大森きりん

ロシア文学、聖書などに強く関心があり、 主に読書の備忘の為、noteを始めました。

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最近の記事

トルストイの民話/トルストイ(ロシア)

「戦争と平和」を書いたロシアの文豪トルストイによる珠玉の短編集。神は愛である――と喝破したトルストイならではの思想が、民話の装いを借りて、美しく力強く語られます。【福音書館HP】  福音書館より、小学校上級以上向けの童話として出版された、トルストイの民話集。”キリスト”とは何か。人の正しい生き方とは何か。労働とは何か。人生における根源的な問いを民話という平易な言葉、素朴な物語を用いて、表現している。  物語の前には聖書の言葉が掲げられ、聖書の言葉を深く理解するための物語と

トルストイの民話/トルストイ(ロシア)

    +2

    木② イチョウ

    木② イチョウ

    小さな出版社のつくり方/永江朗

    小さな出版社のつくり方/永江朗

    ひとり出版入門/宮後優子

    ひとり出版入門/宮後優子

    +4

    木① エンジュ

    木① エンジュ

    +3

    カラマーゾフの兄弟(1879)/ドストエフスキー(ロシア)①

    はじめに 20代前半に初めてこの本に出会い、この上なく強い印象を受け、読む時期があったり、無かったりしたものの、精神的な側面から言えば、文字通りの”聖書のように”、いつも自分の傍にあったこの小説について、 いま思い浮かぶ限りの、断片的な記録を書きたいと思う。 あらすじ あらすじではないですが、まず作者が意図していたこの小説の位置づけについて… つまり、私たちが手にするこの”カラマーゾフの兄弟”は、主人公のアレクセイ(以下:アリョーシャ)の伝記として綴られる大長編の前半

    カラマーゾフの兄弟(1879)/ドストエフスキー(ロシア)①

    旧約聖書-創世記

    旧約聖書-創世記

    メモ:虫を殺さない心理

     小さな生物、花や草木のいのちを想う事。 それは一体の小さな昆虫の神秘的な生態から見出しうるものだけではなく、自然全体の美しさを感受し、それをその昆虫の内に見出すことからもある。  自然全体を人がその全てを眺める事ができないような大きな機関だとする。それはそれ以外には考えられない程の完成された美しさを持つもの。小さな虫はその機関における、小さな一つの歯車。この歯車は美の完成の内にいて、人はこの壮大な機関の恐ろしい程の美しさを感じることができれば、たちまちその小さな一つの歯車さ

    メモ:虫を殺さない心理

    貧しき人々(1846)/ドストエフスキー(ロシア)

    貧しき人々(1846)/ドストエフスキー(ロシア)

    100分de名著/若松英輔

    100分de名著/若松英輔

    罪と罰(1866)/ドストエフスキー(ロシア)②

    記事①の続きです↓ 感想  記事①で書いたように、私はこの全体として陰惨な物語、つまり殺人、病的心理、貧困、奸計に関わらず、その中で太陽のような輝きを見せるこの男、ラズーミヒンに強い愛着を覚える。  独自の信念をもって、彼らロージャ(ラスコーリニコフ)一家を支えようとする彼の存在は、この物語の終盤に描かれる殺人者の更生の始まり、また貧困の一家の再建のほんの前触れとして、物語の中に差す一条の光とも言える。 "階段からまっかさかさま”ラズーミヒン  これはあるシーンで、ラ

    罪と罰(1866)/ドストエフスキー(ロシア)②

    聖書がわかれば世界が見える/池上彰

    あとがきでご本人が書かれているように聖書を読む手引きとなる内容。 旧約聖書、新約聖書よりなる聖書の概略とユダヤ教、キリスト教、イスラム教の違いなど、基礎的な知識を”アブラハムの宗教”の歴史とともに、まとめている。

    聖書がわかれば世界が見える/池上彰

    罪と罰(1866)/ドストエフスキー(ロシア)①

    ドストエフスキー罪と罰は、私の大好きな小説の一つであり、物語の中でも印象深いシーンが多数ある。その魅力について全て綴るとなると、小説写経のようになってしまう可能性がある為、特に印象深い事項に絞って、書き綴ろうと思う。 あらすじ  貧乏な元大学生ラスコーリニコフは一つの執拗な空想に囚われる。 悪名高い高利貸しの老婆を殺し、その多額の資産を奪い取ることで自身の偉業の第一歩とする。その奪い取った金によって、自身が多くの善行を成し遂げるのなら、それはその立派な偉業の中の手段に過ぎず

    罪と罰(1866)/ドストエフスキー(ロシア)①