疲れて疲れて仕方がないという人へのアドバイス
1. 疲れること自体はよいのだけれど
最近、私は疲れを自覚することが多いです。
「これも年だから仕方がない…」などとネガティブに感じてしまう人も多いかもしれません。
しかし疲れを感じられること自体はとてもいいことです。
むしろ疲れを忘れてガムシャラに働き続けられてしまうことの方がリスクを秘めているのではないでしょうか。
すべての動物において、疲れを感じることは必然です。
疲れは筋肉活動の恒常性を保つために必然の現象であり、疲れを感じることによって動物は休もうと思い、
筋力を回復させて次の筋肉活動を再び再開することができるようになるわけです。
ただし、そのような動物原理に従わず、人間にのみ存在している「疲れ」というものがあります。
それは「精神的な疲れ」です。
2. こじれた疲れを感じた時に試すべき2つの行動
人間の発達した脳は、それまでの動物では考えられないほどに複雑化した脳の働きによって、
身体は疲れていないのに脳だけが疲れているという特殊な状況を生み出しました。それが「精神的な疲れ」というものです。
「精神的な疲れ」といえども「疲れ」は「疲れ」です。原則的には筋肉活動と同様に休めば回復するわけですが、
「疲れ」を感じるのもまた、その疲れている「脳」であったりするものだから、
この「脳」が疲れてしまうと、「疲れているかどうかを正しく判断できなくなってしまう」ということになってしまうわけです。
つまり休んでも休んでも疲れが取れない、といった状態になるということです。
このこじれた状態から脱するためにすべきことは大きく2つです。
ひとつは、「休んでみて本当に回復しないのかどうかをよく観察する」ということ。
もう一つは「休んでいるのに回復しない時は脳を休ませる方法を試す」ということです。
まず「疲れて疲れて仕方がない」という人は本当に疲れが休息によって回復してないのかをよく観察するところからはじめてほしいと思います。
朝起きた時の身体の動かしやすさ、頭のまわり具合などをよく見るようにします。
その際自分から何かしらのアクションを起こすことが大事です。
例えば朝のテレビを見るような受動的な情報収集では頭が回っているかどうかは判断できません。
本を読むなどの主体的な行動を行うことによって、昨日の夜と今日の朝とで文章の入り具合が変わるかどうか比べるのです。
体操をしてみて身体の動かし具合を確認するのも良い方法だと思います。
その上でどの尺度でみても休んでいるのに身体が回復しないというのであれば、それはまず間違いなく脳が疲れています。
脳を休ませるための方法は、基本的には一つだけです。
それは「何も考えないこと」です。
そのことは筋肉を休ませる唯一の方法が「何も動かないこと」であることを考えれば理解できると思います。
3. 脳の疲れをとるための2つのコツ
しかし何も考えないというのは口でいうほど簡単なことではありません。
試しに「1分間何も考えないで下さい」と言われてやってみるといいでしょう。必ず雑念が舞い込んでくると思います。
これをできるように練習するためのメソッドが「瞑想」とか「マインドフルネス」と呼ばれるものだと思いますが、
必ずしもそのやり方にこだわる必要はありません。
とにかく何も考えなければ、もしくはその状態に少しでも近づけることができれば脳を休ませることができるわけです。
そこで最後に脳を休ませるための私流の方法を2つ紹介します。
一つは「深呼吸をすること」。
もう一つは「自然を利用すること」です。
深呼吸の方は「何も考えないことが難しいのであれば、せめて一つだけ考えることに集中する」という発想から来ています。
ご存知のように深呼吸にはリラックス効果がありますが、
ここではそのリラックス効果はおまけのようなもので、「深呼吸のことしか考えていない状態を作る」ことの方が重要であったりします。
それでも、深呼吸のことだけ考えようとしていても、やってみればわかりますが、雑念は必ず入ってきます。
それでも「深呼吸のことだけ考える」という明確な目標があれば、
雑念が入ってきたとしても、すぐまた再び深呼吸のことだけを考える状態に戻せるという意味で「瞑想」や「マインドフルネス」よりもハードルが低いのではないかと思います。是非参考にしてみてください。
もう一つの「自然を利用する」というのはいわゆる「情報遮断」です。
深呼吸と同じく自然に触れ合うことにもリラックス効果があるのですが、
ここでも重要なことは「脳が何かを考えるきっかけとなる情報源から身を離す」ということが重要であったりします。
スマホを家に置き、近所の公園でも、山でも海でも自分が心地よいと思う空間に身を置いてその光景をただぼーっと見つめ続けるのです。
もちろん自然を見て何かを考えることもあるわけですが、仕事や勉強、人間関係を想像させるものから切り離すことによって、いつもとは考える内容が変わります。
これはいつも使う脳の回路を休ませて、脳の別の回路を使うというプロセスになるので、脳を休ませるということにつながるのです。
筋肉で例えれば、疲れ切った上半身に休ませている間に下半身を訓練させているような状況です。
脳の疲れはこじれると深刻です。その存在が医療の中でも認識されづらいので、
行くところまで行って大袈裟ではなく、元に戻らないレベルまで脳が疲れ込んでしまうことも珍しくありません。
是非ともこうしたテクニックを活用して、疲れの悪循環から逃れるようにしてもらえればと思います。
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