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【神主さんに学ぶ】第一回オンライン神道講座

神主として、ホトカミ さんのご協力のもと、オンラインで神主さんに学ぶ神道講座というテーマでzoomを使ってお話ししました。

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神職は、神道を言挙げせずと表現します。

言挙げせず、つまり言葉で特別に取り立てて述べることをしない。神道では、歴史的に言葉で語ることよりも、言語化できない感じる力を大事にしてきました。

実際に、講座後の質問にも、「僧侶と比べて、神職の方はオンラインイベントで、お話される機会が少ない」とあったように、言葉で語ることが少ないことが現状です。

背中で語る美徳も素敵ですが、言葉が必要とされる場面もあると思います。

今回のコロナ禍の影響から、神職だからこそできることについて悩まされました。早期終息を祈ることは、神職の本分です。同時に、皆さまと心を通わせ、神道について私の想いを伝えることも、神職だからこそできることだと感じ、今回のオンライン講座を企画しました。

お話しする中で気づいたことは、神道という概念に対する知的好奇心以上に、私が感じる神道観に興味を抱いている方が多いという印象でした。

Shinto Moment

5_30 オンライン神道講座

一番反響があった内容が、Shinto Momentです。

私が、フロリダのモリカミ博物館にて神道の講演をした際に出会った79歳の弓道家がこんなことを教えてくれました。

「たいし、どうしたら神道を世界中の人に理解してもらえると思う?」

すると、彼が撮影した自然風景の写真が掲載されている本を取り出し、

「あなたは地平線を見つめ、新鮮な海のそよ風に深く息を吹き込み、あなたが生かされていることに対して感謝したことはありますか?」

「この感覚こそが、Shinto Moment」と表現されました。

神道では、人間が中心という概念はありません。

日本最古の歴史書である古事記には、人間を青人草と表現しています。

青人草とは、「青草のように繁茂し生きている人々」という意味を表しています。この言葉を見ると、人間も自然の一部であり、人間と自然は共生してきたことを感じさせられます。人間は自然の恵みによって、生かされていたのです。

おかげさまで生かされていることに感謝する気持ちが沸き起こること。

この感覚は日本だけではなく、普遍的な感覚であり、国境を超えて繋がっていくのです。

フロリダには神社がありませんが、79歳の弓道家のおじいちゃんは、Shinto Momentsを日々体感しているのです。

神職として歩んでいく上で大切な教えをいただきました。

オンライン講座で、皆さまの心に響いたということは、Shinto Momentsは日本人にも根付く本物の感覚だと証明されました。フロリダから伝えられた人間として誰もが抱く、生かされているという感覚をもっと共有していきたいと強く思いました。

おうちでShinto Moment

神社へ参拝が叶わない状況において、おうちでできる神道習慣についてもご質問をいただきました。

家で食事を食べる機会が必ずあると思います。その際に「いただきます」と感謝を込めて言うこと。誰でもいつでもできる習慣です。

「いただきます」とは、自然からいのちをいただいていることへの感謝の気持ちを表現しています。

現在も神道の修行においては、食前と食後に歌を読みます。

「たなつもの 百の木草も あまてらす 日の大神の めぐみ得えてこそ」と食前に読みいただきますと唱えます。

「朝よひに 物くふごとに 豊受の 神のめぐみを 思へ世の人」    と食後に読みごちそうさまと唱えます。

前者は、太陽や大自然の恵みによって、毎日の食事がいただけるという意味です。

後者は、毎朝毎晩の食事ごとに神様の恵みをいただいていることを思い起こすと良いという意味です。

つまり、日本人は、自然とともに生きる事で、その恩恵に感謝し、いのちの有難さを感じながら、生活を営んでいました。

この習慣はおうちでできるShinto Momentだと思います。

食事を買い、調理し、大自然の恵みをいただくことに感謝する。知っているけど、改めて意識を向けて「いただきます」と唱えることで、よりありがたみを感じられるのではないでしょうか。

第2回オンライン講座

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初めての試みで不安もありましたが、「ありがとうございました」「またぜひやっていただきたい」という有難いお言葉をいただきました。

神社でご奉仕していると、社務に追われゆっくり参拝者と対話できないことも、オンラインで時間を設けることで、正面から向き合えることは、私にとっても貴重な時間です。

一回限りの神道に関する知識を学んでいただく講座ではなく、継続することで、より心豊かな生活に繋がっていくよう、テーマを変えながらお話したいと思います。

次回開催は、7月2日(木)20時から「神主さんに学ぶ!神社参拝を楽しむ方法」という題材でお話しします。

日本人の心の拠り所としていつもそばで見守ってくれていた神社には、大きな力で包み込み、ありのままの自分で居されてくれます。

神社という空間の神秘性や参拝の具体的方法を皆さまにご紹介し、神社の魅力を一緒に探求したいと思います。

詳細は以下よりご確認ください。

少しでもご関心があれば、ご気軽にお申し込みください。ご質問ができる時間も設けておりますので、神社について疑問に思うことをなんでもお聞きください。


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