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行動・ミクロ経済学:時間選好率(国家I種・改)

時間選好率の概念は、行動経済学、ミクロ経済学だけでなく、セルフコントロールの心理学、脳神経科学、進化生物学などにおいてもちいられるので、経済学における基本概念を計算して理解しよう。







上記の最後の考察の部分について、定性的に解説をしておきます。
現時点での貯蓄が正の場合を考えてみましょう。利子率の上昇は、実質的に所得が増えたことになるため、現在の消費を増やしてしまってもよいことになる効果があります。この効果は貯蓄を減らします。この効果は「所得効果」と呼ばれています。一方、利子率の上昇は、現在の消費を増やして貯蓄を減らすことの機会費用を増やしてしまいます(「今お金を使わなければもっと増やせる、という度合が増える)ので、今はがまんしてお金を増やしてから後で使おうという傾向を強めて貯蓄を増やす効果もあります。この効果は「代替効果」とよばれます。そのため、合理的な意思決定者において、利子率が上昇すると貯蓄を増やすか減らすかは、この2つの効果の大小で決まるのです。




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