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聖夜に訪れたかけがえの無い教え

子供にしか見えない世界

2人の子供がいた。
1人は7歳の女の子、
一方もう1人は5歳の男の子。
2人は兄弟。
7歳の姉がふと、
「昨日の夜、足音が聞こえた」
と廊下のほうを指さした。
それを、遠くを見ながら聞く5歳の弟。
姉は続けて、
「赤い服がチラッと見えた、サンタさんだ」
わたしは、軽く笑った。
すると、5歳の弟が、
「僕も窓の外で赤い服を見た、手も見えた」
と続けた。わたしは、おっ、と驚いてみせた。
姉の方に目をやると、
「そうそう、窓の外でもみた。」
と、弟の話に頷いた。
ベットの横の窓に、夜中起きてひざまずき、
窓の外を覗いたというのだ。
先に弟がいて、そのあと姉がきて一緒に見たと。
とはいえ、2人はわたしの隣で寝ていて、
ベットから起きた形跡はない。
部屋の中の足音も、
わたしが夜中トイレに行ったものだろう。
しかし、2人の純粋無垢な目には、
まったく嘘偽りはないように思えた。
2人はそうそう、とうなずき合い、
窓の外でサンタをみた、
トナカイをみた、
リンリンと聞こえたと、
話を膨らませている。

現実と理想の境界が、あいまいで
そもそもそんな境界なんてものは、
存在しないのではないかとも思わせる。
聞いているわたしもまた夢見心地になった。

理想と夢を心のなかで強く願うことによって、
それはあたかも現実のようになり、
本当に現実になる。
そう教えてもらった。
彼らはすこやかな眠りの中、
夢を共有し笑顔に満ちた夜を
2人で過ごしたのであろう。

信じれば、信じ続ければ、
夢は叶う。

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