人生100年時代のリカレント教育 グロービス経営大学院(MBA)に出願しました
こんにちは。
T&Aフィナンシャルマネジメントのさいとうです。
従来はベンチャー企業に特化した経営財務支援や中小規模M&Aのご支援をしていることから、それら業務に関連するお役立ち情報を発信しています。
今回は、それらお役立ち情報からちょっと離れて、日々のコンサルティング業務を通じて感じたことや、自分自身のキャリア観などについてブログ形式でお伝えしてゆくシリーズの一つとして、先日出願したグロービス経営大学院(MBA)について、その目的や出願の過程で感じたことなどについて書いてみたいと思います。
社会人大学院を再び目指したきっかけ
今回改めて一念発起でグロービス経営大学院(MBA)に出願したのですが、私自身(現在42歳)過去に早稲田大学大学院ファイナンス研究科というところでMBAを取得しています。
早稲田のMBAを取得したのが2012年ですので、修了から約10年が経とうとしています。
妻や今回の出願について話をした友人から、「MBAを持っているのに、またなんでもう1回、MBAコースに通うの?」と聞かれます。
私自身、MBAは確かにMaster of Business Administrationという、「学位」ではあるのですが、MBAを通じて得られる新たなインプットや人的ネットワーク、そしてアカデミックな場に自分自身の身を置いていることで得られる刺激というものを重要視しています。
修士という学位は一度とってしまえば終身主張できるものなのかもしれませんが、インプットやネットワーク、そして刺激というものは残念ながら経年劣化してしまいます。
現に10年前に学んだ知識は、業務を通じて血肉のように自分自身の中に残っているつもりですが、しかし、体系的に改めて語ることができるか?と言われてもそれをすることができません。
また、経営学やファイナンス理論といった社会科学分野のアカデミックな変遷は日進月歩で、10年前に学んだ知識が陳腐化してしまっている可能性があります。
そんな理由で、今回「学び直し」を決意するにいたったわけです。
早稲田のMBAを修了してからの10年間で私自身も大きく変わりました。
仕事上の立場も、結婚して子供ができたという社会的なポジションも、考え方も、仕事の進め方も大きく変わりました。
正直早稲田のMBAに通っていた30歳前後の頃は、自分の意思でMBAコースに通い始めたものの、努力が長続きせず、結果的に当初期待していた学業的な成果や、ネットワークが構築できたかには疑問符がつきます。
ただ、今改めてMBAコースに通うことができれば、10年前とは全く違った心持で、当時よりも知識を渇望している状況で学業やネットワーク構築に勤しむことができると思っています。
40歳を過ぎてわざわざ学業と仕事、そしてプライベートとの両立に苦しむような選択については理解をしてもらえないことも多々ありますが、そんな理由で今回の決断をするに至ったわけであります。
人生100年時代のリカレント教育
医療の発達と相まって、「人生100年時代」という言葉が今なお流行っています。
従来の60歳定年を前提とした場合、リタイアしてから40年という、社会人人生(20歳~60歳)とほぼ同等の時間を過ごすことになります。
定年延長も実際に行われており、我々の世代は、健康であれば65歳でも70歳でも働き続けられる環境があるかもしれません。
ただ、65歳、70歳まで働くとした場合、大学を卒業した時までに得た「勉強」の成果で半世紀も戦い抜くことができるでしょうか?
42歳の私が20年前を振り返っただけでも、当時は当然スマホはありませんでしたし、PCは一人一台支給されていたものの、アプリケーションなどは今とは比べ物にならない代物でした(まだ、フロッピーという、今では完全に死語と化した記憶媒体を使っていた記憶があります)。
20年という期間だけでもここまでのパラダイムシフトがなされてしまっている状況において、この先さらに20年となったら、まったく別世界が待っている可能性が極めて高いといえます。
リカレント教育という言葉があります。
リカレント教育とは「生涯学習」という意味で、生涯を通じて学び続けてゆくことをいいます。
recurrentという単語は「循環する」、「再発する」という意味ですが、タイミングを見て周期的に教育を受け続けてゆく仕組みといえます。
教育を受けることや、「学ぶ」こと自体は学校に行かなくても、日々読書をしたり、セミナーを聞いたりすることでもできます。
ただ、じっくり時間をとって体系的に学ぶ場があることは極めて重要です。
独学では自分自身の興味のある分野や、業務上必要に迫られている分野しか目に留まらない可能性があります。
ただ、体系的に学ぶことで、もとより興味がなかった分野や、そもそもそういった分野があることすら知らなかった分野、そして、将来の仕事に役に立つ分野についても学ぶことができます。
私は、ビジネスパーソンにとって、最適なリカレント教育の場は、私は社会人大学院だと思っています。
概ね2年の年限でカリキュラムが設定された大学院(MBAコースやMOTコースなど)に身を置くことで、体系だったアカデミックな分野について、実務を想定しながら学ぶことができます。
また、そういった「覚悟」をもって集った社会人大学院での人との出会いは、自身のビジネスパーソンとしての視座を高める最適な環境を提供してくれるものと思っています。
