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【カンボジアの学校へ行こう!31】 #オラが村の海を守る!#保健委員会コミュニティー活動#熱血先生応援プロジェクト(空回りしない)

■ 月1回という海岸の村の清掃活動

生徒56名、教員6名という小さな漁師町の中学校が地域住民と地域清掃を始めた。それ自体はなんら珍しいことでは無いように聞こえるでしょう。でも私たちにとっては、大きな変化なんです。

のどかな漁村の風景がひろがる

我々がこの村に行くには、首都プノンペンからタイ国境近くにあるコッコン州の州都まで車で9時間かけて移動し、そこから小さなスピードボートで1時間かけてしか行くことができませんでした。ここコッコン州は内戦初期にポルポト軍の残党兵が投降後の処刑をおそれ、陸の孤島に潜伏を続け現在に至っている村が点在します。この集落もまた、潜伏しながら細々と漁業を営みながら生活を続けて今日に至っている方々が中心です。

最近、良くも悪くも開発の手が進み、ようやく国道からの道が開拓されました。手付かずの自然を活かしたエコツーリズムのポテンシャルも秘めています。そんなこれから発展を遂げようとしている村には大きな問題があります。ゴミ問題です。

村の路地。至る所でプラスチックゴミが堆積している

■ ゴミ問題。地方で深刻化。解決の糸口見つからず

人口も少ない地方の村にはゴミなんか存在しないように想像するかもしれません。プラスチックやアルミ缶などの燃えないゴミが無かった時代はそうだったのかもしれません。

国内の殆どの地域ではゴミの公的回収サービスはありません。国内にも僅かなプラゴミのリサイクル施設建設が始まったばかりで、村人が回収して集めたリサイクルゴミは、隣国に安い値段で輸出されています。僻地においては街にゴミを運ぶ燃料費がかさむため、村にはゴミの引き取り先もない状況です。

■ 保健室の機能としての地域保健活動=地域清掃

「カンボジア 独自の保健室づくり」を目指した取り組みを始めていますが、学校の規模や立地場所によって条件も違うので、その内容は今も模索中。

地方の人たちにとっては、図書館も公民館も体育施設も、見たことも聞いたこともない状況。でも学校がある。とにかく村が抱える問題を学校を中心に解決できないか話し合える学校保健室委員会をつくりました。学校長、保健担当教員、地域代表、生徒保健委員、地域の保健担当者で構成されています。そして、この学校では校長先生が、定期的な地域清掃を発案しました。

学校の近くにある小さな漁村

Sorm Kray校長は、普段は自分から発言することを見たことがなく、とても大人しい性格の先生。我々も学校の周辺を歩いていて、海辺の小さな村にゴミが散乱しているのを見て、たいへん前年に思っていたところでした。他の学校でも、赤十字や他団体の介入で地域のイベントとしての清掃は行っていますが、地域住民と一緒に毎月計画的な清掃活動をしている例を聞いたことはありません。

清掃を始めるSorm Kray校長と生徒たち

校長は、地域の協力者の家を中心に6つの区画に分けて、毎月一度の清掃活動を計画しました。一度に多くのペットボトルと空き缶が集まると言うことで、収集業者もビニール袋を提供してくれました。

こうして2月11日、1回目の清掃が行われました。

みんなでレッツ清掃!
拾っても拾ってもゴミがでてくる!
レンジャーだって問題は同じ。参加します。

今回、地域からは9名の方に参加いただきました。参加者の方曰く「ゴミを片付けたいと思うけれど量も多いので、なかなか片付けが出来ず、ゴミがあることに慣れてしまっている」。今回の清掃は、地域の方々の心にも清掃への火を灯したようです。

活動の継続とともに、より多くの地域住民が参加して、村をあげた活動になっていくといいですね。

海岸ベリの重点清掃
清掃前
ゴミ回収後
燃えるゴミは、空き地で焼却。よし来月も頑張るぞ!!


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