダでひたすらもがき続けた一年間とこれから

その後の話はこちらで読めます

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新卒で入社して4年間エンジニアとして働いてきたYahoo! Japanを退職し、約一年が経ちました。退職後は日本を離れ、カナダのバンクーバーから、大好きな個人開発に思いきり打ち込み、ひたすらプロダクトを日本ではなく、世界に公開することに専念してきました。

今回は、自分がプロダクトをローンチし続けた経緯、また、その開発のなかで出会った人たちと切磋琢磨をしていくなかで、個人開発ではなく、スタートアップとして本気で世界を獲ってみたいと思えるプロダクトに出会うまでの思いを書いていければと思います。

少し長くなりますが、アメリカや北米で勝負してみたいと考えている開発者、サービス作り大好きな方々に読んでもらえれば嬉しいです。

なぜバンクーバーなのか?

多くの人が思うと思います。 「カナダ?アメリカじゃないの?」

実は今、バンクーバーでは、IT人材をかなり優遇する制度が次々に出てきており、またサンフランシスコ程コストのかからない人材を求めてアメリカのテック企業がどんどんとバンクーバーにオフィスを構えています。 バンクーバーはサンフランシスコと時差がないため、リモートワークも含め働きやすいのです。

また、バンクーバーはスタートアップ文化も盛んです。

かつて人気だったSNSクライアントアプリHootsuite、今や多くの人が使っているチャットアプリSlackはバンクーバー発のスタートアップです。

アメリカほど生活コストがかからず、かつサンフランシスコと同じタイムゾーンで生活でき、スタートアップも盛んとなれば、選択肢としては十分ではないでしょうか?

バンクーバーでなら世界中の人が使うプロダクトに関われるかも

そう思い、バンクーバーを新天地に選びました。

Indie Maker (個人開発者とは)

個人開発者とは、その名の通り個人でアプリなどのプロダクトをつくり収益を得ようとしている人たちのことです。

海外ではIndie Hacker、Indie Maker、Bootstrapperなどと呼ばれています。

参考記事

代表的なメイカーを何人か挙げると以下になります。

Pieter LevelsNomad Listの作者。King of indie makersという印象です。ここでNomad Listの収入やユーザー数などすべて公開しています。Open Startupという思想ですね。MAKE: Bootstrapper's Handbookは自分の愛読書の1つです。
Andrey Azimov:上記参考記事でも紹介されていたメイカーです。コーディング初心者からプロダクトドリブンでひたすらプロダクトを作り続けてきた姿に胸を打たれる人も少なくないはず。
Hari KrishnaVisa Listの作者。旅行好きな人は知ってる人もいるのではないでしょうか?フィードバックをいただいたり、個人的にかなり助けられています。また最近彼がローンチしたSimple Opsにもお世話になっています。
Sergio MatteiMakerlogの作者。誰にでも見える形で作業ログを投稿出来るメイカーのコミュニティサイトです。ログというコンパクトな単位で投稿できるので参加のハードルも低くおすすめです。

海外ではこのようなメイカー文化が今とても盛んです。

個人開発者のコミュニティサイトもとても盛り上がっています。

有名ドコロだとIndie Hackers、超有名ドコロだとProduct Huntでしょうか(PHは個人開発者だけでなくスタートアップ、大企業含めたもっと大きなサイトです)。

特にProduct Huntでは、サンフランシスコ時間の深夜0時からきっかり24時間の間にどれだけ票を集められるか、というレースが行われていて毎日盛り上がっています。

プロダクトのMVPを作ったら、まずはProduct Huntに投稿してどれだけ票が集まるかで需要の有無を見たり、フィードバックをもらったりします。もちろん大量のアクセスも見込めます。

Product Huntでいかに上手く投稿するか(票を集める戦略など)が海外メイカーの間ではホットなトピックだったりします。

自分はこれらに加えて、TransistorのCo-founderであるJustin Jacksonが主宰するMegaMakerというコミュニティにも参加しています。入会金は約4万円でしたが、Justinはじめ、Tailwind CSSの作者Adam Wathanもいる有名なメイカーコミュニティです。おそらく自分が唯一の日本人だと思います。

