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あんこを炊く休日が、あってもいい

こんな本を読むから、家であんこを炊きたくなんてなる。

今年の正月は、ちょっと象徴的だった。
僕の実家でも妻の実家でも、お雑煮としてお汁粉が出た。
僕の実家はこしあん。
妻の実家はつぶあん。
僕たち夫婦はあんこ味が好きなので、お正月からたまらないご馳走だった。

それから約1ヶ月。
ようやく見えてきた新婚旅行の行き先をリサーチしようと、サブスク契約をしている雑誌アプリを開いたときにその本は現れた。

学生時代から割と手に取ってきたカルチャー誌「BRUTUS」の、あんことカスタード特集。
あんこ好きの夫婦は、もれなく甘いものが好きな夫婦である。
たまの贅沢だったり、あるいは諍いの仲裁役だったり、あまいものはそれを食べる以前よりも人を幸せにしてくれる。

この特集を読み進めていくと、自作あんこのレシピページに辿り着いた。
そういえば、あんこは今までの人生で食べる専門。作ったことはなかった。
度重なるシフト変更で連勤がかさみ、頭も体も疲れていた。何かをして、気分転換がしたかった。

散歩がてら、大きなスーパーのある近くのターミナル駅まで妻と散歩した。
300gの小豆と、150g以上のグラニュー糖を買うためだ。
しかし、ついたスーパーには300gの小豆は売っていなかった。
レシピを作った時にはスタンダードだったのかもしれない300gは、どれも250gになっていた。
これをサイレント値上げだと勘繰るのは、穿ち過ぎだろうか。

ともあれ、投入する砂糖の量を調整すればいいのだ。
レシピに書いてあった「あんバターサンド」を作る要領で無塩バターを購入し、お菓子として食べれるようにクッキーサンドに仕上げることに決めて森永チョイスを買った。

うちに帰ってきて、レシピを見ながらあんこを炊く。
茹でたらお湯を半分捨て、捨てた量より少し多めの水を追加する。
また湧いてきたら最初に捨てた分くらいのお湯を同じように捨てて、また捨てた量より少し多めの水を追加する。
最初は黄色み掛かっていた茹で汁が、いつのまにか早稲田の襷や阪急電車みたいな色になってくる。
なるほどこれが逆転、いま目の前にあるこれこそが本当の「あずき色」なのだろう。

レシピ通りに作って、大きな失敗もなく粒あんは出来上がった。
妻に味見してもらったところ「こんなにやさしい味のあんこは知らない」と言われた。
褒めすぎだ。

そんなやさしい味のあんこは、これまたやさしい味で塩気のない無塩バターと一緒に森永チョイスに挟まれた。
出来立てはサクサク。その翌日にあたる今日食べてみたら、クッキー生地がしっとりし始めてあんこやバターが馴染んできていた。
さすが手作り、状態は良くも悪くも不安定らしい。


これは割と出来立て。チョイスの食感がザクザクとしていて歯ごたえがいい。

300gが250gに変わっても、案外割とあんこの量はある。
大人二人、甘いもの好きとはいえちょっとやそっとでは食べ尽くせいない量が出来上がった。
家には餅がないので、お汁粉にするという案はない。

どうしよう。
せっかくの挑戦だし、次の休日に白玉粉を買ってきて大福でも作ってみようかな。

#休日のすごし方


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