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中学のブラスバンド部の思い出 #08

                       テール

◆小中合同音楽祭

 中学1年のとき、僕が卒業した
小学校との合同音楽祭が中学校の
体育館で行われた。

 小学校の音楽は女の先生に教わっ
た。
その音楽の先生が、小学生を連れ
て、学校の体育館に来ていた。

 小学生の音楽発表の詳細は忘れ
たが、オルガン、リコーダー、鍵
盤ハーモニカだったような記憶が
ある。

 小学生の発表が終わると、いよ
いよ僕達の発表の番だ。
 譜面台と楽器を持って、舞台の
上に進み、椅子に座る。

 舞台から見下ろすと、小学校の
音楽の先生がパイプ椅子に座って
こちらを見ている。

 僕が卒業した小学校は各学年で
2クラスしか無い、小さな学校だ。
教え子の顔は憶えているハズだ。

 僕は内心、ドキドキしていた。

 顧問の先生が現れ、舞台上から、
聴衆のみなさんにお辞儀をする。
 そして、こちらを向いて、先生
の指揮棒が上がる。
 先生が指揮棒を振り、演奏が始
まった。

 小学校の先生は、演奏をしてい
る子の中に、かつての教え子がい
るのを発見したと思う。

 小学校の音楽の成績が"2"で、
カスタネットしかできない子が、
中学校で吹奏楽をやっているのだ。

 僕を見て、驚かない訳はないと
思うが、当の先生に確かめたわけ
では無いので、本当の所はわから
ない。
 きっと、驚いたハズだ。
と、おもう……。

 人生、どうなるか分からない。
音楽はできないし、勉強もでき
ない僕が音楽をしている。
自分でも驚きだ。

 遅まきながら、やる気に成れ
ば、なんでも出来るんだという、
自信がわいてきた。

        つづく

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