学校に通いながら、放課後はアプリを書き続けた

実は大学生のときにワーキングホリデービザを使用してカナダに留学していました。

そのため今回の滞在では学生ビザしか選択肢がなく、一年間学校に通うことにしました。

4年間エンジニアとして働いてきたため、今更ITの学校に行っても学ぶことはほとんどなく、学校はビザのためと割り切り、授業中の可能な時や放課後は個人開発に費やしました(イタリア人に$600騙し取られたり、モンスター大家に出会ったりと、プライベートが大変すぎて本当やばかった)。

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晩御飯の定番は辛ラーメン。一時期ほぼ毎日お腹を下していたのですが、今思えばこいつが犯人でしょう

主な作業場所は図書館とカフェです。

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図書館は無料なので足繁く通っていましたが、何故か冬でも冷房が効いているので、外にいるときと変わらない格好でコードを書いていました。 たまに足元を爆走しているネズミにも構わず、ほぼ毎日閉館の21時まで図書館に籠もっていました。

個人開発者なら東南アジア!

当時のPieterやAndreyは東南アジアでノマドをしていました。 その様子を見ていると、「個人開発者といえば東南アジアでノマドや!」とどうしても思ってしまいます。 もともとバックパッカー旅をしていた自分にとって、デジタルノマドという生き方はとても魅力的に見えました。 そこで2019年10・11月の2ヶ月間、東南アジアでデジタルノマドをしてみることにしました。 

タイ、ラオス、ベトナムの3カ国8都市を2ヶ月かけて回りました。 上記3カ国は、全て既に訪れたことのある国だったので、少し観光しつつ 基本的にはホテル、コワーキングスペース、ホテルでコーディングをしていました。

数カ月間東南アジアでのマドをやるという折角の機会なので、少しでも情報発信してみようと思い GoProを買ってLive放送しながら作業したりしました。 

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ラオスのプールサイトでもコーディング

タイなどは、素晴らしいコワーキングスペースがとても多く、実際に多くの西洋のノマドが働いているのを目の当たりにすることができました。

バンコクのAIS Design Center、チェンマイのCAMPはとてもおすすめです。

この2ヶ月の生活を経て「こういう生き方もあるのか」と新しい世界を覗くことができました。

雨にも負けず、ひたすら作り続ける

上記記事にまとめてありますが、ユーザー数の影響が少ないSaaS系サービスならお金も稼げたかもですが、どうしてもコミュニティ系サイトばかり作ってしまい、人がなかなか集まらずクローズ、という一連の流れの連続でした。

また、途中で飽きてしまったり、途中でプロダクトを信じられなくなり、リリースにたどり着くことができなかったものも多くありました。 最初は「イケる!」と感じ勢いよく開発を始めたのに、数日後には「これはやっぱりダメだ、昨日思いついた別のアイディアに取り掛かろう」「やっぱりあのアイディア良かった気がしてきた。もう一回取り掛かろう」…。。。

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人間、どうしても完璧にしてしまおうとします。これから多くの人が見るかもしれないとなれば尚の事。

しかし、ローンチを繰り返していると、他人は、自分が思っていた程バグを気にしないこと、それよりも良い点をすごい見てくれることに気が付きました。

そこで思ったのは、

サービスの価値はユーザーが決めるもの

ということです。

なので、今ではリリースすること自体に意味があると考えています。 リリースするまで、そのプロダクトが価値のあるものかどうかは分からないのです。

自分が駄目だと思ってローンチを止めるのはとてももったいないです。ローンチするまでそのプロダクトがダメかどうかは分からないのです。

完璧主義に陥ってアプリをリリースを遅らせていると痛い目に合います…。

そんななか大きな反響を得たQAサイト、AskMakers

カナダに来てからというもの、プロダクトを作り続け、三振し続ける日々が続きました。

そしてついに、自分が初めて自信を持って世に送り出せるプロダクトを作ることができました。AskMakersです。

メイカー向けのQ&Aサイトで、個人開発やアイディアの出し方、最初の顧客の獲得方法等を質問できます(Quora for makersと自分は言っています)。

有名なメイカーに直接メールを送り、AskMakersにサインアップしてくれるようにお願いすることで、Justin Jacksonを始めとする数名のメイカーが実際に参加してくれました。

