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経営学の知見:一人一人を両利きにするリーダーシップとは?
イノベーションを起こすには、「既存の改善」と「新規の探索」を同時に行う「両利きの経営」が求められています。
そのために、既存事業と新規事業を、構造的に分けてイノベーションを推進します。でも、実際は、それだけでは十分ではありません。
結局、新規事業であっても、既存事業でも、改善と探索の両方が求められるものですよね。
究極的には、それぞれのチームが、もっといえば、一人一人が改善したり、探索したりと、両利きになるのが理想です。
そのためにどうしたらいいのでしょうか。
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北京大学のジャンらは、中国企業8社を調査した。どれもIT、テレコム、メディカル業界であり、変化の速い業界である。リーダー130人とその部下760人を1か月間にわたり、3回調べた。
まず、以下の5項目にそって、リーダーが矛盾した行動をとっているかを調べた。
#1 自分もリードをとるが、部下にもリードをとらせる
#2 部下と距離をとりつつ、部下と近い存在になる
#3 部下に平等に接しつつ、部下それぞれのニーズに対応する
#4 自分でコントロールもしつつ、部下にまかせる
#5 仕事の基準を示すが、柔軟性や例外も認める
2週間後、矛盾した行動をとっているリーダーのチームほど、チーム全体としても、ひとりひとりでみても、改善と探索を両方行っていた。
さらに2週間後、改善と探索を両方行っているチームや個人ほど、新しいアイディアを考え、実行に移しており、イノベーション行動が多かった。
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つまり、矛盾したリーダーシップは、チームとメンバーの改善と探索を促し、チームのイノベーション行動につながっていることが示唆されました。
既存事業でも改善だけでなく、時には大胆な改革は求められます。
新規事業でも探索だけでなく、あくなき改善も求められます。
チーム、そしてひとりひとりが両利きになるヒントは、矛盾したリーダー行動にあります。
Zhang, M. J., Zhang, Y., & Law, K. S. (2022). Paradoxical leadership and innovation in work teams: The multilevel mediating role of ambidexterity and leader vision as a boundary condition. Academy of Management Journal, 65(5), 1652-1679.
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