見出し画像

最高のミーティングを作る技術「ファシリテーション」について超訳解説します

僕たちはこれまでに、いったいどのくらいの数の「つまらない会議」をこなしてきたのだろう。

そもそも会議は「会って議論する」と書くのに、議論どころか退屈な報告会のような会議が世の中にはあふれている。

今回紹介するファシリテーションという方法を使えば、ダラダラと続いて意味を感じないダメ会議を最高の会議に変えることができる。

いやすごくない?
そんなことができちゃうなんて。

そしてこのミラクルを起こせるスーパー人間のことを、人はこう呼ぶのだ。
ファシリテーターと。

今回はこのファシリテーションという技術をできるだけ読みやすく伝えられるようにこの文章を書いた。

だからこの文章を読み終わったとき、あなたは確実に変身しているのだ。
ミラクルを起こせる、スーパーファシリテーターに。

これを聞いてワクワクしてきたあなた。
さぁ、学びの旅に出かけよう↓

1.大いなる裏方

ファシリテーションは会議やミーティングをうまく進行する技術だと聞いて、勘違いをする人が多い。

「会議をひっぱっていく凄まじいリーダシップが必要」
「話し合う内容に詳しい人でないとできない」
「自分の意見をはっきり持っている必要がある」

たしかに、最初はこういったイメージを持つかもしれない。
でも、これらのコメントは、ファシリテーションの本質を考えると、ちょっと勘違いをしていると分かる。

ファシリテーションで大事なのは、会議やミーティングの場で、いい空気を作ること。そこで気を付けておきたいのは、場の空気を作るのはファシリテーターじゃない。あくまで、参加者が場の空気を作るってことだ。

つまりファシリテーターは、参加者がいい空気を作るのをお手伝いする役割なのだ。

そう考えると↓

・会議をひっぱっていくのは参加者なので、リーダシップは必要ない。むしろ必要なのは、空気を読んで、整える力。
・話し合う内容は参加者が知っている内容なら、ファシリテーターが詳しく知らなくてもいい。
・ファシリテーターが意見を言う必要はない。ファシリテーターは意見を出しやすい環境をつくって、意見をまとめやすい場を整えればいい。

ファシリテーターが前に立つことはあるが、ファシリテーターが会議をひっぱっていくんじゃない。会議をひっぱっていくのは、あくまで参加者なのだ。

ファシリテーターはそうやって参加者が会議をひっぱっていくのをお助けする、大いなる裏方なのだ。

2.敵は、よくわからない会議

最高の集会を開催したいあなたにとって、一番の敵は「よくわからない会議」です。ダラダラとした無駄な会議は、この「よくわからない」という状態から生まれます。

「私、今日ここに来た意味ある?」
「言いたいことはあるけど今しゃべっていいの?」
「長いこと話しているけど、結局なにが言いたいの?」
「あと何時間続くの?まだ時間かかりそうだな~」

ちょっとでも油断するとそのミーティングはたちまち、「よくわからない会議」になってしまします。

でもご安心ください。
ファシリテーションを作り上げた偉い人たちは、この「よくわからない会議」に打ち勝つための素晴らしいツールを考えてくれました。

それがこの、OARR(オール)です!

え?なんやそれ。
はい。説明しますね。
OARR(オール)とは、下にあるように4つの頭文字をとったものです。

O(Outcome):目的。なぜ集まったのか。
A(Agenda):アジェンダ。今日の流れ。
R(Role):役割。参加者やスタッフは何をするのか。
R(Rule):ルール。会のお約束、参加者の心得。

船をこぐときに使うオールという道具とかけたダジャレですね。はい。

船の進路を決め、前に進むために使うオール。これと同じように、会議の進路を決め、会議を前に進めるツールであってほしいという想いがこめられているのです。

このOARRを、ミーティングの最初に共有しておかなければ、残念なことになってしまいます。これ、めちゃくちゃ大事なポイントです。順に見ていきましょう。

Outcome(アウトカム)とは、今日の会議で達成することです。これがないと、会議に来たのはいいけど、特になんの重要性も感じられず、ただただ時間だけを浪費して終わりになってしまします。

