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あじあのおんがく

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アジアの音楽に関する記事を集めています
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2020年6月の記事一覧

「台南洋行」から「台湾洋行」へ

台湾に足繁く通うようになってからというもの、僕は音楽の楽しみを人との関わり合いの中から見出すようになった。これまでの僕の音楽との向き合い方はかなりオーディオ本位かつ自己完結型だったと思う。 どちらかというと、ライブに行くより、家で、スピーカーの前でじっくり聴いている方が性に合っているし(これは見逃すまい!というライブにはもちろん駆けつけるが)、情報ソースもネットや書籍であり、生身の人間とのコミュニケーションが希薄で、かなり内向きな音楽生活を送っていたと思う。 元々好奇心は

「韓国唯一のインディ音楽チャート」K-INDIEチャート公開と今の心境

韓国のインディーズアーティストを紹介するメディアBUZZY ROOTSを運営するAkariです。 2020年6月8日(月)、韓国のインディアーティストを紹介するレーベル<Bside>主導で、韓国インディに特化した音楽チャート「K-INDIEチャート」の日本版をBUZZY ROOTSより配信開始する運びとなりました。 韓国の音楽を愛する人にも、まだ韓国の音楽を聴いたことがない人にも、とにかくたくさんの人にこのチャートを通して韓国の音楽を知ってほしいです。 K-indie

“Korean Grime”─韓国グライムシーンが秘めるバイタリティ

韓国において、K-ポップと双璧を成すK-ヒップホップカルチャー。Jay ParkやSik-Kなどアイドル級のラッパーが数多く存在し、クラブからTikTokまで、幅広い人気を誇っています。そうしたラッパーたちも小さなクラブからの叩き上げであることが多く、韓国におけるラップ・ヒップホップシーンはメジャーからアンダーグラウンドまで大小様々な潮目が生まれています。 gridsystemではそんな潮目の内の一つであるグライムシーンに注目。メジャーシーンにおいてもその存在感を際立たせつ

岡田拓郎オフィシャルインタビュー

OKADA TAKURO oidオフィシャルインタビュー (序文/インタビュー/構成:柴崎祐二 撮影:廣田達也) 実は、このインタビューを収録したのはアルバムが一旦完成を迎えた3月の上旬頃だった。世界はその後本格的な新型コロナウィルス禍へとはまり込んでいくことになったが、今や、誰しもがウィルスと、そしてそれによって引き起こされる個々人や社会情勢にひたりよる冷え冷えとした恐怖に慣れきってしまったようにも思える。かような状況にあっては、もちろん我々リスナーも、音楽聴取への牧歌的