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ルールを変える難しさと自分を変える勇気

1. いつの間にか当たり前にさせられてしまっているルール

季節はいつの間にか冬となり、すっかり寒くなってきました。

そんな中、朝外を眺めていると、通学中の中・高校生達を目にします。

皆寒い中を歩いて登校している様子を見る中で、目につくのは女子生徒のスカートの下の素足です。

首周りはマフラーなどでしっかり温めているにも関わらず、足には防寒対策がなされておらず、せいぜいストッキングを履いているくらいで随分寒そうです。

なぜこのようなミスマッチな服装をしているかと言えば、言うまでもなく「学校の制服として定められているから」だと思います。

しかしこれはよくよく考えればおかしな話です。

女性には冷え症が多いと言いますが、その一因はこの制服スカート文化ではないかと疑ってしまいます。

女性は冷えに強い?もしくは女性の方がそれを望んでいる?なのかと言えば、そうではありません。

なぜならば、中・高校生以外の女性はほとんどスカートを履かずに防寒対策をしているからです。

言わば、健康を犠牲にして学校の校則を守ることを強要されているかのような状況です。

学校の一員である自覚を促す目的であれば、制服でなくともバッジでもスカーフでも他に方法はあるはずです。

せめて生徒側に着る服の選択肢が与えられて然るべきではないでしょうか。


2. 変えるのが極めて難しいルール

ところが、じゃあ生徒側が制服規則廃止を訴えるとすれば、これは現実的になかなか至難の業です。

これは提案する内容がいかに合理的かどうかに関わらず難しい問題です。

そっくりそのまま「長年親しんだ慣習を変えることの難しさ」と表現してもいいように思います。

まずは賛同する仲間を集める必要がありますが、女子の中で数人賛同者を見つけることは比較的簡単でしょうが、

一方で男子の協力を得ることは難しいでしょう。男子には関係ないから女子の方で頑張ってくれと思う人がほとんどのような気がします。

さらには女子の方でも別に変わらなくても構わないと思う人もいるでしょう。今までそうやってきたし、そんなことで騒ぎ立てたくはないし、中にはかわいいからスカートのままでいいと思う人もいるかもしれません。

このように、まずはこの制服廃止を生徒の総意レベルまで持っていくのが大変です。

その上で何とか生徒の総意に持ち込むことが出来たとしても、ここからの道も険しくて、さらに数々の大人を説得していかなければなりません。

大人の中には気持ちを理解してくれる人もいるかもしれません。しかし学校全体としてはどうでしょうか。

周りの学校が皆一様に制服を義務付けているのに対して、自分達の学校だけ制服を廃止してしまうと肩身の狭い思いになるかもしれません。

あるいは毎年制服の作成を依頼している業者に迷惑をかけてしまうという懸念もあるかもしれません。

そう言えば学校で生徒にマスクを装着させる文化もあっと言う間に広まりました。

これだけ社会にウイルスが蔓延している状況で、小児での重症例はゼロに近い状況であるにも関わらず、です。

それでも「もし何かあったら困るから」という理由をもとに、生徒へマスクをするかどうかを選ばせる選択肢を与えません。

その事実が、学校という世界がいかに同調圧力が強い世界であるかということを物語っています。

結果として私立のもともと制服の規則ない学校を除き、ほとんどの学校で女子学生のスカートが強要されてしまっているのが実情です。


3. 変えにくいルールに正論は通用しない

要するに「世の中には変えるのが簡単なルールと難しいルールとがある」ということです。

不合理なことが慣習として漫然と行われているということは医療の中でもごまんとあります。

それらを変更することが理屈としていかに合理的であったとしても、

もはや不可逆的とでも言わんばかりの複雑な構造となり、現実的に変更不可能となっている、ということは往々にしてあるということです。

だから不合理を変えようと思えば物事が複雑化する前に早めに手を打たないといけないし、

すでに複雑化してしまったルールを変えようと思うのであればそれ相応の覚悟が必要ということになるでしょうし、

そのための方法として正論を振りかざすだけでは不十分だということは確かです。あらゆる方法を考える必要があります。

もしも件のウイルスが誰かの手によって人為的にもたらされたのだとすれば、それは確かに複雑な構造を変えうる非正論的アプローチとなっており、参考になるところもあるかもしれません。

正論でないところを攻めるにはそれくらい発想を飛ばす必要があるということです。

しかし一方でそれでも変わらない日本の政治を見てもらえればわかるように、

物事には「額面上変えることが可能であっても、実際に変えるのはほぼ不可能に近いルール」というものが存在するということです。

残念ながらそれが私達に突きつけられた事実だと私は思います。

どうしても変わらない慣習の壁が目の前にあるのだとすれば、

あとはそれを受け止める私達が変わるしかないのかもしれません。

ただ世の中には自分達が変わることさえ諦めて、現状に甘んじてしまう人が多いようにも思います。

マスクを強要されるくらいなら、スカートの押し付けをやめた方がよい、その方がよほど風邪を引いてしまいます。

動くべきタイミングは今、なのかもしれません。

ルールを変えるのは難しいけれど、自分を変えるのは難しいことではありません。

自分を変えるのに必要なのは「勇気」だと思います。


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