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過去に訪れた土地を再訪問するということ

近い内に休暇を取って、旅行に行きたいと思っている。

普段はあまり旅行をする余裕がないし、むしろインドア派だが、年に1、2回休暇を取って出かけるようにしている。
たまに数日間の休暇を取るとどうしても遠くへ行きたくなってしまい、最近は国内よりも海外へ行くことのほうが多い気がする。

どこに行こうかと考え出すと行きたい所は山のようにあるが、次の旅行先は過去に訪れたことのある海外の街をメインの目的地として選ぶことにした。

当記事では、この夏に再訪したい街の候補を三つピックアップして紹介しつつ、その過程で行き先を決めていきたい。
また、過去に訪れた土地を再訪することの良さについて、とりとめもなくまとめておきたいと思う。

今こそ再訪したい街

コペンハーゲン / デンマーク

一つ目の候補、コペンハーゲンには2019年の春に訪れたことがある。
デンマークに過去訪れたときは、デザイン的な面と思想的な面での美意識に関して多くの学びがあった。

3 Days Design期間中の&Traditionにて

デンマークには仕事で訪れた。
3 Days Designというコペンハーゲンの街中で行われるデザインフェスティバルが開催されている期間中で、当時はデザインについて興味を持ち始めた頃だったため、非常に多くの学びがあった。
最先端のデザインカルチャーを感じることができ、仕事にも関わらず旅行のように楽しんだ記憶がある。

デザイナーのオフィスにて

現地のデザイナーたちはホストとしてもてなしてくれ、ホームパーティに何度か招かれたりもした。
仕事中はプロとしてユーモアも交えつつストイックに取り組み、プライベートの場では美味しい食事とともにその場の豊かさを仲間と共有する。彼女たちは人生を楽しむ方法を熟知しているようにも思え、非常に感銘を受けた記憶がある。

ルイジアナ美術館にて

次に訪れるならば、前回の訪問で気に入った場所をゆっくりと巡り、美味しいものを食べながらゆったりとした時間を過ごしたい。

マラケシュ / モロッコ

二つ目の候補、マラケシュには2019年の冬に訪れたことがある。コロナ禍に入る直前の12月にカサブランカから入国し、二週間程度かけてモロッコを一周した。
モロッコでは訪れたすべての街が印象的だったが、個人的に最も気に入った街はどこかと言われたら、マラケシュを選ぶ。

モロッカンタイル

モロッコの中でも、マラケシュは特に豊かな色彩が印象的な街だと思った。
街中で見かける色鮮やかなモロッカンタイルや、イヴ・サンローラン美術館のマジョレル庭園をはじめとする建築は、思わず見入ってしまうほど美しい芸術だ。

マジョレル庭園にて

またそれだけでなく、夕日に照らされオレンジに染まった町並みや空の青さ、土埃の舞うオフホワイトの旧市街など、風景一つ一つが色彩の記憶として残り、今でも旅情がこみ上げてくる。

早朝のメディナにて

さらには美味しい食事と人懐っこい国民性、スークから溢れ出るエネルギーなど、異国ならではの情緒や楽しみも満載だ。
次に訪れる際は、可能であるならばマラケシュにより長く滞在して暮らすように旅をしてみたい。

バルセロナ / スペイン

三つ目の候補、バルセロナには2011年の冬に訪れたことがある。
20代前半に初めてヨーロッパを周遊した際に、最も気に入った街がバルセロナだった。その際の印象が良かったためスペインには何度か訪れているのだが、バルセロナは一度しか行ったことがない。

カサ・ミラの外観

暖かい気候、安くて美味しいご飯、しなやかなガウディ建築、海と山のある景観。
北部ヨーロッパとは違った良さがあり、リラックスして過ごすことのできるヴァイブに溢れていた記憶がある。

街中の露店

あらゆるシーンで感じられる独特のゆるさと楽観的なマインドセットの国民性は、旅行者としては非常に心地が良い。
経済的にはいろんな問題がある国ではあるが、個人的にはそんなことも気にならないほど、バルセロナであれば住んでみたいとも思えるぐらいの快適さがあった。

十数年前のサグラダ・ファミリア

次に訪れるならば、ガウディ建築や美術館でアートを楽しむ時間を多く過ごしたい。
またバルセロナのコーヒーカルチャーについても興味があるので、カフェについてもリサーチをしてみたい。

過去に訪れた街を再訪することの良さ

僕は海外は30カ国ほどしか行ったことがないが、30代の今思うのは、あえて過去に行ったことのある国や街を訪れることは楽しいものだということだ。

20代の頃は行ったことがない土地へ行き、新しい刺激を得たり自分の知らない世界を見たりすることへの好奇心のほうが勝っていたと思う。
しかし、自分が若かったこともあるが、あらゆる経験が初めてであるためにどうしても受動的な楽しみ方になってしまっていた。
それが悪かったとは思わないし、実際に良い学びを得ることができたものの、同じ地を訪れた他の旅行者が体験することと大して変わらないであろう、ありふれた体験になってしまった側面もあるのではと思う。

一方で過去に訪れた土地を訪れた場合は馴染みがある分、同じ体験からでもより深い学びや洞察を得たり、過去の体験との比較分析などもできるようになる。
同じ土地での経験を再解釈することで自分の内面と向き合い、より知覚的に深いプロセスを経て新しい気づきを得ることができる。
つまりそれは誰にも真似ができないオリジナルな内省的要素が強く、自分にしかできない体験とも言えると思う。
昨年十数年ぶりにパリを訪れたことでより強く実感したが、そのような旅は、とても豊かで貴重なものだ。

年齢を重ねたとしても、インターネットがこれだけ普及したとしても、自分なりに新しい旅の楽しみ方ができているのは素直に嬉しいし、ライフワークとしてこんなにinterestingなことはなかなかないと思う。

まとめ

円安や物価高で海外旅行へ行きづらくなっている現実があるものの、旅から得られる体験によって人生が豊かになっている実感があることこそが、今でも定期的に旅行する理由の一つである。

そして同じ旅行先に行くのも良いものだということを述べてきたが、新しい土地に行くことももちろん楽しい。
こうあるべきという旅行の形はなく、別に何の学びを得なくても良いし暇つぶしの手段でもいいと思う。

個人的にはその時の気分や好奇心に従い、これからも自由に旅行を楽しんでいきたい。

ではまた。

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