フリーランスになってから仕事でうつ病を再発しかけた話
フリーランスと聞けば「自由に働ける」イメージがありますが、仕事のストレスが全くないわけではありません。たしかに、会社員と比べれば対人コミュニケーションが少なく、人間関係のストレスは圧倒的に少ないです。けれども、時には、体調を大きく崩すほどのトラブルに見舞われることもあるんです。
僕は、フリーのwebライターとして働きはじめ5年になります。実は、フリーランスになった当初、仕事相手とのやり取りがきっかけでうつ病を再発しかけたことがありました。
当時の体験談についてお話しします。
度重なる修正依頼に心が折れる
うつ病を再発しかけたのは、フリーランスになって3ヵ月が経った頃です。当時の僕は、自宅で1日1~3時間働き、残った時間で家事や育児をこなす兼業主夫をしていました。そうした生活のなかで感じた「主夫(主婦)の大変さ」や「夫婦で家事分担するコツ」みたいな内容の記事を、ご縁あって、家事の情報サイトで書くことになったんです。
かけ出しのwebライター。とはいえ、とにかく自分の伝えられる経験・情報を惜しみなく出し、一生懸命に記事を書きました。それまでも、複数の会社・個人から仕事を請け負い一定の評価をもらえていたので、僕としては、今回もなんとかうまく書けたと思いクライアントに記事を提出したんです。そんな期待に反して、クライアントから返ってきたのは怒濤の修正依頼でした。
「あなたの書いた記事は小学生の感想文です」からはじまり、方向性がわからない、内容に深みがない等々。そんな内容のメールが数秒から数分に1回届き、合計9つにわたる修正依頼に僕はすっかり落胆してしまいました。うまく書けたかな?と期待していたところからの落差もありますが、何よりクライアントの言葉や怒濤にくるメールのプレッシャーがすごくて、、、
それでも引き受けた仕事だからなんとか全うしようと修正し、記事を再提出したんです。そしたら、「前回よりは改善したと思いますが」のひと言を皮切りに、記事の内容から日本語の使い方に関することまで7つもの修正依頼が事細かにメールで送られてきてしまい。
僕は、どうすればこの苦難を乗り越えられるか考えることができなくなり、パソコンの前で完全に思考停止となりました。
思いきって仕事をお断りした
おそらく、僕にも至らないところがたくさんあったと思いますが、当時はクライアントのメールに圧倒されてしまい、とてもその仕事を完遂しようとする気持ちにはなれませんでした。むしろ、それについて考えると体が重だるくなり、「また責められるかもしれない」「連絡するのが怖い」といった不安感・恐怖心でいっぱいになってしまって。それで、自分からクライアントにメールして仕事を断ったんです。
断りの連絡をすることでクライアントから何を言われるか心配でした。けれども、僕のなかでは、クライアントとのやり取りで抱いた不安感・恐怖心といったものが、うつ病になった時の心境にとても似ているように感じられ、「このままではうつがぶり返す」と思ったんです。だから、その時は自分の体調を守るためとにかく仕事を断ることに必死でした。
フリーランスはすべて自己責任
フリーランスは、たしかに会社員よりも自由です。働く時間も場所も決まっていないし、人間関係のしがらみが少ないので、その日の体調に合わせてマイペースに働けます。そういう意味では、体調が安定していないうつ病の人に向いている働き方と言えるでしょう。
しかしながら、フリーランスとなれば、トラブルがあってもすべて自分の力で解決する必要が出てきます。体調を崩しても、誰も自分の仕事をサポートしてはくれません。また、うつ病が再発して就労困難になっても、会社員のように傷病手当金や失業手当ももらえません。要するに、フリーランスにとっては原因が何であれ、体調を崩すということは「無収入」や「生活の困窮」につながってしまうのです。
自分のメンタルを守ることも大切な仕事
実際にフリーランスとして働いてみたことで、この働き方には「自己責任」という大きなリスクを伴うことがわかりました。
うつ病の症状が残っている段階では、仕事の効率があがらなかったり、トラブル対応ができなかったりと。健常な頃に比べて、「うまく働けない」と思うことのほうが多くなるはずです。だからこそ、「(体調面が)まずい状況かもしれない」と感じたら、状態を悪化させないために勇気を出して仕事を断っていくことをおすすめします。
「仕事を断る」というのは、クライアントにとってはただただ迷惑な話ですが、うつ病持ちのフリーランスにとっては自分の体調と生活を守るための大切な仕事です。
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