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あじあのおんがく

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#台湾音楽

プレイリスト 初めての台湾音楽 アオハルロックMIX on Spotify

台湾音楽を紹介するために作り始めた、Spotifyプレイリスト 第二弾は、こちら 「初めての台湾音楽 アオハルロックMIX」 ロックと言っても、たくさんの楽曲があるのは、台湾も同じです。 そこで今回は、オルタナロックからパンクの雰囲気もあるような、聴いていいて "青い" 感じがする、アオハルなロックを集めた2時間のプレイリストです。 Fire EX. (滅火器)、透明雑誌、拍謝少年(Sorry Youth)などが、日本でもよく知られていると思います。ゼロ年代から活躍して

[台湾歌手#1]LEE-エンジェルボイスでダークソウルを歌う

第1回目はこの方、台湾R&B歌手のLEEを紹介したいと思います。ご本人はジャンル的にR&Bというよりも「ダークソウル」を打ち出しております。 台湾版ザ・ウィークエンド…というと誤解されるかもしれないのですが(汗)。意外なエンジェルボイスでダークな歌詞とラップを羽根が軽やかに舞うように歌い上げるという点で共通点があるかなと。 ▲確かに装いはダークめかも。斜め下からのショットが多いLEEさんでした。 プロフィール1994年生まれ。高校卒業後、米国ロサンゼルス(LA)に渡り、

「俺の才能はこんなもんじゃない!」 歌手LEEが新境地を見せた『力』は意外性満載のニューアルバム!

「LEEってこんなに表現の幅が広かったんだ!」 AppleMusicで先行リリースされた新譜『力』全曲を聞いたときの第一印象。私の中で”事件”でした(゚д゚)! ダンサブルなボサ・ノヴァ調があったり、どこかシティ・ポップの香りを漂わせていたり、かと思うと演歌か?!と思うほどダークだったり、正統派R&Bもきっちり挟んできたり…と、私の拙い語彙力では伝えきれない“力“作ッ!!まずはとにかく聞いてください!! 新譜『力』ラインナップ先行して発表されている3曲『荒島』『Old F

台湾的音楽 拍謝少年 Sorry Youth No Youthになっても感じるエモと音の深み

台湾のアーティストを紹介するシリーズ。 拍謝少年 Sorry Youth 台湾・高雄出身の3ピースバンドです。 オルタナロックと称されることが多く、エモな感じがとてもカッコいいなと思って聴いています。聴きながら飲みたいアルコールは、ビールだな。 「暗流」 2017年リリース 2nd アルバム『兄弟沒夢不應該)』(Brothers Shouldn’t Live Without Dreams) なんだか、侯孝賢監督の『冬冬の夏休み』のあの子どもたちが、もう少し大きくなったら

台湾的音楽 以莉.高露 晴耕雨読なスローライフと大地を包む歌声

台湾のアーティストを紹介するシリーズ。 イリー・カオルー(以莉.高露)は、台湾原住民、アミ族をルーツに持つシンガーソングライターです。 大地を包むような歌声、と評されることもあります。 力強いというよりは、土に根差しているような静かな強さと、温かみを感じられて、とても素敵だなと思っています。 彼女については、以前にもご紹介をしていますが、2021年6月30日に初めて日本盤のアルバムをリリースしたので、そのことについて、紹介していこうと思います。 イリー・カオルーは、20

「台南洋行」から「台湾洋行」へ

台湾に足繁く通うようになってからというもの、僕は音楽の楽しみを人との関わり合いの中から見出すようになった。これまでの僕の音楽との向き合い方はかなりオーディオ本位かつ自己完結型だったと思う。 どちらかというと、ライブに行くより、家で、スピーカーの前でじっくり聴いている方が性に合っているし(これは見逃すまい!というライブにはもちろん駆けつけるが)、情報ソースもネットや書籍であり、生身の人間とのコミュニケーションが希薄で、かなり内向きな音楽生活を送っていたと思う。 元々好奇心は

