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高野山3句

たまには真面目に作ってみようと思いました。
そろそろ秋も深まってきたであろう、和歌山県・高野山に思いを馳せつつ。

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参道の石仏ちて秋時雨

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夜参よまいりの空一面の星月夜ほしづきよ

《解説》
和歌山県・高野山では、弘法大師空海が眠る(瞑想しているとされる)奥の院に、暗くなってからお参りする「夜参り」という参拝があります。

私が20代の頃、「夜参りは功徳くどく(ご利益)が二倍」という話を聞きました。
以来、何度か夜参りに訪れています。

夜の参道は、とても静かです。
時折、鳥の声が聞こえたりします。

また、参道脇に設置された除夜燈以外は真っ暗です。
昼間は参拝客でにぎわう参道も、夜は人の姿を見かけません。

静寂の中、ふと空を見上げると…
月はなく、そこには満点の星空がありました。

余計な光がない山の中だからこその、星月夜でした。
夜の高野山、また行きたいと思っています。

※「夜」が重なっているのがどうも気になるのですが…
「夜参り」を別の言葉に置き換えることができませんでしたので…

余談ですが…
私が愛用している数珠は、「星月せいげつ菩提樹」の実で作られたものです。

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色づきし紅葉もみじ英霊えいれい慰めて

《解説》
高野山・奥の院に向かう参道の途中に、「英霊殿えいれいでん」というお堂があります。
上の写真、中央に写っているのが英霊殿です。

英霊殿は、第二次世界大戦の戦没者を供養するため、昭和27年に建立されました。

第二次世界大戦による戦没者は、軍人だけでおよそ230万人。
民間人を含めると、犠牲者は300万人以上になります。

私の祖父の弟も、海軍に所属し…
フィリピン沖で戦死したそうです。

毎年11月上旬になると、英霊殿の周辺は紅葉が鮮やかに色付きます。
戦没者にとっては、桜より紅葉のほうが心が慰められるのでは、と思い、この句ができました。

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明後日、久しぶりに夫と休みが重なるので、高野山にお参りする予定です。
ちょうど紅葉が見ごろを迎えているようで、今から楽しみです。

ちなみに、記事内の写真は、すべて私が撮影したものです。

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