 今日は交流のための会だから、目的なんて重苦しいものは必要ない!という場合でも、「みんなと仲良くなる」という目的がきちんとあるのです。
暗黙の了解という言葉もありますが、最高の会議を目指すあなたは、声に出して目標を共有しましょう。集まりの質が変わります。

Agenda(アジェンダ)とは、ミーティングの流れです。

「13:00に始まって、14:00に終わる。そのうち13:30までは前半で、○○をします~」というように説明できるといいですね。あらかじめ予定表を作っておくと効果的です。

 「日本人は会議の開始時間は守るのに、終了時間は全然守らない」という話をよく聞きます。アジェンダを決めておけば、終了時間を意識して効率のいい話し合いができるようになって、会議の満足度がぐっと高まることでしょう。

Role(ロール)とは、参加者の役割のことです。ロールキャベツではありません(笑)なかなかイメージがつかないですよね。「役割ってどういうこと?」と思われる方も多いと思います。

ミーティングでの役割とは、「ファシリテーターは○○さんで、タイムキーパーは○○さん、参加者のみなさんは○○をするために集まりました。」といった感じです。この役割を共有しておかなければ、せっかく会議を良い方向に進めようとしているファシリテーターが「勝手に前に出てきて話を進めている人」になってしまうかもしれません。

参加者も、今日の自分にはどんな役割が与えられているか分からないと、勝手に自分のペースで勝手に会を仕切りはじめたり、発言してほしいところで全く意見が出なかったりします。

Rule(ルール)とは、ミーティングの参加者が守るべきお約束です。というと、ちょってかたくるしく思いますか?でも、実はこれがとても大切です。

 例えば、あるサークルの今後の運営方針を決める会議があったとします。目的(アウトカム)は、今後をより良くするためにできるだけ多くの意見を出すことです。そんなとき、ある一人の人が、自分の意見を何も言わずに出た意見をすべて反対していったとしたら、どうでしょう。参加者はみな、意見を出す気がなくなってしまいますよね。これでは目的を達成できません。

 そこで「まずはたくさんの意見を出すために反論するのはやめましょう。意見だけを出すようにお願いします。」とルールを決めておきます。するとミーティングが目的に合った、素晴らしい話し合いの場になります。

他にも「一人一回は必ず発言するようにしましょう」や「自分の意見に責任を持つ必要はないので、思いついたことをどんどん発言しするようにしましょう」というルールもいいと思います。話し合いを盛り上げるためのルールです。

3.チェックイン

会議のはじめにOARRを共有することができれば、その会議は今までとはくらべものにならないほど素晴らしいものになっていると思います。OARRの後に、本題に入っていけばいいのですが、さらに良い集まりを作るためには「チェックイン」という方法も有効です。

チェックインとは、会議の本題に入る前のウォーミングアップのようなものです。僕がやったことがあるものは、参加者全員で輪になって今週1週間でおこったこと・最近ハマっていることをお互いに共有しました。

いきなり本題に入ってしまうと話し合う準備ができていないという場合でも、チェックインをすることで場がなごんで、話しやすい雰囲気になるということがあります。

4.【補足】特に大事なアウトカム

OARRの中でも特に大事なのが、アウトカムです。そこで、ファシリテーターがどのようなイメージでアウトカムを設定すればいいか、補足として書いておきますね。

アウトカムは、ミーティングのゴールのイメージです。ですので、会議の終わりをイメージしてください。参加者が帰り際に今日の感想を言うとします。「今日の会議は~だったね!」と。この感想のイメージが、ミーティングのゴール、つまりアウトカムになります。

このアウトカムは、会議のときファシリテーターが示す必要がありすが、ファシリテーターだけで考える必要はありまえん。ミーティングは、参加者のものです。ですので、参加者と事前に打ち合わせをするなどで、何が参加者にとって最もうれしいことかを、明らかにしておきましょう。

ファシリテーションには、このほかにも場づくりやプログラムデザイン、アイスブレイク、グループサイズの変更、見える化などの技術があります。機会があれば、また書いてみようと思います。最後までお読みいただきありがとうございました!

最後までお読みいただきありがとうございます!いただいたサポートでさらに学びに励もうと思います。「スキ」もぜひお願いいたします!