忘却と記憶と死
人はなぜ忘れ、なぜ覚えているのか?
人は何を忘れたくて、何を覚えていたいのか。
それにはどこか死が関わっているような気がしている。
あるとき、じぶんより長く生きている親しい人がはたと動かなくなる。
またあるときにもまたその親しい誰かが動かなくなる。
そうすると気付くわけです、じぶんもいつか必ず死ぬのだと。
でも「じぶんもいつか死ぬ」という思いって、実際に誰かの死を目の前にしたときは強く強く残るけど、段々ぼんやりしてきます。
「じぶんもいつか死ぬ」は忘れたいことなんです、おそらく。
そして反対になかなか忘れないこともあります。
それは親しい誰かの死を目の前にしたときの、その親しい誰かのことです。
あれは寒い日だった、夜だった、お風呂上がりだった、いくつの時だった。
というように「親しい誰かの死」というのは、人は記憶に残したいことなのだと思うのです。
人は忘れたいことも覚えていたいことも、実は死に関することで、生きている、生きていくというのは、もしかすると、この繰り返しなのかもしれないですね。
なぜ忘れるのか?
なぜ記憶するのか?
それは生きていくために必要なことだからなのです、きっと。
今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。
覚えられないとか忘れられないはどちらもきびしいでしょ?
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