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コロナの影響で、地場産業や伝統産業はどうなるか。ピンチかチャンスか

コロナの影響はものづくり業界、伝統産業にも影響が大きく出てきています。

具体的に言えば、新商品の発表でもある展示会が無くなり、バイヤーや新規取引の開拓が出来なかったり、百貨店などで行われる伝統工芸の催事が中止になり、販売自体が急激に減ったりしています。

この自粛や不況が続いていけば、必需品以外のモノは売れにくくなって、小さな地場産業はさらに苦しくなっていきます。この影響で倒産や廃業が加速してしまうのかも知れません。

この自粛中に売り上げが伸びないことは、一時的に経営は厳しくなります。一方で今後の新しい売り上げを作るために、新しいアプローチや商品を考える時間ができます。

つまりピンチであると、同時に大きなチャンスだとも言えます。


①海外に流れていた仕事が戻ってくるチャンス

日本にとっては中国・海外に流れていた仕事が、地場産業に戻ってくるチャンスだと言えます。元々、需要減少から価格を抑えるために、日本の拠点から海外へと生産拠点を移したという背景があります。

価格を抑えられる一方、海外情勢や輸送の問題、技術力の問題など、様々な問題がはらんでいると分かります。そして今コロナの影響で、海外での生産にはリスクがあり、いざという時に生産が出来ないということも学びました。

これを機に海外に流れていた仕事を日本に戻すチャンスだと言えます。これを一時的なものとせず、需要として変えていくことができれば日本の地場産業ももっと盛り上がると信じています。


②別の売り方を考える良いチャンス

この自粛の中では、現状の販路の売り上げは下がっていく方が多いかと思います。現状よりも下げないことも大事ですが、それ以上に新しいプロジェクトや商品を考えることが重要です。

この自粛は一時的なものです。今までの売り上げは時期に回復しますが、今考えた新しいプロジェクトや商品は、今後の新しい売り上げの柱になり得ます。

例えば、作家さんにとって陶器市で一年の収入を得るぐらい大きな仕事なので、そこが中止になると生計にもかなり大変です。そこで、オンライン陶器市も良いと思うし、別の売り方を考えるチャンスだと言えます。

益子の陶器市は、バーチャル陶器市みたいな取り組みをしています。オンライン販売というより、セカンドライフっぽいですね。こういうときにVRとかARとか用いると面白そうです。

今年は売り上げは下がるかもしれませんが、来年以降はこの新しい取り組みの分、売り上げは増えていきます。


③新商品開発をするチャンス

先程も書いた通り、新商品開発をするには良い時期だと言えます。今までの販路以外にアプローチする商品を考えたり、新しいコンセプトの商品を考えることが、今後の新しい売り上げを作ります。

今既存の売り上げを下がっていくことを食い止めると同時に、今後のためのアイデアを考えていくことが重要になっています。


④今こそアピールするチャンス

伝統工芸は家の中で使うものが多いし、逆に今こそアピールするチャンスだと言えます。自粛中は家にいる時間が多い分、見てもらう時間も使う時間も今まで以上に多いはずです。

こんな時に伝統工芸のレンタルやお試しをするのも良いかも知れません。もしくはYouTubeを始めて、知ってもらう方法を模索するのも良いかも知れません。伝統工芸やものづくり系のメディアの方々は、このご時世でロケや取材が出来ないと思うので、発表する新商品を取り上げてもらうなども良いかも知れません。

自分も5月に山中漆器と江戸木目込人形の2つ、6月以降も続々と発表する予定です。ぜひ取り上げて頂けると嬉しいです。


作ることも売ることも辞めたら、元に戻れない

今は時期が悪いからと言って、作ることも売ることも辞めたら、元に戻れません。逆にこんな時期にでも買ってくれるお客さんを大事にしていくという方向になるのが良いかと思います。

もう元には戻れないから、新しく作り直すというのが正しいかと思います。やめてしまうと作り直すのも難しいです。


最後に

チャンスも多くありますが、一時的な自粛のせいで、倒産や廃業になってしまう工房や工場があるかもしれません。

そうなる前にどうにかできないかと考えています。いま直接会いに行くことは出来ないけど、オンライン上とかでの相談はいつでも受け付けています。

他に出来ることは無いのでしょうか。noteに書いても、読んでる人はかなり限られているし、届いてほしい人には届かないかもしれません。アナログ的な方法かつ、人に会わないし現地にも行かないという方法を見つけたいと思います。

こちらでサポートして頂いたものは、日本の伝統工芸・モノづくりのために使わせて頂きます。