JustinにSlackでメッセージを送った時なんて、本当にすぐにサインアップしてくれ、さらにMegamMaker内でも宣伝してくれました。泣きました。

残念ながらサインアップまでは至らなかった方々も、とても暖かいフィードバックをくれこれは行ける!とさらに自信がつきました。

そしてついにProduct Huntにローンチすることにしました。 目標は、24時間以内に100以上のUpvoteを獲得することです。 目標を達成するため、記事を投稿できる掲示板やプラットフォーム、連絡できる知り合いにひたすら投稿、連絡しました。 自分が参加しているMegaMakerのSlackでもGeneral部屋でガッツリ宣伝しました(宣伝はそれ専用の部屋でやってね、と後にこっそりJustinに言われました笑)。

もしそれが良いプロダクトなら、お願いしなくても勝手にUpvoteしてくれるのだから、「Upvoteをしてくれ」と他人に直接お願いするのはやめよう。

上記のようなことを言うメイカーもいます。 しかし、当時の自分には綺麗事にしか聞こえず、全く無名なメイカーである自分は、そんな恥もプライドも捨てて知人にお願いしまくろう、と宣伝できるチャネル全てで宣伝するつもりでやりました。

以下。当時Product Huntでのローンチを宣伝するために書いた記事達です。

レースは深夜0時から始まるため、その日は殆ど寝られませんでした。

HariやJustin Jacksonがバグ報告をしてくれたり、これまた泣きそうになりました。

結果は103 Upvotes、その日のレースで世界第7位というにわかに信じられない結果で第一回Product Huntローンチは幕を閉じました。

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「ようやく出塁できた!」と実感できた瞬間でした。

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世界中からアクセスが来てるのを見ると、インターネットの力を感じます。

以下の記事で当時の様子をまとめています。

二回目の挑戦

第一回目のローンチから約10ヶ月、ついに二回目の挑戦のときが訪れました。 AskMakers 2.0のローンチです。

7月20日の深夜0時にProduct Huntにローンチすることに決め、準備しました。

具体的には、数日前に前もって、Preview HuntでProduct Huntに投稿する画像素材、文章などを書きました。 約3時間かかった…。

その他には、サムネイル画像での画像使用許可のため事前にメッセを送っていたり

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JustinとHari。みなさん優しい

また事前に、宣伝するチャネル、個人名全てNotionに書き出しました。

どれくらい拡散できるかがキーなので、リストアップは抜け漏れのないようにするのが狙いです。

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リンクも置いておきます

ローンチ1時間前の7月19日23時、 そわそわしながらリビングで経ったり座ったりを繰り返します。落ち着きがありません。

そして0時10分頃、ついにローンチ!!

目標Upvote数は200としました(前回のUpvote数(103)以下だったらどうしようと若干ビビっていた)。

Upvote数の遷移を見つつ、バグの報告がないか見たり、コメントが来たらすぐに返信できるようにしていました。

同時に、AskMakers 2.0を宣伝するために、各サイト向けの文章を書き、投稿しました。

具体的には以下のような投稿を書き、投稿していました。 (自分のブログ、dev.to、Mediumはクロス投稿です)いくつか紹介します。

特に運営者ギルドの方々は温かい言葉と共に助けてくださいました。ありがとうございました!

そんなこんなで朝5時まで起きていました。Product Huntに投稿したことがある人は分かるかもしれませんが、興奮していて全然眠くならないんですよね…。

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朝4時頃に撮った机。ここでPCにかじりついてました

ブラウザをリフレッシュするごとに上がっていく投票数を見ながら、LineやSlack、Messengerなどで知り合いの方にもバシバシメッセージを送り続けました。

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投票してくれる優しいJustin

ここまでご覧になっていただいた通り、自分はかなり泥臭いことをしています。

例えばPieter Levelsは8万人以上のフォロワーを抱えています。 彼が自分のプロダクトを世に知ってもらうのは、比較的容易でしょう。

一方で自分は、そのようなビックアカウントを持っているわけではありません。 インターネットでのプレゼンスが低い自分のプロダクトをこの世界に知ってもらうには、このように自分からグイグイ行く努力がかなり大事だと思います。

けんすうさん(ファンなので出しちゃいました)と自分、Twitterで宣伝してどっちが反響あるか、と想像していただけるとわかりやすいかもしれません。太刀打ちできる気がしないです。

個人開発者は、開発だけではなくマーケティング、セールスその他全てを自分でこなさなければなりません。

また、自分が今まで作ってきた思うのは、本当に大変なのは作った後だということです。 「さぁプロダクトを作ったぞ、ではユーザーはどこにいるんだろう?どうやって見つければ良いんだろう?」 作った後のフェーズが一番辛いです。

コミュニティへの貢献はスグに効果が出るものではなく時間がかかるので普段から意識して置いたほうが良いと感じました。 コミュニティに貢献することで、いざというときに自分の投稿にも反応してもらいやすくなります。

InkdropTAKUYAさんも以下のようにおっしゃっています。

開発:ユーザサポート:マーケティング = 4:2:4

2019年の活動成果まとめ・来年やりたいこと #DevAsLife | by Takuya Matsuyama | 週休7日で働きたい

ローンチの結果としては、24時間で255 Upvotesを得ることができました!投票していただいた皆様ありがとうございました!

