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Piece for Peace 平和のパズル

積み上げる平和

 この写真は、2019年2月23日のミャンマーの首都ヤンゴンにあるシュエダゴン・パゴダ(仏塔)です。2月、ミャンマーの気温は、30℃を越えていました。それでも黄金に輝くパゴダには、世界各地からの観光客であふれていました。裸足で歩いた大理石の境内、気持ちよかったことを覚えています。黄金のパゴダがライトアップされる夜の美しさは、格別!この世のものとは思えない、これほどの美しさを作り出すミャンマーの歴史と人々の信仰心の深さに心ふるえました。
そして、大通りには、たくさんのマーケット

 もちろん、私一人で歩いても何も問題ありませんでした。人々は、道で楽しくおしゃべり。たくさんの若者で賑わって、歩道橋は渡れないほどでした。数日前に訪れた東京とは比較できないほど、町は笑顔と活気に溢れていました。世界のこれからのビジネスチャンスはミャンマーにある!とさえ感じたほどでした。
 この時からちょうど2年後、ミャンマーでクーデターが起こりました。あのマーケットでバラの花束を買って一人歩いた大通りは、紛争の現場としてニュースで何度も取り上げられ、笑顔が消えた人々の顔は恐怖でおののいた様子でした。ミャンマーで出会った人たちに、今は何も聞けない、そんな日々が続く中、今日の朝刊は、ミャンマーの政府関係者は外国人と会う際には、選挙管理委員会の許可が必要と報じていました。
もう、あの人達には会えない・・・。
 平和とはこんなに脆いものかとつくづく思いました。平和とは、その国の人たちが時をかけて、血も涙も汗も流しながら一つ一つの積み木を積み上げるようにして築いてきたものだと思ったのです。しかし、それが崩れるのは、本当に一瞬。そしていとも簡単に・・・・。

アフガニスタンとウクライナ

 今日は日本では終戦記念日です。そして、一年前の今日、タリバンがアフガニスタンの首都カブールを制圧しました。アフガニスタンには知り合いがいます。国外退避を希望していたので、尽力しましたがかないませんでした。数日前に彼と電話で話をしました。娘たちは学校にも行けない。奥さんも仕事もできない・・・。困難な日常の様子を語ってくれました。アフガニスタンも平和に向けてアフガニスタンの人々は尽力していたはずです。少なくとも私の知人は、アフガニスタンの医療に貢献すべく今も診療を続けています。
 ウクライナの避難者支援活動のため私は、3月上旬から1か月ほどハンガリーとウクライナの国境にいました。このアフガニスタンの知人は、私がFacebookでウクライナ避難者支援活動の様子をアップすると、彼は常に、”いいね”をしてくれます。一体どんな気持ちで”いいね”をしてくれているのか・・・・。心が痛みます。
 ウクライナの人道危機も、”それは突然に始まった”と多くのハンガリーの人たちから聞きました。これまでもロシアからのウクライナへの圧力はそれなりにありました。しかし、これほどの非人道的な行為に及ぶとは多くの人たちは思っていなかったように私は感じました。そして、ハンガリーの人たちの多くが1956年、民主化やソ連軍撤退を要求する市民とソ連軍が衝突したハンガリー動乱を思い起こしていました。

広げる平和

 私は、ミャンマーでクーデターが起きた時、平和は積み木のようにその国で大切に積み上げてきたもの、それは簡単に崩れると感じました。しかし今、世界各地で平和が脅かされている現状で平和を築くのは、その国の人たちだけではなく、世界の一人一人がパズルのピースのように、欠けた穴を埋めて、世界平和のパズルを作り上げていくことが求められているのではないかと思うのです。他国で起きていることを、決して他人事と思わず、自分でできることを、自ら探して行動していくこと。それは、どんな小さなことでも構わないと思うのです。平和ってなんだ?って自分でちょっと考えてみる、家族で平和のことについて話をしてみる、そこから始めてみるってどうでしょうか?パズルをつないでいくのは私たち一人一人の願いではないでしょうか。そのパズルが少しづつ広がっていったとき、世界も少しずつ平和に向かうと思うのです。今、だからこそ、一人一人が、Piece for Peace!

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