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大学教員公募戦士:10年ルール

非常勤講師を「専業」とせざるを得ない先生がいらっしゃることも承知しております。非常勤講師として、常勤の先生とはくらべものにならないくらい講義をご担当し、しかも安い給与ということも存じ上げております。

恐ろしいのは、10年経ったら常勤へ転換するのではなく、そこで11年目の契約をしないという選択を大学はしてしまうことです。このことは理化学研究所などで大きく問題として取り上げられましたのでご存じの方もいらっしゃると思います。


大学には金がない

大学経営はボランティアではありません。それなりに収支が安定していなければなりません。もちろん「学問」そして「研究」には、お金だけの尺度で測るのには無理がある分野があります。しかし、現在の大学ではそうも言っていられない事情もあります。

となると、本来正規雇用のために存在したはずの10年ルールは、逆に10年で非常勤講師としての契約を打ち切るという目的をもつことになります。固定費をさげつつ、柔軟な大学としての組織構成員の編成を実現するためには、なるべく少なくかつ優秀な教員をとにかくぎりぎりで回すことがもっとも効率が良くなるわけです。

非常勤の先生は、どうも二種類いる

本当にポストがない非常勤の先生はいらっしゃいます。こちらの場合は想像がつきやすいと思います。よくニュースになる先生方と言ってもよいでしょう。

しかし、一方で「純粋に研究を楽しんでいる」という非常勤の先生もいらっしゃいます。退役軍人会が知り合った方に複数いらっしゃいますので、ほぼ間違いないかと思います。

とてつもなく実家が太い非常勤の先生

後者の先生は、そもそも「非常勤の先生」として勤務する必要はありません。理由は自らの実家が太い、またはパートナーの実家が太いからなのだそうです。

貧しいところから這い上がってきたと自負する(?)退役軍人会からは、本当にうらやましい限りですが、これもまた現実の一つだと思います。

では、前者の場合はどうしたらいいのか?

とにかく研究をしてください。非常勤の先生方は確かに収入面では非常につらいところがあると思いますが、常勤の先生とは決定的に異なる部分があるます。

例えば、大学の長期休業期間の過ごし方です。常勤の教員になりますと授業から解放されたと思ったのもつかの間、高校訪問や地域連携、さらに入試業務と次から次に仕事が回ってきます。「先生っていいですね! 夏休みとかあるんでしょう」という心無い一言で○意を抱くレベルで仕事が回ってきます。

非常勤先の大学図書館も使ってよい場合もあるかもしれません。このような環境を活用し、業績を積み非常勤として積み上げてきた教歴をもって公募戦線を勝ち抜いて欲しいと願っております。

(ここからは投げ銭用の短文です)

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