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Product Huntのニュースレターにも掲載してもらいました!これから数日間はProduct Hunt経由でユーザーが来てくれそうです。

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就職への疑問

今まで一年間学校に通っていて感じたのですが、講師含め皆 「就職しよう」「就職おめでとう!」「それ就職に有利だからやったほうが良いよ!」 にように就職賛美が過ぎてちょっときつかったです。 学校側は就職させるために教えているので、事情は理解できるのですが笑

既に数年サラリーマンを経験しているので分かってしまうのですが、就職なんて別にゴールでもなんでもないですよね。

そして昨今はCOVID-19で就職市場はかなり荒れているように感じます。

留学生の立場で言うと、その国の人達ですら解雇されている状況で、移民が職を得るのはかなり困難な状況になっていると考えられます。

本当に就職にばかりしがみついているのは正解なのかな、と疑問に思ってしまいます。

海外でスタートアップとして挑戦してみたい

私は、最近自分の中で感じているものがあります。それは個人開発の限界です。

目標を決めるのも、諦めるのも自分次第です。 締切や、実装する機能も全て自分で決められ、特にお金が絡むこともないので、いつでも自分で妥協できてしまいます。

今まで多くのプロダクトを作ってきて、「個人開発で取り組む限り、趣味の域を出ないな」、と感じました。 個人開発という状態で自分のプロダクトをビジネスに発展させる覚悟で作るのはとても難しいと、体感しました。

ステークホルダーが自分しかいず、ただ一人でプロダクトを作り続けることの天井が見えてきてしまった気がしました。

また、個人開発は自分ひとりが行きていける規模の金額を稼ごうというコンセプトが強いように感じ、その規模の小ささにも少し疑問がありました。

そんなある日、Anyplace内藤さんの以下の投稿を見つけました。

サンフランシスコでスタートアップをやりたい人にとってはかなりのチャンスだと思いました。 これは逃せない!、と思い実際に内藤さんに連絡を取りました。

一ヶ月以内サンフランシスコに来ることが必須なのですが、COVID-19の影響で現在カナダ、アメリカ間の国境は封鎖されています。 今アメリカに入国するのはあまりにリスクが高く、これは単なる無謀でしかないと思い断念しました。

しかし、この投稿は自分に起業を意識させるのに十分過ぎました。

その後、いつも相談に乗ってもらっているRemotehourしゅんさんに相談に乗ってもらい、サンフランシスコでやれなくてもバンクーバーでスタートアップしてみれば良いんじゃないか?という話になりました。

これでますます起業に心が向き、その後、加藤相談会と称してWaffleさっそさん中屋敷さん等サンフランシスコで起業している同年代の先輩起業家方にも、色々お話を聞かせてもらいました。

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サンフランシスコの先輩起業家たちに相談にのってもらっている図

AskMakersをローンチして、多くのフィードバックや反響を得ることができました。 それによって、自分でも海外で戦えるんじゃないか?と考えるようになりました。やるかやらないか、それだけなのかもしれません。

「自分のプロダクトとビジネスで、世界で戦う」なんて機会、いつでも得られ実行できるものではないと思います。

助けてくれる仲間がいて、まだ自分が元気なうちに、やりたいことに挑戦したいと思います!

AskMakersを通して、個人の失敗や経験を集めた互助コミュニティを個人開発の分野だけでなく、ビジネス全般に浸透させ、私が西海岸で色濃く感じたペイフォワードな場所を作って行ければと思います。

共感していただける起業家、投資家の方、読者様、@taishikat0_Jaにリプいただけると嬉しいです!

20代フルコミットでやります(もう28歳だけど)!

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全カナダが泣きました。ありがとうございます!
新卒ヤフー→4年で退職→バンクーバーのスタートアップでフルスタックエンジニア。 たまに東南アジアでノマド。