ザックス=ホルンボステル分類
楽器の分類って違和感感じませんか?
なに?サックスは金属製なのに木管楽器ですと!
なに?フルートは金属製なのに木管楽器ですと!
あれ?木管五重奏なのにホルンが居ますぞ!
え?ピアノは弦が張ってあるのに打楽器ですと!
楽器の分類って慣例的で全く科学的では有りません。
どうもスッキリしない・・・
同じ事を考えた学者さんが居ました。
ドイツのクルト・ザックスとエーリッヒ・フォン・ホルンボステルが
楽器の発音原理別に楽器の再分類を試みました。
大分類、中分類、小分類があるのですが大分類だけ紹介すると
・体鳴楽器 (Idiophone)
物質本体の固有振動によって発音する楽器の事です。
カスタネット、トライアングル、シンバル、木琴、鉄琴、鐘、チェレスタ等
固有振動で発音するのでチューニングの概念が有りません。
・膜鳴楽器 (Membranophone)
膜の振動によって発音する楽器です。いわゆる太鼓全般です。
ティンパニ、バスドラム、スネア、コンガ、ボンゴ等
膜を張る強さで音程が変わるため固有振動では有りません。
・弦鳴楽器 (Chordophone)
弦の振動によって発音する楽器です。
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ギター、リュート
チェンバロ、ピアノ、三味線、胡弓、琴、ハープ、ハンマーダルシマー等
弦を張る強さで音程が変わるため固有振動では有りません。
通常ではハンマーで弦を叩く事からピアノやハンマーダルシマーは
打楽器に分類されますが、ザックス=ホルンボステル分類では
発音原理で分類するので弦鳴楽器になるのがポイントです。
・気鳴楽器(Aerophone)
楽器本体ではなく空気そのものを直接振動させる楽器分類です。
事実上は管楽器全般ですが、鞭の風切り音も気鳴楽器に含まれます。
気鳴楽器は更に細かく分類されています。
・刃型付吹奏楽器
リードが無く息の空気圧差を作る事で発音する
尺八、リコーダー、フルート
・有舌吹奏楽器
リードの振動で発音するオーボエ、ファゴット、クラリネット、サックス
・唇簧吹奏楽器
唇をブルブル震わせる事で発音するホルン、トランペット、法螺貝
トロンボーン、 チューバ、ユーフォニウム等
・電鳴楽器 (Electrophone)
ザックス=ホルンボステル分類に後世に追加された電子楽器の分類です。
エレキギター、エレキベース、シンセサイザー、電子オルガン、テルミン、
エレクトーン、電子ドラム等
しかし科学的にはスッキリ分類できるザックス=ホルンボステル分類ですが
全く普及しておりません。相変わらず慣例的であやふやな分類のままです。
まあこの分類ちょっと難しいですよね・・・
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