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売れることから全てが始まる

近年、ものづくり業界全体でストーリー重視の流れがあります。

また伝統工芸の業界でも、売れなくてもいいから、まずストーリーや思いを伝えるというのが大切という人が最近増えています。その重要性もわかりますが、こう言っている人達が生産者側であることが少ないと感じます。

つまり、外から見るのと、中から見るのとでは実状が大きく異なります。ストーリーや思いを知ってもらうことの大切ですが、もっと大事なことがあります。それは物が売れることです。

職人やメーカーという生産者の立場であれば、作った物が売れることが一番であり、売れることで知ってもらうことに繋がり、そこから人を雇ったり、新しいことにも挑戦できます。

つまり、売れることから全てが始まります。


売れないとスタートラインにも立っていない

ストーリーや思いを伝えるというのが大切さも勿論わかります。ただ本質的には多くの人に長く使われることがものづくりではかなり大事なことなので、売れないとそのスタートラインにも立っていません。

ストーリーや思いを伝えるというのはあくまで付加価値であり、職人さんやメーカーからすると歴史の積み重ねであり、大事なのは物自体にあります。生産者側からすると、いかに物を突き詰めるか、いかに売るかが最も重要なことになります。


多く長く使われることがものづくりの本質

やっぱり使われてこそのプロダクトです。もっと言えば、ストーリーや思いを伝えることは、多くの人に売れて長く使われるプロダクトこそできると思っています。

使わないと良いのか悪いのか、伝わらないことの方が多いです。使っていくうちに美しさや機能性の良さに気付くこともあります。

「百聞は一見にしかず」という諺もありますが、プロダクトの場合は「百見は一使にしかず」と言えるかもしれません。実際に触って使ってみることで、知り得ることの方が圧倒的に多いです。


売れすぎて困るという状況はほぼない。

一部の人が売れすぎたら困ると言っていたので、しっかり言っておきます。

売れすぎた方が絶対良いです。

売ったら売った分だけマイナスというものづくりではなく、ちゃんとした価格付けや利益を確保できるモノづくり前提での話です。

生産が追い付かない、忙しくて手が回らないという状況が短期的にあったとしても、作った分だけ売れるのは理想的だと言えます。

入荷待ちや予約販売などになれば、作る側としても販売する側としても嬉しいことでしかありません。作る量も増やせるし、作ったものは必ず売れます。売れなくて困るより、よっぽどましです。

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