![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/107902498/rectangle_large_type_2_f896e077d7e1be2b5320cc0841edc320.png?width=800)
【日記】読んでない本のタイトルだけ見て感想を書く【第5弾】
唯坂 優(たださか ゆう)です。
以前、不定期に『読んでない本のタイトルだけ見て感想を書く』
略して『読んタイ想』という記事をちょいちょい出してまして。
最近はPython記事のネタも出ないし、アイデア枯渇してる時くらい過去のやつ掘り返してもいいかということで第5弾をやってみようと思います!
①アメリカひじき・火垂るの墓
知らんのと知ってるのが同居しとる。
そもそもなんだアメリカひじきって。
以前聞いた話ですが、外国の方って日本人と違って海藻を消化する酵素を持ってないから海藻の類を食べる文化がない(少ない?)はずなんですよ。
それが正しければアメリカに食用のひじきは存在しないと考えるのが妥当だと思うんですが…真相やいかに。
っていうか、
おそらく架空の存在である『アメリカひじき』と、
言わずと知れたド名作『火垂るの墓』にどんな関係があって一冊の文庫本にまとめられているんだ。
気になる方は読んでみたらいいと思います(他人事)。
②「ククク……。奴は四天王の中でも最弱」と解雇された俺、なぜか勇者と聖女の師匠になる
このタイトル、著作権的に大丈夫なのか?
確かに、名著の名台詞やタイトルを引っ張ってきて無関係な新しい作品に使うというのはよくあることですが。
それって『歴史ある』と言えるくらい古い作品からの場合の話であって、
リリースから20年弱しか経ってない別作者別作品のセリフをガッツリ引用してタイトルに冠しちゃうの、部外者ながらややハラハラしてしまうな…
第一印象はそんな感じだったんですけど、ちょっと視点を変えて考えてみました。
現代って、インターネットを介して以前とは比較にならない速度でコンテンツが消費されていくと同時に、
それの(ネット上での)一般教養化があまりにも速いじゃないですか。
例えばSNSを使う人なら、
漫画やアニメのワンシーンを切り抜いた画像で自分の心情を表しているユーザーを少なからず見たことがあると思います。
そのつぶやきが不特定多数の人間の目に留まり、同じ表現を使うようになるというプロセスを経て、
これまでコンテンツ由来の言葉が一般語彙として浸透するのに必要だった時間がガンガン短縮されているわけですよ。
その文化の影響の下で、『四天王の中でも最弱』というセリフはたった20年で慣用句として完成したと言っていいんじゃないかと。
もう誰が言い始めたとか何が元ネタかとか関係ない、「ただの日本語表現」の域。
そもそも小説のタイトルに引用されること自体、かなり有力な『用例』ですもんね。
思いがけず、ネット社会の到来によって生じた日本語進化の大きなうねりを目撃した気分になってしまいました。
③挫折しそうなときは、左折しよう
ドラスティックな自己啓発本みたいなタイトルですが、絵本ですね。
直接は関係ないですけど、ネットでたまに聞く『クラピカ理論』っていうのがありまして。
クラピカは、「確かに 行動学の見地からも 人は迷ったり未知の道を選ぶ時には無意識に左を選択するケースが多いらしい」と理論を展開。そしてこの理論を逆手にとって、“左を選びやすいからこそ、右を選んだ方が無難”という考え方をしていました。
実際、現代の行動心理学でも『左回りの法則』というのは知られていて、
コンビニなどで客の動線を右回りから左回りになるよう改装することで売上がUPするなんて効果もあるみたいです。
反対に、人間の無意識に逆らう『右回り』の配置には違和感や不気味さを生じさせる効果があるらしく、お化け屋敷などに導入されているとかいないとか…
であればこの本は、『自分の無意識に抵抗せず左を選択したほうがいい』と言いたいのか…?
確かに、倒すべきモノに真っ向から立ち向かうべきハンターならいざ知らず、
挫折しそうな時に不安を催すような道は行きたくないものです。
爽やかな気持ちで問題に対処できるというのなら、案外的確なアドバイスなのかもしれない。
あとこのタイトルでもう一つ気になったのが、
明らかに「挫折(ざせつ)」と「左折(させつ)」で韻を踏んでるんですけど、
これ原作者アメリカ人なんですよね。
原語版だとどういうタイトルになってるんだろう…
「When Things Aren't Going Right, Go Left」。
DeepL翻訳によると…
「物事がうまくいかないときは、左へ行こう」。
これめっちゃ面白いな。
英語の表現では、「go right」で「物事がうまくいく」という意味があるらしい。
「right」は言わずもがな、「右」という意味を持つ。
原語版だと「right」と「left」を使って意味をかけてるのに対して、
日本語版では「挫折」と「左折」を使って音をかけてる。
文章としての意味を崩さず、その上でユーモアのギミックは踏襲してる…
芸術点高いなぁ~~!感動しちゃった。
ここからは「タイトルだけ」というレギュレーションから外れちゃうんですけど、Amazonとは別のサイトに紹介文が載せられてました。
「なにをやってもうまくいかない。なんでかさっぱりわからない!」そんなとき、どうする? 不安、迷い、恐れ、イライラをどうしたらいい? 時には思い切って、いつもと真逆のことをしてみると……。ちょっぴり哲学する絵本。だれだってモヤモヤしたり、ビクビクしたり、イライラしたりするものです。そんなよくある悩みとの付き合い方をユーモラスに提案する、成田悠輔、初翻訳絵本。
なるほど、内容的には「right」と「left」が対になる概念であることも効いてくるのか。
「go right」できない時こそ、真逆を取って「go left」しろと。
オシャレ…!!
読んでないのにこんな引き込まれることあるんだ。まさにタイトルの妙ですね…
というわけで、今回も書店をうろついて気になったタイトルをいくつかピックアップしました。
思考が行き詰まったりとか、時間をとってインプットができない時にもフラッと本を見に(もはや『読みに』ですらない)行くとリフレッシュできるかもしれませんね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?