ひらさわ たゆ

こちらでは主に小説、時々エッセイや詩などをあげていきたいと思います(*^▽^*) 別ア…

ひらさわ たゆ

こちらでは主に小説、時々エッセイや詩などをあげていきたいと思います(*^▽^*) 別アカウント『たゆ・たうひと』⇒ https://note.mu/guerlain_325よろしくお願い致します

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    平沢たゆ「妄想家族」シリーズ ちょっとおかしな家族の、温かな日常

  • 【コラボ小説】Answer

    「たゆ・たうひと」こと「ひらさわ たゆ」と 「みらっち」こと「吉穂みらい」が この度「ふたりでひとつ」の小説を書きました

  • 23:50 バスルームから愛をこめて

    仮想ラジオ番組『23:50 バスルームから愛をこめて』オリジナルシナリオ小説 そのシナリオ通りに音声配信してくれたkonekoちゃんのラジオと、 更には実際に対談させていただいた『たゆねこラジオ』をお楽しみください

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きらちゃんのゆううつ

 きらちゃんは小学2年生。  さいきん「ゆううつ」という言葉をおぼえた。  それは、せんしゅう、学校で飼っていたうさぎさんが天国に行ってしまったから、ちょっと考えることがふえたせい。  もう、おばぁちゃんだったから……仕方ないんだけれどね。  そんなことがあってから、おうちで飼っている犬さんも「いつかいなくなっちゃうかも」って考えたら、なんだかモヤモヤして仕方がないの。  お父さんがね、そういう気持ちのことを「ゆううつ」って言うんだよって教えてくれた。ゆううつって、なんだかい

    • 遺言

      ふたりめの子どもを身ごもり、切迫流産して7か月で里帰りをした。 その時既に、私は嫁ぎ先に帰りたくない気持ちでいっぱいだった。 大恋愛というほどではないが、求められて結婚した当時はそれなりにしあわせを感じていた。なんの疑いもなく安寧な暮らしを信じ、子どもの父親と一生添い遂げるものと思っていた。だが結婚が決まった途端、それまで毎日のように訪れていた彼の実家には、どういうわけか違和感を感じ足が遠のいていた。あの頃は自分の中の疑念に蓋をし、それがマリッジブルーなのだと思い込んだ。

      • きんぴらごぼうにお茶漬け

        タイトルを見てピンときた方は流石です! こちら近藤真彦さんの『ギンギラギンにさりげなく』のサビ部分の替え歌です。語呂合わせというか、おもしろ空耳とでもいいますか、小学校の頃、こういったサビの部分のみの替え歌が流行っており、過去にわたしは「お楽しみ会」で披露するために1番だけを創作詩したことがあるのです まぁ、子どものやることなのでね、つじつまなんかあっていませんが、いい感じに言葉遊びにはなっているのでしょう この他にももっとあったのですが、なぜかこの歌だけ記憶に残っている

        • 忘れないうちに

          こちらでちょっと触れている ↓ ↓ ↓ 忘れられない好きな曲がある やっと見つけたの 櫻井敦司さまがお亡くなりになる以前に、インスタでつながっているお友だちがBUCK-TICKのファンだということを聞き、ずっと思い出せない歌がある…と訴えましたところ、どんな歌かと聞かれた まぁ、そうなるよね でもタイトルが解らないし、伝えようもない。でも、ワンフレーズだけ覚えていて、それが彼ららしくないなと感じていたからこそ、いつまでも頭に残っていたのかもしれない でね、その気に

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          妄想家族 『買い物』

          買い物に行って「パンの気分」という娘のためにホテルブレッドとベーグルを買ったのに、帰りにたこ焼き食べたら「もういらない」って、これは大人のやることか?と思いつつ、いまだ子どものための買い物をする自分がかわいいと思うある日 子どものころ、母親に「あんたと出かけるとお金がかかる」とよく言われていた 目にするものが欲しくなるから仕方ないのだが、それを今自分の娘がひきついでいるようだ せっかちな妹と出かければ「あんたと出かけると時間がかかる」とよく言われる 買うものは決まっている

          妄想家族 『買い物』

          私は女

          大好きなんだぁ・・・・これ ↓ ↓ ↓ 知ってるひと少ないと思うんだけど、この方『あばれはゃっちゃく』の初代マドンナ。そう、女優さんです こちらでも紹介しております ↓ ↓ ↓ とにかく声がいいのよ~わたしにはドンピシャでグッとくる 歌詞もね、そうそうって納得するところがたくさんある 死ぬまで…といっちゃうところがアイドルじゃない、大人の魅力 結構昔に、ほんの少しだけ聞いた曲だったけれど、この冒頭のフレーズが忘れられなくて、ずっと心に引っかかっていた ここのフレーズ

          ヒゲとボイン

          この曲を初めて聞いた時は「なにいってんだ」と思った でも、この曲を改めて聞いた時「なるほど」と思った 男にはつらくて長い二つの道いいえて妙 ヒゲを目指すか、ボインを取るか、 二兎追うものは一兎をも得ずという歌なんだな、と思った 切実だなぁ 奥田民生氏の歌詞はいつも、そうそうと思わせるものがある。タイトルも解り易くてスッと入ってくる。アイドルの匂わせ感とは違いますね 男にはふたつの道だとすると、 女には枝分かれの道じゃないかとしみじみ思う。ただの分かれ道じゃないの、枝

