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自分は自分にしかなれない

「努力すれば、何者にもなれる。」この言葉たまに耳にします。

しかし、これについて私はあまり共感できません。

これまでの体験から自分じゃない何かになろうとしたときには成果が出ないことを知っているからです。

今回が私の過去の経験から学び考えたことを伝えます。

消防士になったのは救助隊に憧れたから

消防士になろうと思ったのは、漠然と「人生をカッコよく生きたい」と考えたからです。

大学4年の頃、カッコいいと思う生き方がありました。

それは、舞台役者兼ラッパーになることでした。

これは間違いなく、自分の本音でやりたいことでした。

しかし、この頃の私は世間体や大学まで進学した意味など、打算的に物事を考えてしまい、「自分軸」ではなく、人から見た見え方で人生の選択をしてしまったのです。

それは、消防に入って救助隊として活躍するという理想

「他人軸」での判断でした。

そして、この他人軸で決めた人生の選択は後から大きな違和感となって襲いかかってきたのです。

救助隊はおろか消防自体向いていないと気付く

消防に入ると最初の半年間は全寮制の消防学校という教育機関に入ります。

私はこの時点で違和感を感じ始めました。

「あれ、なんか、しんどい。」

肉体的には問題はありませんでした。
異常をきたしたのは精神の方

規律や人と同じことを強制的にやらされる環境が私にはほんとに合わなかった。

ましてや、救助隊は「消防の中でも極右」であり、最も消防らしい集団なので私にはなれるはずもありませんでした。

現場に出てからもこの違和感はなかなか拭えず、つらい日々を過ごしました。

まるで、海水魚が池に放り込まれたかのように、「おれの居場所ここじゃないよなあ。」といった感じでしんどかったです。

転機は予防課への人事異動

この異動が人生のターニングポイントと言えるぐらい、大きかったです。

予防課といえば、24時間勤務ではなく、普通に市役所の方々と同じように月曜日から金曜日まで働く部署

仕事内容は色々ありますが、ざっくりいうと、火災予防に関する法律を学んで規制をしたり、予防広報といって人に伝えたりするイメージです。

今までの現場は部隊活動が大前提で裁量なんてありませんでした。

それが、予防課にきて驚きました。
「同じ消防士なのにこんなに違うの⁉」と

基本的には自分で学んで、自分で考える。
そして、広報の仕方も人それぞれ。

裁量の多さに驚き、しがらみから解き放たれた感覚でした。

とにもかくにも、私はこの環境が合っていました。

消防に入って初めて自分らしく働ける場所を見つけられたことがなにより嬉しかったです。

自分のフィールドで勝負することが大事

予防課に異動してからは、ほんとに変わりました。今までは自分は社会不適合者なんだろうなと、自信をなくしていたのですが、「自分意外とやれるんだ。」と180度回復しました。

そして、ここから言えることは、
何か成果を出そうというならば、自分の得意が生かせる場所にいくべき
ということです。

これは、私みたいな偏った人間であれば特に強くいえることだと思うのですが、割と誰にでもいえることだと思います。

世の中なんでもこなせるスーパーマンもいますが、大抵の人はそうではないですよね。だったら、苦手なことに自分のリソースを割くのはもったいないです。得意なことに注力しても、結果が出るとは限らないのですから、苦手なことを頑張ってできるように努力しまくるのは効率が悪いです。

それと今回一番伝えたかったことはこれです。

何者かになろうとしない

結局、人間自分と全く得意特性が異なる者になることはできないということなんです。

スラムダンクのワンシーンで魚住が、山王工業の河田にボコボコにされ、戦意喪失する赤木に対し、「河田は鯛、お前はカレイだ。赤木よ 泥にまみれろよ。」言っていました。

あれこそ、キャリアの本質が詰まった一言だなと私は感じました。

華麗な技を持つ河田、スキルでは赤木は到底かなわない。しかし、自分を犠牲にして仲間を生かすことで、赤木は河田率いる山王工業に勝つことが出来た。

河田の土俵で戦わずに、自分らしく戦ったことで成果をあげられた。

キャリア戦略もこれなんだと思います。

何者かになろうとせず、自分を知り、それを最大限に生かすことに注力する。それが出来たときにはじめて成果がついてくるのだと私は考えます。

この記事を読んでくださりありがとうございました。




 


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