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たがわ農業コミュニティR6 第1回 オンラインセミナー「農家じゃないから気がついた。食いしん坊の「もったいない」から始まった新サービス」

今回はこんな内容でした!

農家さんからすれば当たり前、一般消費者からすると知らないことというのはたくさんあります。これは農業だけでなく漁業もそうですし、ふだん触れるサービスも裏側を知ると、多くの知らないことがあります。今回はその知らないことへの驚きと、そこからの疑問をもとにビジネスを始めた方のお話です。

今回は、一般消費者からするとほとんど知られていない「廃棄野菜」をおいしく食べることをテーマにビジネス展開される方にご登壇いただき、商品開発についてお話しいただきました。

今回は、モデレーターとしてなかお商会/中尾祥子さん、ロス食堂の田川美帆さんにご登壇いただきました。ロス食堂さんはこれまでも数回いいかねpalletで開催されたリアルイベントでもおいしいお料理をご提供いただいてますので、このコミュニティの方々はご存知かと思います。実はあのお料理のお野菜もほとんどが「廃棄野菜」でできています。

ロス食堂で提供しているお料理の一部。これらの野菜はほとんどが何らかの理由で廃棄される予定だった野菜。

田川さんのご紹介

田川さんは1989年生まれの広島県安芸高田市出身で、現在は2人の子供を持つ母です。彼女が農業と食品ロスに強い関心を持つきっかけは、農家さんの
畑を訪れた際に見た規格外野菜の現状でした。そこで大量の廃棄野菜を見た田川さんは「もったいない!!」と思ったそうです。そこから紆余曲折を経て、廃棄野菜の新しい活用方法として廃棄野菜を乾燥させて、乾燥野菜として商品化するプロジェクトに参加することを決意しました。現在は乾燥野菜を使ったレシピの考案や商品開発に積極的に取り組んでいます。

荷台に必要物資を乗せて、安芸高田市から全国へ飛び回る!

食品ロスの現状と規格外野菜の課題

世界全体では毎年13億トンもの食品が廃棄されています。これは驚異的な数字であり、日本では年間約620万トンの食品が廃棄されています。一人当たりに換算するとお茶碗一杯分のご飯を毎日捨てている計算になります。田川さんは、こうした現状に対して具体的な例を交えながら問題提起をしてくださいました。

規格外として市場に出回らず廃棄処分予定の青ネギ。安芸高田だけでも3.4tに達することも。

で、どんなお話をしたかというと、以下にアーカイブ動画があるので、こちらで!

今後の展望

ロス食堂の活動は徐々に広がってきています。活動の拠点である安芸高田の農家さんだけでなく、ロス食堂を知ってくださった人々からの支持も得ています。田川さんは、乾燥野菜の技術を使って、規格外野菜の有効利用をさらに進めていきたいと考えているそうです。目標は「この取り組みが普通のこととして広まり、多くの人々に受け入れられること」。そのために、日々各地に飛び回り、ロス食堂を開催しています。

日本科学未来館で開催されたゼロ高等学院のZERO-1 EXPOでもロス食堂を展開。

田川さんは、今後もこのプロジェクトを拡大し、より多くの農家さんと手を取りあって広めていく予定です。彼女のビジョンは、規格外野菜を使った製品が市場に出回り、多くの人々がその価値を理解し、少しでも廃棄野菜がなくなることです。また、田川さんは乾燥野菜の技術が防災や離乳食、介護食など様々な分野で活用できる可能性についても話しています。

ディスカッションと参加者の声

セミナーでは、参加者との質疑応答も行われました。参加者からは、農家が規格外野菜を自ら加工するのは難しいという意見がありましたが、田川さんは、農家以外の人々がこの課題に取り組むことの重要性を強調しました。また、乾燥野菜の技術が防災や離乳食、介護食など様々な分野で活用できる可能性についても話されました。こういった視点の立ち位置の違いからのお話は、それまで気が付かなかったヒントが得られますね。

また、実際にロス食堂を体験した方からは、ふだんはお一人さまで野菜を買ってもなかなか消費しきれず買うことへ躊躇するが、乾燥野菜であれば保存が効くのでとても助かるし、それ以上に美味しかったという声も聞かれました。

ロス食堂を通じて農家さんの想いもあわせて伝えたい。

ロス食堂の取組は、廃棄野菜/食品ロスという大きな社会問題に対する一つの解決策を提示していますが、そのきっかけは「もったいない」という想いでした。その想いが、農家さんや農業の課題解決だけでなく地域社会とのつながりや、これまで野菜に触れてこなかった方の新しい気付きという、「新しい商品」にもつながりつつあります。

またリアル開催の際に、アップデートしたロス食堂に会いましょう。

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