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食品オタクが調理器具作って2000万円売れた話

こんにちは。今回は、初月で売上2000万円を達成した、Mellow(メロウ)という真空調理器についてご紹介します。プロダクトを作るためにパートナー探しに燃え上がった創業者のエピソードがドラマチックですので是非ご参考ください。

Mellowとは?

Mellow は、サンフランシスコを拠点とするスタートアップ企業が開発した真空調理器で、2014年に発売が開始されました。

ちなみに「真空調理」は国内では聞き慣れないかもしれませんが、真空パックした素材を、長時間の間、温水による加熱または、低温状態を保ち、真空にすることによって肉や野菜を柔らかくする料理手法です。

1979年、フォアグラのテリーヌ調理のためにフランスで生まれ、焼く、蒸す、煮るに次ぐ第四の調理法とも呼ばれています。
直接食材に触れる機会も少ないため、二次汚染の防止、素材の酸化や乾燥を防ぐことができ、事前に準備しておくなど、時間短縮が図れるメリットもあります。

こちらのMellowは、スマートフォンアプリから自動的に遠隔でコントロールし、素材や分量に応じて、最適な温度管理と、適切な調理時間の設定も可能です。

40×15×30cmのコーヒーメーカーのようなサイズながら、仕事や外出している間にも、食品を新鮮に保つために内蔵の冷蔵システムが組み込まれているため、朝に食材をセットし、夕食時に完璧な状態ですぐに食べられるので、日々忙しいビジネスパーソンにもぴったりの進化系の調理器具です。

Mellow

製品の特徴

ビルトイン冷凍
特許取得済みの冷蔵システムを備えた真空調理器具。調理するまで食品を新鮮で安全に保つ。

Wi-Fi接続
直感的なスマートフォンアプリを使用することで、キッチンから何キロも離れた場所からリアルタイムで料理を制御できる。

エネルギー効率
二重壁水タンクは、エネルギー効率が良く、取り外し可能でお手入れ簡単。

重量センサー
重量の変化を感知し、スマートフォンにプロンプ​​トを表示、調理時間が設定されるまで水を冷たく保つ。

アシスタントシェフによるスマートフォンコントロール(アプリ内)
ユーザーの好みを学習し、個々の好みに合わせて食品が正確に調理される。

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これらの高度な機能が備わっています。
Mellowは399ドル(日本円価格で4万円ほど)で購入可能。日本での販売はまだのようですが、いまのところ、Mellowの公式サイト、海外のクラウドファンディングサイトから購入が可能のようです。

起業のきっかけ

Mellow.incは、健康的で便利な食事の選択肢を家庭にもたらすというコンセプトで展開する企業

創設者のポルトガル出身ゼ・ピント・フェレイラへのインタビューによると、彼は機械エンジニアであり、食品オタク(特に真空調理法)であり、プロダクトデザインの愛好家だそう。もともとはパーソナルケア機器を開発する企業のインターンを経たことで影響を受け、真空調理法が家庭料理の概念を劇的に変える可能性を秘めていることに気がつきました。

一方で、もう一人の共同創設者のカタリーナは、フリーランスのデザイナーとして働いていました。25歳のとき、彼女はグラフィックから家具やキッチンツールまで、あらゆる種類のデザインをすでに行っており、複数の賞を受賞していました。

そこで、ゼピントフェレイラは、彼女の才能をどうにかこの画期的な調理器具の開発に協力してくれないか話を持ちかけ、プロダクトの完成に至りました。

マーケティングついて

具体的にはこのようなことを行ったそうです。

・実験を繰り返す
・他社のウェブサイトを徹底的に勉強する
・優れたサービスプロバイダーとの連携
・100人以上の記者にアプローチをする

これらのマーケティングの成功に至るまでのビジネスヒントとなる情報をもう少し深掘りして見ます。

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ビジネスのヒント

1 プロダクトの実現可能性を見極める

事業を始める際に、資金を用意できるかはもちろんですが、そもそもアイデアやプロダクトが、実現可能であるかが大前提となります。創設者のゼピントフェレイラは、エンジニアリングのバックグラウンドを持っていたため、実現に至るまでが早かったと思われます。

