うつ病で再就職・離職を繰り返しているのに、また「就職」なの?
働き方が多様化する昨今。複業やフリーランスといった、従来とは異なる働き方をする人が増えています。
ところが、「うつ病の人の仕事復帰」となると、依然として就職一辺倒で考えられがちです。
患者向けのメディアを見れば、『復職』『就職』の言葉が並んでいます。あるいは、就職を目標に、『就労移行支援』の活用を促しているかもしれません。
企業に就職できれば、在籍している限り安定した収入が得られます。ですが、就職するたびにうつ病が再発し、離職を繰り返しているというのであれば、ほかの働き方も検討すべきです。
就職がベストな選択とは限らない
僕は、うつ病が原因で離職しフリーライターになりました。だからといって、安易に個人で働くことをおすすめしたいわけではありません。なぜなら、働き方というのは、人それぞれで合う合わないがあるからです。
それと、SNSでは、就職・離職をくり返したのち適応できる一社を見つけて長期就労できたという人も見かけます。それを踏まえると、相性の良い職場に出会えれば、うつ病があっても会社員として長く働けるようにも思います。
ただし、再就職・離職をくり返すには膨大なエネルギーが必要です。
例えば、面接官に自分の症状や体調を説明する・体調管理しつつ職場になじむ・上司と何度も面談する・調子が悪いのに書類を読み書きする・職業生活に耐えうる体調に回復させるといったように。
再就職・離職にはいろいろな手続きが伴いますし、回数が増えるほど、手続きが煩雑になっていきます。それゆえに、再就職・離職をくり返すほど、そのプロセスに嫌気がさしてきてしまうのです。
また、養う家族がいると、そもそも同じ失敗をいつまでも繰り返しているわけにもいきません。
このように、「うつ病」という病名が同じでも、個人が抱える思いや事情は違うのだから、誰にとっても就職がベストな選択とは限らないのです。
再就職・離職のくり返しは、精神的・経済的に追い詰められる
再就職・離職を繰り返すと、精神的なダメージが蓄積していきます。「またダメだった」「また迷惑をかけてしまった」といったネガティブな記憶だけが残るから、回数が増えるほど働く自信を失いがちです。
また、離職とともに長期療養が必要となれば、その度に金銭的余裕がなくなっていきます。これは、「傷病手当」や「失業給付」で足らない分を、貯金を崩してまかなうことになるからです。
安定した収入を得たり、生活を送ったりするために就職を目指していたはずが、再就職・離職の繰り返しで精神的・経済的にだんだん追い詰められてしまっている、、、
僕には、そうした悪循環に陥っているケースが少なくないように思えてなりません。
就職以外に道はないのか?
就職してもうまく働けないのであれば、ほかの働き方も検討すべきです。
例えば、パートやアルバイトであったり、フリーランスであったり。働き方が変われば、仕事で受けるストレスも大きく違ってきます。
安定した収入を得るには就職を目指したほうが良いのでしょうが、長く働けなければ元の木阿弥ですよね?働き方が多様化している現代だからこそ、仕事復帰の選択肢も就職だけではないはずです。
大切なのは、体調を崩さず長く働き続けられる働き方を選ぶことではないでしょうか。
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