          ヒゲとボイン

          風は秋色

          おひさしぶりです。この記事も実に2年ぶり。だいぶ放置してしまいました 先日面白いことがあったので、ひとつ・・・・ 80年代昭和歌謡、特にアイドルの歌を、わたしのカラオケで聞いて育った我が娘のレパートリーに「聖子ちゃん」は必須です。車のオーディオにもしっかりとシングルコレクションが取り揃えてありますので、たまにふたりで声を張り上げていたりもするのですが・・・・ そんな娘が先日、わたしのBGM用のMVを観ていてポツリと言いました この曲、なんでこのタイトルなの? 『風は秋

          Answer「後日談」

          「p0」「p1」「p2」「p3」「p4」「p5」 「p6」「p7」「p8」「p9」「p10」  2023年10月14日。  月曜の早朝から取材旅行に同行することになったはるかは、その日の午後から思わぬ休暇が舞い込んだ。ちょうど美咲も戻ってくるということで、夕方から萌の家に向かうことになった。 (大丈夫だろうか)  予告通り美咲は、仕事から戻ったその足で「お土産を届ける」という名目で萌の自宅に押し掛ける算段だったらしい。  なにかやらかすのではないかとハラハラしていたが「下

          Answer「後日談」

          Answer「p10」

          「p9」(前話)  2023年10月10日。 「ねぇはるか。タクミの漫画って、読んだことある?」  急に電話をかけてきて、何をいきなり――美咲の行動はいつも斜め上からやってくる。 「えー。ないよそんなの」  あるわけがない。 「やっぱりね。一度読んでみた方がいいよ~」 「なんで。おもしろいの? 美咲は読んだってこと?」 「まぁ。――それより萌のことよ」 「え。あぁそう。親が絡んでくると難しいよね」 「なにが難しいのよ。結局ふたりがどうしたいかでしょう? あたし、萌に連絡し

          Answer「p8」

          「p7」前話  2023年10月6日。 「仕事で地方に出なきゃならないんだ。バタバタして悪いけど、改めてお礼はするね」  昨夜遅くにそう言って、美咲は大きなスーツケースと共にあっけなく部屋を出ていった。  なんでも、田舎町に海外赴任で来ている家族が、仕事でご主人がいない間の日常生活に困っているらしい。しばらく生活を共にして買い物その他の手助けをするのだという。世の中にはいろんな仕事があるものだ。 「でもサークルの会合には行くからね。はるか、予定変更はなしよ!」  しっかり

          Answer「p6」

          「p5」前話  2023年10月4日。  今日は「天使の日だ」と美咲がはしゃぐ。  先月の休日出勤の代休で1日空いたことを伝えると「やっぱりね」と、そんなことを言った。美咲は昔から、そういう迷信を頼りに方向性を決めるきらいがあった。しかしながらあいにくの雨――これも天使の仕業だろうか。  美咲の突然の訪問から4日が経っていた。美咲は未だ帰国の理由を告げないまま、だが毎日忙しくどこかへ出かけているようではあった。気を使っているのか、ここ最近の冷蔵庫の中は充実していて、毎日

          Answer「p4」

          「p3」(前話)  2023年10月1日。 (なんかおいしそう)  遅い帰宅にこの匂いは残酷すぎる。  このところ残業続きなせいでそんなことを感じる余裕もなかったが、このアパートにもいろんな家庭が存在するのだなと、改めて思う。  一瞬、自分の部屋から漏れている灯りに驚くも「あぁそうか」と、前夜の突然の訪問を思い出しすぐに納得。美咲がいるのだ。  朝一番の会議の為、今朝は鍵と置手紙を残して部屋を出た。日頃の癖から鍵を取り出そうと添えた手をバッグから放し、匂いのもとが自分の部

          Answer「p2」

          「p1」(前話)  2023年9月30日。 「こんな時間にだれよ?」  テーブルの上をそのままに、立ち上がって玄関口に向かう。無視しようにもキッチンの電気が漏れているだろうから、居留守は決め込めない。 (まさか苦情?)  ここ数年、来客どころか宅配便すら会社宛にしているくらいで、他に思い当たる節がない。 (大家さん、とか)  この時間に?――時計はまもなく日が変わろうとしていた。 「はるか~」  情けないような、小さく響くその声は、 「美咲⁉ うそっ」  鍵を開けようとし

          Answer「p0」

           2023年9月29日。 「――はい。はい、それでは失礼致します」  アパートの玄関前で通話を終え、スマートフォンをバッグに落とす。その手で鍵を取り出すと、再びコール音が鳴り響いた。 「えぇ!? 話終わったんじゃないの?」  また仕事の電話…と慌てて鍵を差し込み、重いドアを肩で押し開けながら、スマートフォンを取り出す。 「はいはい。…はい、吉平です」  画面も見ずに電話に出、シューズボックスの上に置かれたホタテ形の陶器に鍵を手放す。チャリン…の音とともに聞こえてくるのは、

          妄想家族 『運動会』

          ボクちゃんと、おねえちゃん 今年は同じ組で競技も一緒 いつも敵同士だったから、一安心 毎年続いた「勝った」「負けた」の喧嘩もなく 怪我もなくすんでよかった ちなみに 優勝に縁がないおねえちゃん 故に「今年もダメだ」と嘆く しかし結果は準優勝 5組のうちの2位 悪くない 「負けちゃいない」と喜ぶボクちゃんに 「やっぱり負けた」と怒るおねえちゃん どちらも正しい意見ではあるが それぞれの気持ちが切なくもあり、頼もしくもある 伸びるのどっちと問われそうだけれど ボクち

          妄想家族 『運動会』