たとえば、かの有名なSteveJobsも、Appleを設立する前の若い時期ヒューレットパッカードで働いた経験もあり、自身で開発したプロダクトの初注文を受けたと同時に退社、次へのステップを目指したそうです。そうした例にもあるように、自身の経験やスキルを活かした結果といえます。

2 パートナー探しの重要性

もし自分の力だけでプロダクトを作るのが難しい場合、共同パートナーを見つけるために奮闘する必要があります。ゼピントフェレイラがカタリーナに出会ったとき、彼女はフリーランスのデザイナーでしたが、あたらしくはじめる事業、つまり同じ船に乗ってくれるかどうか相当な説得をしなければなりませんでした。

なぜなら、高い能力のある個人事業主の場合、彼らはすでに何かに取り組んでいるためとても忙しい日々を過ごしています。そして、その説得に納得感をもたらすには、それ相当の価値について話をする必要があります。

3 自分の知らないことは、なるべく多くのプロフェッショナルからアドバイスを受けること

起業する際には、法律や税務、エンジニアリングについてなど様々な課題があります。日本ではたとえば無料の相談プラットフォームなどに「どうすれば成功できるか」といった曖昧な表現でも、簡単に情報を手に入れることもできますが、専門性のある内容はさらにプロフェッショナルな人物に聞きに行ったり、読書やスキルマーケットで学ぶことで、知識を得る必要があります。

自分の判断であまりに無鉄砲に動くと、時として費用がかかりすぎる結果となり、リスクが伴いますが、すでに経験豊富なプロフェッショナルから専門知識を学ぶことで、自分自身では思い付くことができなかったであろう知識を与えてくれ、失敗から身を守ってくれます。さらには信頼関係を築けた場合、顧問、経営パートナーとなってくれる可能性もあります。メロウではそうした積極的な連携ができていたと言われます。

4「友人の寛大な意見」「初期の購入客」がメロウの成功にとって重要だった

起業したばかりの場合、友人が一番のユーザーとなり、常にあなたのビジネスアイデアに丁寧に耳を傾け、正直な意見をいってくれます。さらには、こちらからさほど苦労して勧めることなく、純粋な応援のために購入することがあります。

それは、すでにあなたのことを知り、信頼を得られているからであり、事業の内容に共感し、成功を願っているからです。そして、メロウはそうした友人の応援のほか、クラウドファンディングに出品したことがきっかけで大きな売上をあげましたが、優れたプラットフォームの活用や、ショッピングサイトとの連携も成功の鍵を握っていると言えます。自分のプロダクトがどのプラットフォームにあっているのか、利用層の見極めが重要となります。

5 100人以上の記者に連絡する

これは古典的なやり方ではありますが、ゼピントフェレイラにはエンジニアリングのバックグラウンドがあり、カタリーナにはデザインのバックグラウンドがあり、優れたPRの方法もすでに学んでいました。彼らが作成したプレスキットは記者の方がいつでも記事にできるように準備されています。動画によるプレゼンテーションをはじめ、とてもわかりやすく作られているため、一度参考に見てみるといいかもしれません。

▼プレスキット


以上、1か月のプレオーダー販売で$ 200,000以上を稼いだ調理器具Mellow の事例紹介でした。

みなさんのビジネスに役立つヒントになれば幸いです。

Youtubeチャンネルでは、海外で注目のニュース、日本未公開の世界の成功事例を中心に、ビジネスに役立つ情報をダイジェストでお届けしています。これから起業を目指している方や経営者、個人投資家の方は、ご興味ありましたらチャンネル登録いただけると嬉しいです。

▼リケジョの起業

ご購読いただきありがとうございました。
それではまたお会いしましょう。

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Taeko Mitamura

EC歴18年。アパレルメディア、ショッピングサイトを経営しECプランナーとして活動中。東京でホテル暮らし中。

▼ポートフォリオ
https://note.com/taekomitamura/n/n94c619ba4c85

▼ネットショップアカデミー

普通の会社員が売り上げ1億円アパレル社長になった方法を教えてます
https://note.com/taekomitamura/store
https://bit.ly/3fR7vpw (ストアカ)

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