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心理学の知見:その場にふさわしい感情をつくれる人は、より稼ぐ

一緒に喜んだり、悲しんだりと、その場にふさわしい感情をつくれる人は、一緒にいて気持ちがいいですよね。

実際、ウェイター、タクシーの運転手、美容師の海外調査では、こういうことができる人には、お客さんがチップをたくさんはずむそうです。

ちょっとしたコツさえ知れば、その場にふさわしい感情をつくれることが分かってきています。

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マーストリヒト大学の研究グループは、次の2つの調査を行った。

#調査1
ウェイターとタクシーの運転手34人を5日間にわたって調査したところ、彼らは、平均すると、1日あたり31ユーロのチップをもらっていた。

その場にふさわしい感情を意図的に、もしくは自然につくれていた人は、そうでない人よりも、5ユーロ多くチップを受け取っていることが分かった。#おー

#調査2
次に、その場にふさわしい感情のつくり方を教えたら、チップの額がどう変わるかをみるために、美容師41人を10日間にわたって調査をした。

半分の美容師には、感情をつくるためのコツを書いたマニュアルを渡し、実践をしてもらった。半分の美容師には、何も渡さなかった

何も渡されなかった美容師は、一人のお客様から平均1.4ユーロのチップを受け取っていた。

マニュアルを渡された美容師は、それよりも多い、2~3ユーロを受け取っていた。

さらに、マニュアルを渡され、かつしっかりと実践をした美容師は、2.5~3.5ユーロを受け取っていた。#チップ増えてますねー

#結論
その場にふさわしい感情を意図的に、もしくは自然につくれていた人は、お客さまからかなり多くのチップをもらっていた。

特にトレーニングをしなくても、ちょっとしたコツを教えるだけで、感情のつくり方を改善できることが分かった。

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そのマニュアルに書いてあった4つの方法がとても参考になるので、ここに紹介したいと思います。

#感情をつくる4つの方法
方法① お客さまが攻撃的な態度をとっているとき、それはあなたへの攻撃ではなく、お客様ご自身の問題が反映されたものと解釈する。

方法② 難しい状況のとき、それは自分の成長のための、チャレンジと機会だと解釈する。

方法③ お客様の立場に立ってみる。

方法④ 過去の楽しかった思い出や、これから楽しみしている予定について考えてみて、前向きな気持ちを起こすきっかけにする。

このような方法は、#ディープアクティング (深い演技) と呼ばれています。

ディープアクティングというと小難しそうですが、上記の4つの簡単な心がけを実践するという簡単なものです。

たとえば、お客様からクレームを受けた時、自分への攻撃ととらえてしまいますが、お客様自身が大変なんだと、少しものの見方を変えてあげればよいというわけです。

そうすれば、お客さまは喜び、そして自分も得をするという、なんとも嬉しい結果が得られます。

いいですよね。

Hülsheger, U. R., Lang, J. W., Schewe, A. F., & Zijlstra, F. R. (2015). When regulating emotions at work pays off: a diary and an intervention study on emotion regulation and customer tips in service jobs. Journal of Applied Psychology, 100(2), 263.

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