「プラスティック・ラブ」ムーブメントから考える日台音楽

もう3年ほど前のことになってしまうのですが、2018年ごろに、アジア圏で竹内まりやさんの「プラスティック・ラブ」が非常に流行していました。 当時、レコード屋さんの店長が、アジアから来る観光客の人がこぞって7インチのレコードを買いに来ていて、値段も少しずつ上がってプレミアが付き始めているんだ、という話をしてくれました。 アジア全域で、「シティポップ」=「プラスティック・ラブ」みたいな感じで、クラブでかかりまくっているんだよね、と話していたことを、良く覚えています。 そのムー

台湾的音楽 ポップミュージックに社会的テーマが入ることを考えてみた

台湾の楽曲をアレコレと調べたり聴いたりしていると、ちょっとびっくりすることがあります。それが、台湾の楽曲は社会的なテーマで歌う作品が結構あるんだなということ。 最初に知ったのはABAO(阿爆)と 李英宏 aka Dj Didilong がコラボしているこの曲。 「無奈 tjakudain」 2019年リリース『kinakaian 母親的舌頭』収録。 台湾は、多民族国家であることを感じる曲です。 R&Bにラップが乗って、すごくグルーヴ感もあってカッコいい音だなと思っていま

台湾版、ヒップホップ番組「大嘻哈時代」

待ってました、この時を。台湾でヒップホップ番組が始まりました。漢a.k.a.GAMI風に言えば、「とうとう来たなこの時が!」です。 その名は、「大嘻哈時代」 嘻哈(xīhā)は、中国語でヒップホップという意味です。つまり大ヒップホップ時代です。 中華圏のラップ番組といえば、これまでは中国の独壇場でした。 チャイニーズヒップホップ文化を確立させた中國有嘻哈(iqiyi)。 続編である中國新說唱(iqiyi)、 加えて各ネット局でのラップ番組の台頭。 說唱聽我的(芒果TV

台湾的音楽 政大金旋獎GoldenMelody 大学主催の音楽アワード

台湾のアーティストを紹介するシリーズだけど、今回は番外編。 さまざまな台湾アーティストを調べていると、何組かのアーティストのプロフィールに、「政大金旋獎 GoldenMelody」という言葉が出てきます。何かの賞であることは分かるのですが、台湾で有名な音楽アワードと言えば、金曲奨(Golden Melody Award)と金音奨(Golden Indie Music Awards)の2つです。では、これは一体どういうものなのか?が気になりました。 結論から言うと、「政大金旋

花より男子、星よりサテかな。花より男子がインドネシア音楽に与えた影響。

「自分で稼いだこともないガキが調子こいてんじゃねーよ」 貧乏高校生牧野つくしが、超金持ちな学園の人気者道明寺司へ一撃パンチ。「花より男子」は言わずと知れた、平成を代表する学園ドラマです。 あ、先に言っておきます。しばらく花男の話が続きますが、この記事の後の方にちょろっと台湾やらインドネシアの音楽のお話が出てきます。是非、そこまでお付き合いください。 サテ、「花より男子」が放送されていた当時私はまだ学生でしたが、クラスの半分以上はあのドラマを見ていたと思う、ってぐらい人気

台湾的音楽 徐若瑄 ビビアン・スー

ラジオで紹介していた、台湾のアーティストをnoteに書き記すシリーズ。 徐若瑄 ビビアン・スー。 そうです、90年代にテレビを席捲した彼女です。 当時中学生だった私は、ビビアンが大好きでした。キュートでおとぼけで頑張り屋さんの彼女が出るテレビは、欠かさず観ていたのを覚えています。 台湾に戻り、今では大人の女性として、女優や作詞家などとして活躍していますが、もちろん歌手活動も行っています。 昨年に、アルバム『I'm V』をリリースしていますが、この作品では、タンゴ調の楽曲や