リカレント教育の一環、というわけではありませんが、私自身、大学を卒業してから5年後に早稲田のMBAへ通い、そしてその修了後10年である来年から、改めて大学院に通うことを決意したわけです。
グロービス経営大学院の「入試」について
社会人大学院は学校ですから、当然入学には決められた試験を受験する必要があります。
ただ、大学入試や本来的なアカデミックな大学院と違い、社会人大学院の入試は基本的にそれまでのキャリアや考え方、今後の「志」に重点が置かれます。
従って、いわゆる「お勉強」の試験を課している社会人大学院は少ないと思います。
以前私が通った早稲田のMBAも、入試においては研究計画書とエッセイ、そして面接でした。
今回私が出願したグロービス経営大学院の入試も、エッセイと面接となっています。
細かい募集要領などはグロービス経営大学院の「入試概要・募集要項」をご確認ください。
ちなみにグロービス経営大学院は国内の社会人大学院の中でも最大規模で、1学年の入学定員は1,050名と超マンモス校ともいえます。
早稲田の大学院の時は1学年100名前後だったと記憶していますので、正直、グロービスに入学しても同級生全員と話をすることは不可能と覚悟しています。
入試倍率や難易度は公表されていませんのでわかりかねますが、難易度については大学入試のように「お勉強」の試験がない中では、定量的に「偏差値」というようなものを算出することは難しいと思うので、コースに通う過程で得た学びや、満足度といった、定性的なものが尺度になるのだと思っています。
私のまわりに「グロービスつながり」の人脈を持つ知人・友人がたくさんいます。
みずから「グロービス卒業生」を名乗り、グロービスで得た学びを賞賛する人々は多くの学びをMBA取得を通じて得たのだと思います(反対に単位取得だけに汲々としていたような人は、「グロービス卒業生」として賞賛するような吹聴はなかなかしないものと思われます)。
正直、1,000人近い人が毎年入学するわけなので、学生の質は玉石混交かもしれません。
単に、最近の「MBAブーム」に乗っかって、MBAを学位であるにも関わらず資格のように語りたいだけで、入学する人も少なからずいるものと思われます。
ただ、本質的なMBAでの学びを追求し、しっかりと学び、繋がろうとする人は相当数存在するものと期待しています。
グロービス経営大学院での学びに期待すること
まだ合格ったわけではなく、ただ出願しただけなので、グロービスに関する投稿はこれが最初で最後かもしれません(笑)。
ただ、合格する前提でグロービス経営大学院での学びに期待することを以下に書いてみたいと思います。
まずは体系的な経営学のインプットです。
歳を重ねるごとに、業務を通じて経営学関連の知識のブラッシュアップの必要性を痛感しています。
グロービスに入学し、改めて現場に根差した知識のインプットを積極的に行ってゆきたいと思っています。
次に人的ネットワークです。
グロービスは時として「宗教的」とか、「狂信的」といった形容がなされるほど、人的ネットワークの構築に力を入れています。
在学中の横のつながりはもちろん、卒業後のアルムナイとしての学び直しやネットワーク維持の機会提供にも積極的です。
こういった制度や風土を最大限活用し、将来を語ることのできる、志の高い人的ネットワークの構築を行ってゆきたいと思います。
最後に、自分自身と再度見つめ直す時間の確保です。
前回の早稲田MBAの時もそうでしたが、MBAコースの修了には多大な労力が必要とされ、時として挫折しそうな自分を鼓舞することが重要です。
仕事やプライベートとの両立も肝要で、できるだけ各々の歯車が狂わないように自分自身を律することが重要です。
そういった努力をしていると、時折自分自身の非力さや未熟さを再認識し、より高い次元で物事を考えようと、自分自身を見つめ直し、再確認することができます。
現在42歳という年齢にもなり、20歳代や30歳代のように職場で私を叱ってくれる人は極度に少なくなりました。
ただ、誰かが叱ってくれるということは実は大変ありがたいことで、40歳代以降になると、誰も叱ってくれない代わりに、市場(マーケット)が自分自身を評価することになり、時として厳しい市場の評価で再起不能になることもあります。
従って、常に自分自身を客観的に見つめ直し、足りないところは真摯に認識し、しっかりと補うという、純粋なスタンスが歳を重ねるごとにより重要になってきます。
今回のMBAコースを通じて、改めて自分の非力さと未熟さ、そして足りない部分を痛感し、その自分自身に愕然とし、ただ再起するための計画を立てられるように自分自身を見つめ直したいと思っています。
まとめ
いかんせん先ほども書いたように、出願しただけで、合格ったわけではありません(笑)。
ただ、ここで書いたように、MBAコースに通うことは、想像以上の成果が得られるものと実体験も踏まえて期待しています。
合格して実際に通い始めるのは来年の4月からになるのかもしれませんが、この機会を通じて、今から来年の入学準備として経営学の独学での学び直しをはじめており、そういった機会を得られていることにも感動しています。
是非とも年内の合格発表で、自分の受験番号が存在していることを心から願っています(笑)。
ちゃんと合格していた場合、あらためて合格体験記としてこのブログを更新したいと思います!